人工知能AIの定義とは

最終更新日:2021年02月06日

人工知能AIの定義はなぜなされていないのか

定義がされていない一番の理由は、そもそも「知能」とは何かが定まっていないからかもしれません。

AIのイメージは人間に近い能力をもった人工物ではないでしょうか。例えば、SFに登場する人間と会話し、自分の意思で動くロボットや、宇宙を一人旅する宇宙飛行士が、孤独の中で会話するコンピューターなどです。このように人と同じような抽象的な概念を理解して会話ができるようなものが、AIと思っている人も多いと思います。

しかし、現在のAIはまだその域には到達していません。それでも、今AIと呼ばれているものは一般化し、世界中で普及しています。

AIの概念が1947年に発表されてから、70年以上の年月が経過しているのに、未だにAIとは何かという定義がされていません。その理由について、いろいろな角度から探っていきます。

AIの分類

AIは、「汎用型人工知能」と「特化型人工知能」の2つに分けられます。この2つが同時に語られるため、定義がしにくいということもあります。ここでは、この2種類の人工知能について説明していきます。

汎用型人工知能とは

汎用型人工知能とは、SFアニメや、SF映画に登場するような人間の知識は及びもしない万能ロボットのような存在のことです。このような人工知能は、まだ現実には存在していません。

特化型人工知能とは

特化型人工知能とは、現在普及しているスマートスピーカーや、スマートフォンなどに使われている「Alexa」や「Siri」、ロボット型の「Pepper」などの、「人間が設定することで、まるで人間のように話したり動いたりするAI技術」のことです。

強いAI 弱いAI

「強いAI 弱いAI」とは、アメリカの哲学者、ジョン・サールが、1980年に「MINDS, BRAINS, AND PROGRAMS」という論文の中で提唱した考え方です。強いAIとは、「人間の知能に近い機能を実現するAI」のことで、弱いAIとは、「特定の領域の人間の知的な機能(計算、調査など)を人間の及ばない機能で代行するAI」のことです。

「汎用型AI」「特化型AI」と同じような意味合いで使われることが多い言葉です。

AIとコンピューター

AI(人工知能)はコンピューターがなくては進化できませんでした。なぜなら、AIはコンピューターで計算して、答えを出しているからです。コンピューターこそがAIなのです。

Computer(コンピューター)は日本では、「電子計算機」と訳されます。刑法や著作権法などの法律上でも「電子計算機」と表されています。

もともと語源は、Compute(計算する)する人(スケートをする人がスケーターと言われるように)のComputerで、電子的に計算するものという意味の「Electric Computer」を日本語に訳したものが「電子計算機」になりました。

今では、計算以外にも使われていますが、元々は、人間よりも早く計算ができる電子機器がコンピューターなのです。

歴史の中で変化し進化するAI

AIはコンピューターなくしては発達することができませんでした。AIの歴史はコンピューターの歴史です。

AIという名前が初めて登場した1956年当時、AIの研究が盛り上がり、「人間のような知的処理ができる機械」、つまり「汎用的AI」が登場するのではないかと期待されました。しかし、実際はそうならず次第に研究が下火になったのです。その理由は、当時のAI、すなわち、コンピューターには、人間社会が抱えるさまざまな複合的な問題を解くことができなかったからです。計算し、探索することは得意でも、推論することができませんでした。

この場合の探索とは、チェスや将棋のゲーム、迷路を解くなど、解き方を場合で分けて答えを探す過程のことです。

例えば、迷路のように、右に進む場合は行き止まり、左に進む場合は道があると「場合分け」をして正しい出口にたどり着くというような限定的なことは、当時でもコンピューターは人間よりも早く答えを導き出すことができたのです。しかし、人間には簡単に理解できる曖昧な概念のようなことを、コンピューターが理解するのは大変難しいことでした。

その後の第2次AIブームでも、AIは「人間のように、曖昧なことを理解して答えを導き出す」ことができませんでした。それはコンピューターが「推論」するために必要な膨大なデータを収集・蓄積する方法がなかったからです。

そして、第3次AIブームが訪れた現在、推論できる高性能のコンピューター、膨大なデータを収集できるスマートフォン、ビッグデータを蓄積できる大容量の媒体によって、それらの問題が解決できるようになってきました。

AI的「推論」とは

AI的な「推論」とは、元々あった前提を基に未知の結論を導き出すことです。AI的に解釈すると、収集し、蓄積して整理していたデータを、「学習」で生成しておいた「推論モデル」に当てはめて、結果を導く過程をいいます。

第2次AIブームの頃、コンピューターは三段論法レベルでの「推論」しかできませんでした。しかし、現在はもっと複雑な推論が可能になっています。

例えば、「犬」と検索すると、犬の画像はもちろん、犬のリードや首輪、犬の絵、犬の財布など、犬にまつわるものを表示することができるのは、「犬に関連するもの」を理解できるだけの膨大なデータがあり、AIが自分で整理して、表示することできているからなのです。

AIの知能を測定する、チューリング・テストとは

イギリスの数学者であるアラン・チューリングは、コンピューターが「知能を備えた人間のように振る舞うことができるか」を判断する「チューリングテスト」を提案しました。

これは、人間2人とコンピューターで行うテストで、一人が試験官役です。試験官が投げ掛けた質問に対して、コンピューターと人間が答えた時、どちらを人間が答えたかを判定します。コンピューターの答えが、30%以上人間が答えていると判定されれば、そのコンピューターは合格します。

あくまで、人間のように振る舞うかどうかがポイントで、人間のように理解しているかどうかではありません。そしてコンピューターも人間が理解しているように理解をしているわけではありません。

しかし、人間をだませるほど知的に見える行動ができる機械であれば、特化型AIとして役に立ちます。私たちが会話をしているように感じているスピーカーフォンも、言わられたことを分析はしても、理解しているわけではないのです。

AIのシンボルグラウンディング問題とは

上の項目で述べたように、AIは実世界の言葉の意味を理解していません。そこでシンボルグラウンディングが問題となりました。

シンボルグラウンディング問題とは、記号システム内のシンボルをどうしたら実世界の意味と結び付けられるかという問題です。記号接地問題とも言います。認知科学者のスティーブン・ハルナッドによって命名されました。

ハルナッドは、この問題をシマウマで説明しています。

人間はシマウマを見たことがなくても、「縞模様」と「馬」が分かっているなら、「シマウマ」という種類の馬がいると事前に聞いていれば、初めてシマウマを見た時に「これがシマウマか」と理解できます。

しかし、AIは、「縞模様の馬」という言葉(記号)と、「シマウマ」という言葉を結び付けられないのです。

ヘレン・ケラー女史が、サリヴァン先生に指文字を教えてもらっても、Waterという単語と水が結び付くまでWaterがただのアルファベットの羅列だった、という例えで理解できるでしょうか。要するに、AIは「言葉」という記号の意味が理解できないということなのです。

しかし、この問題も解決されつつあると言われています。

まとめ

AIの定義が難しいのはそもそも人間の「知能」の定義自体が難しいからと言われています。今後人間の「知能」の謎がさらに解明され、「知能」の定義ができた時、AIの本当の意味での定義ができるようになるかもしれません。




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