AI型チャットボットが選ばれる理由とは

最終更新日:2020年12月14日

チャットボットは多くの企業・団体で導入が急速に進んでいます。チャットボットとは対話(chat)とロボット(bot)を組み合わせた言葉で、ユーザーからの質問に自動で応答するツールの名称です。ここでは、チャットボットの種類やAI型チャットボットが選ばれる理由について説明します。

チャットボットが選ばれる理由とは

チャットボットはWebサイトやSNS、APIなどさまざまなプラットフォームでの活用が進んでいます。今後は機械学習の発達により、チャットボットがユーザーの対応をさらに柔軟に行うことができるだろうと期待されています。

チャットボットは24時間365日いつでも対応ができ、ユーザーを待たせることもありません。オペレーターが定例的な質問に答える時間は削減され、人が対応しなければならない用件のみに集中することができます。

また2020年から感染症対策のためにデジタルシフト化が急速に進んでおり、人の代わりに応対のできるチャットボットに注目が集まっています。業務効率化や従業員満足度、顧客満足度の向上を求められている現代の企業にとって、チャットボットは働き方改革推進に効果的なツールなのです。

AI型とルールベース型、チャットボットの違い

チャットボットは「AI型」と「ルールベース型(シナリオ型)」の2種類に分けることができます。

AI型チャットボット

AI型チャットボットとはAI(Artificial Intelligence / 人工知能)を活用したものであり、ユーザーが利用を重ねて集まったデータを基に機械学習を繰り返し、回答の精度を高めていくという機能を持ちます。 AI型はユーザーとの自然な対話が可能となりますが、コスト面ではルールベース型よりも高額になることがほとんどです。

ルールベース型チャットボット

ルールベース型(シナリオ型)チャットボットは、事前に作成しておいたシナリオに沿ってユーザーに自動回答します。特定の問い合わせが多い、またマニュアル関連の質問など、カスタマーサポート業務の代行に最適です。

AI型のメリット・デメリット

AI型のメリット

AI型チャットボットはユーザーとのやりとりから自己学習を繰り返して精度を高め、より複雑な質問にも回答できるようになります。AIが搭載されていないルールベース型はシナリオ通りにしか回答できないため、複雑な質問になるとオペレーターへの切り替えが必須です。

その点AI型であれば、柔軟な対応で多くの質問に回答することが可能で、オペレーターはより効率的に業務にあたることができます。

AI型のデメリット

AI型チャットボットのデメリットは、運用開始前に大量のデータインプットが必要になるという点です。ユーザーとのやりとりで精度は向上しますが、運用開始直後も精度が高くなければ、ユーザーの離脱率が上がってしまいます。そのため、事前のデータインプットがとても重要なのです。

また、運用開始後にはこまめなチューニングやメンテナンスが必要になります。ユーザーに誤った情報を回答していないか、情報は最新のものであるか、しっかりした管理体制でユーザーのニーズに応え続けなければいけません。

導入前にも導入後にも手間がかかるので、コストもルールベース型より高額になります。

ルールベース型メリット・デメリット

ルールベース型のメリット

ルールベース型のメリットは、検討から導入まで比較的短期間で行えるという点です。シンプルな設定のため、設問集やマニュアルがあるのなら、データインプットも簡単に出来、AI型より手間がかかりません。

また、質問に対する回答が固定されているため、ユーザーへ誤った回答をするということがありません。 短期間で効果を出したい、シンプルなよくある質問への回答がいい、コストを抑えたいといった場合にはルールベース型が最適です。

ルールベース型のデメリット

ユーザーが複数の質問をしたい場合、ルールベース型はルートが決まっているため、次の質問は最初から問い合わせをし直すことになります。また複雑な質問には回答ができず、自然言語への対応もできません。なので、ルールベース型はチャットボットと有人オペレーター対応の切り分けをあらかじめ決めておく必要があります。

ルールベース型でもシナリオの規模が大きい場合、導入前の設定に手間と時間がかかります。

AI型チャットボットが選ばれる理由

AI型とルールベース型にはそれぞれメリットとデメリットがあります。そしてそれぞれに適した運用業務があります。どちらが優れているかという話ではなく、どの場面で活用させるべきなのか、導入の目的に一致するチャットボットツールを選択すべきです。

まずは導入の目的を明確にしましょう。

  • ・どのような業務をチャットボット対応にしたいか
  • ・規模・コスト
  • ・導入後の管理体制

以上のポイントから、導入に最適なツールを絞り込むことができます。

「シンプルなよくある質問への回答機能があればいい」という場合はルールベース型チャットボットが最適でしょう。しかし、「チャットボットに高度な対応をさせたい」「顧客接点を増やしたい」といった場合はAI型チャットボットがおすすめです。

AI型は自然言語にも柔軟に回答するので、ユーザーに親近感を抱かせることができます。ルールベース型には出せない「個性」を持たせることも可能なため、AI型チャットボットはただの「質問に答えるボット」ではなく、「ユーザーと企業との懸け橋」にもなれるのです。

また、近年開発が進んだことから、優れた機能を持つAI型でも比較的安価になってきており、AI型チャットボットを導入する企業が増加傾向にあります。

チャットボット導入の懸念事項

よくある質問の設定数が少ない

せっかくAI型チャットボットを導入しても、登録するよくある質問の設定数が少ないとAI型の機能が十分に活かせません。登録するよくある質問がそれほど多くない場合には、AI型よりもルールベース型がおすすめです。

よくある質問の設定数、規模などによって適合するチャットボットツールは変わります。導入検討の前におおよその設定数を把握しておくべきでしょう。

Webサイト、アプリなど導入先へのアクセスが少ない

せっかく導入しても、設置場所へのアクセスが少ないと思うようにチャットボットの利用が進まず、効果が出ません。認知度を高めるためにパンフレットでURLやQRコードを案内し、サイトのアクセスアップを狙いましょう。

またWebサイトなどでチャットボットの視認性を高める工夫も必要です。わかりやすい場所にチャットボットが設置されているか、デザイン性は使いやすく親しみやすいものか、複数人で確認することが必要です。

費用対効果が見込めない

チャットボットの導入を目的としてしまうと、効果の実感が把握できないといった事態にもなりかねません。チャットボットの検討を開始したときから、導入の目的は明確にしておき、のちの効果測定のためにヒアリングなどをしておくべきでしょう。

回答件数のみでなく、社員の勤務時間の変化、満足度の変化などで導入の達成度を測ることができます。また、ユーザーの利用率を検討段階から予測しておくことが必須です。設置してもユーザーに使われなければ、思うような効果が出せません。

ニーズに対応するAI型チャットボット

働き方改革の推進により、業務効率化、人手不足への対応は企業にとって避けては通れない課題となっています。

  • ・問い合わせ件数の削減
  • ・オペレーターの負担軽減
  • ・顧客接点の増加
  • ・テレワークの補助

以上の項目を満たすことのできるAI型チャットボットは、まさにこれからの時代に必然のツールと言えるのではないでしょうか。

チャットボット市場は急成長を続けており、今後も企業や自治体などで活用の場が広がることが予想されます。また、テクノロジーの進化により、比較的安価でも自然な会話が可能なものや、機能やサービスの充実したツールがどんどん登場しています。今後、ますますチャットボットの活躍の場が増えていくでしょう。




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