チャットボットの種類と仕組みについて

最終更新日:2020年12月13日

チャットボットとは、chat(対話)とbot(ロボット)を組み合わせた言葉です。 ユーザーの問いかけに対しボットが自動的に返信を行うシステムで、企業とユーザーを結ぶコミュニケーションの窓口として注目されています。ここでは、チャットボットの種類や仕組みについて紹介します。

チャットボットの種類とは

チャットボットには大きく分けて「ルールベース型」と「AI型」の2種類があります。 「ルールベース型」「AI型」のどちらかを選択するかは、目的や機能によって、適切なツールを選択しなければ、効果に影響します。次にチャットボットの種類ごとのメリット、デメリットを説明します。

チャットボット種類別メリット・デメリット

ルールベース型チャットボットのメリット

ルールベース型(シナリオ型)はシナリオ通りに回答するシステムのため、誤った回答をする心配がありません。設定はAI型よりもシンプルなので、比較的手軽に導入までの期間も短く、そしてAI型よりも比較的にコストを抑えることができます。

定型的な内容で頻繁に問い合わせが来る人事や経理業務の問い合わせ対応に向いています。

ルールベース型チャットボットのデメリット

ルール通りにしか回答できないため、複雑な質問に対応することができません。ユーザーのシナリオ外の複雑な質問に回答できるよう、チャットボットから有人対応への連携をあらかじめ想定しておく必要があります。

AI型チャットボットのメリット

AI型のチャットボットは人工知能を搭載しており、ユーザーとの対話から機械学習を行うことで適切な回答を表示します。またその会話から分析を繰り返し、さらにスムーズな会話が可能となる機能を持っています。

ルールベース型に比べて複雑な会話にも回答可能なため、ユーザーのニーズに合わせたやりとりができます。

AI型チャットボットのデメリット

回答の精度を上げるため、事前に膨大なデータのインプットが必要となります。運用開始後も回答の精度を上げていくためには多くの会話データを重ねる必要があります。回答内容が正しいものとなっているか、定期的にメンテナンスやチューニングをしなくてはなりません。

チャットボットの仕組みと特徴

チャットボットは仕組みから4つの種類があります。それぞれの特徴について説明します。

ログ型チャットボット(機械学習型AIチャットボット)

ログ型チャットボットは、会話を重ね、その蓄積データを利用して学習することで、より自然な会話を行えるようになる機械学習型のAIチャットボットです。問い合わせの多い場面ほどデータが蓄積され、精度の向上が見込めます。

選択肢型チャットボット

ユーザーが回答を選択しながら会話を進めていくのが、選択肢型チャットボットです。 事前に用意されたシナリオのルート通りに会話が続くため、シナリオにない受け答えはできません。ユーザーからの質問が前もって想定されていれば、手軽に運用開始できる点が選択肢型チャットボットのメリットです。

辞書型チャットボット

辞書型(ハッシュタイプ)チャットボットとは、事前に登録されているよくある質問の組み合わせを元に、入力されたキーワードから応答して会話を進めていくチャットボットです。 事前に登録されているキーワードが多いほど、スムーズな会話が可能となります。

選択肢型&辞書型チャットボット

選択肢型と辞書型、両方の機能を併せ持つタイプが選択肢型&辞書型チャットボットです。現在、多くのチャットボットでこの仕組みが採用されています。ユーザーに合わせての使用が可能ですが、辞書型の特徴であるキーワード登録の手間がかかることがデメリットです。

チャットボットの選び方とは

自社に合ったチャットボットを選ぶに際のポイントについて説明します。

導入の目的を明確にする

自社にチャットボットを導入することで「どういった問題を解消したいか」「どのように効果を出したいか」を明確にしておけば、最適なツールの選定につながります。

問題を解決したい部門や現場へヒアリングを行い、問題点を洗い出し、リストアップしておけば導入後の効果測定にも役立ちます。

カスタマーサポートか、成約率向上か

カスタマーサポートに向いているチャットボットは「ルールベース型」です。シナリオに沿った定型的な問い合わせの対応を得意とし、カスタマーサポートにかかっていた人件費の削減にも繋がります。顧客向けのみならず、社内ヘルプデスクの対応にも活用されています。

登録や購入、申し込みなどの成約率向上やマーケティング目的に導入したい場合は「AI型」が向いています。AI型はよりユーザーの意図に合わせた回答ができるため、顧客満足度向上が期待できます。

チャットボット導入事例

社内システム問い合わせをチャットボット化

社内でよくあるパソコンの操作や経費精算についてなどの問い合わせをチャットボットで自動回答が可能です。社員数が多い場合、定型的な問い合わせだけでも時間を取られ、バックオフィス部門の負担となります。

ルールベース型チャットボットにあらかじめマニュアルを登録しておけば、質問するユーザーもバックオフィス部門も問い合わせにかかる時間が大きく削減され、双方の生産性向上に繋がりました。

Webサイトへチャットボット導入で申し込み獲得数が増加

公式サイトリニューアルを機にチャットボットを導入しました。チャットボット導入の目標は認知度の向上、登録や申し込みの獲得といったマーケティング目的でした。 ユーザーが気軽に質問のできるAI型チャットボットは新たな顧客接点を多く生み出し、登録や申し込みを獲得することができました。

コールセンター業務を効率化

コールセンターは、「同じような問い合わせが毎日くる」「Webサイトのよくある質問があまり利用されていない」といった問題があります。チャットボット導入により、顧客は気軽に時間を気にせずいつでも質問することができます。

またチャットボットは一度に多くのユーザーに対応することが可能です。コールセンター業務で「すべての問い合わせに対応できない」「電話が繋がるまでユーザーを待たせてしまう」といったオペレーター側の負担を軽くすることができます。

また、オペレーター業務の対応範囲が広く、手作業でのマニュアル検索に時間がかかっていた業務プロセスは、チャットボットによって回答へスムーズにたどり着き、効率化が図れました。

チャットボット導入は種類と仕組みを理解して選ぶこと

チャットボット導入が成功するには、種類と仕組みを理解して選定することが重要です。

導入の目的を「問い合わせの削減」か、もしくは「顧客接点・成約率の改善」なのか、明確にしておくことで最適なチャットボット選択の判断ができます。加えて「運用開始の時期」「準備期間」「コスト」「規模」といった要素も検討事項に加味することで、自社に最適なチャットボットを選択することができます。

チャットボットは問い合わせ業務の負荷軽減に貢献するツールです。効率化向上が望めるうえ、利便性高いツールにユーザーの満足度アップも期待できます。

しかし、チャットボットにはメリットとデメリットがあります。自社で効果的に活用するためにはどのチャットボットが最適なのか、運用開始後のサービスも考慮しながら選択しましょう。

もし、自社だけで判断が難しい場合は、知識とノウハウを持つチャットボットツール提供企業に相談しましょう。

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