IoT(モノのインターネット)の意味
最終更新日:2021年01月01日
IoTの読み方と意味
近年耳にするようになったIoTという言葉は何を指すのか、どんな意味を持つのかを、ここで簡単に説明していきます。IoTとは「Internet of Things」の略で、頭の3文字を取ったものです。日本語では、「モノのインターネット」と訳されます。もう少し説明を加えると「IoTとは、今までインターネットとつながっていなかったモノが、インターネットとつながることで、新しい価値を生み出すこと」と言えるでしょう。
実は、すでに私たちが普段何気なく使っているたくさんのモノに、IoTが活用され、生活に役立っています。活用範囲の広いIoTは、さらに私たちにとって欠かせないものとなっていくのは確実です。ここで、IoTとは何か、いろいろな視点からもう少し詳しく説明していきます。
IoTの歴史を紐解く
そもそも、IoTはいつ、始まったのでしょうか? IoTという名前ではなかったものの、1988年頃から、同じような概念はありました。 それを、日本では「ユビキタス」と呼んでいました。「ユビキタス(ユビキタスコンピューティング)」は1988年にロックスパロアルト研究所のマーク・ワイザー(Mark Weiser)が初めて概念として提唱しました。「ユビキタス(Ubiquitous)」の語源はラテン語で「遍在(いつでもどこでも存在する)」という意味です。
本来、「ユビキタス」は宗教的な意味合いで使われている言葉ですが、マーク・ワイザーは、「ユビキタス」をITの考え方に流用し、コンピューターのネットワークがいつでもどこでも使える様を「ユビキタスコンピューティング」と定義したのです。この概念が提唱された当時はまだ実現に至っていませんでした。「ユビキタス」はブロードバンド化しインターネットの常時接続が可能になり環境が整った2000年初頭から、実現化の可能性が高まってきたのです。
「IoT」という言葉が登場したのは、1999年頃のことです。マサチューセッツ工科大学のケビン・アシュトン博士が「IoT」という言葉を初めて使ったと言われています。そして実際にIoTが使われるようになったのは2010年後半からです。
ここで初めて「ユビキタス」の概念が「IoT」として実現したのです。機械に話しかける事で天気を教えてくれたり、お湯を沸かしたり、音楽をかけてくれるなど、SF映画のワンシーンだった事が今は一般的になりつつあります。
IoTの価値
モノにセンサーをつけてインターネットとつなげることで便利に使えるようになったのがIoTです。それだけではなく、インターネットを通じて収集されたビッグデータを分析する事でさらにさまざまな価値を生み出しています。
例えば、各家庭の電気メーターにセンサーを取り付けインターネットにつなげ、使用量の分析を行うことでより円滑な電気の供給に役立てることができます。また、医療分野の機器につなげ、データを収集し分析することで人を病気から救うことができるかもしれません。
このように、IoTという技術は、人の暮らしを助け、より快適に暮らせるように新たな価値を生み出すことができるのです。
私たちの身近にあるIoT
すでにIoTは私たちの生活のさまざまなシーンで活用され普及しています。そのいくつかをご紹介します。
IoT住宅
IoT住宅とは、IoTとAIの技術を利用し「デバイス(モノ)」と「管理システム(インターネットを使える機器)」を使って快適に住めるようにした家のことです。
IoT住宅は、人間の手を借りなくても日差しの強弱をセンサーで検知し自動的にブラインドを上下させ、カーテンの開閉をしてくれます。昼夜をセンサーで感知して、照明の明るさや色を制御する事もできます。ドアの開け閉めをセンサーとスマートフォンで自動制御するオートロック(スマートロック)も可能になりました。
スマートスピーカー
IoTの使用イメージが最も分かりやすいのは「スマートスピーカー」です。 「スマートスピーカー」とは、対話しながらさまざまなことが行えるAI機能搭載のスピーカーのことです。スマートスピーカーは、スマートフォンのように手動の操作を必要とせず、対話形式でいろいろな「モノ」を制御します。その上、スピーカー内蔵のAIが応答の結果を機械学習し、使う人に最適化した情報を提供するという、優れた機能を持つスピーカーなのです。
身につけて使う、ウェアラブル(身につけられる)端末
身につけて使うウェアラブル端末の多くに、IoTが活用されています。そのウェアラブル端末の一つにスマートウォッチがあります。スマートウォッチは、腕時計として使えることは勿論、スマートフォン経由でインターネットにつながることでいろいろな機能が使えるようになりました。例えば、歩数・心拍数・睡眠の深度など自分の肉体に関するデータを知り、日々の健康に活用する事もできます。また、電子マネーの決済も可能です。さまざまなアプリケーションが使え、バージョンが上がるにつれて新しい機能も増えています。
さらに、現在開発中のウェアラブル端末には、脳波を測定して心身の健康に活用できるイヤホン型端末や、ディスプレイ機能を持ちスマートフォンと接続してコンテンツを楽しめるサングラス型のデバイスなどがあります。一つの使い方しかできなかった「モノ」が、IoTを使うことで、無限大の可能性があるのです。
医療とヘルスケア分野へのIoT活用
ウェアラブル端末の活用については、医療・介護・ヘルスケアの分野においても、新たな価値創造が期待されています。ウェアラブル端末から収集したデータをクラウドに蓄積し、ビッグデータとして分析して健康に関する予測を立てる研究も行われています。
また、健康器具にセンサーを搭載し、呼吸数や心拍数などのデータをAIに送り、自分の健康維持のために必要な運動方法や回数の提案を得られるなど、個々の予防医療にもIoTが活用されています。
乗り物に使われるIoT
IoT分野の中でも今後の成長が期待されているのが、自動車産業です。車をネットワークに接続したコネクテッドカーが世界中で注目されています。IoTを導入しインターネットに接続することで機能が増えた車が、ドライバーにとって有用な情報提供をしてくれるようになるでしょう。
例えば、車に搭載したセンサーがガソリンの消費状況を感知し、インターネット経由で最寄りのガソリンスタンドを調べて音声案内してくれるサービスが提供されるかもしれません。また、スマートウォッチやスマートフォンと連携し、お腹が空いた事を察知して自分の空腹具合・健康状態・嗜好にあわせたレストランまでの道案内や、自分の好みや体調に合ったメニュー説明などをしてくれるサービスの登場なども考えられます。
バスロケーション
沖縄はバスが公共交通の要となっている地域です。なくてはならない県民の足とも言える各社路線バスにも、すでにバスロケーションとしてIoTが活用されています。バスロケーションをスマートフォンに設定しておくと、IoTへの到着時刻・行き先までの路線図など、安心してバスを利用するために必要な情報を提供してくれます。
駐車場を快適に利用するためのIoT活用
車を運転している方なら誰でも、なかなか空いている駐車場を見つけられず困った経験があると思います。これもIoT活用で解消することができます。駐車場に設置されたセンサーから、クラウドコンピューターに空き情報のデータが送られ、車が情報を受け取ることで最寄りの空いている駐車場が分かり、待たずに駐車できるのです。
ますます活用が進むIoT
このように、さまざまな場面で IoTが活用され始めています。今までIoTという言葉を知らなかったとしてもIoTはすでに身近な存在として私たちの生活を便利にし、広がっているのです。IoTは自然に私たちの生活に定着し、必要不可欠は技術として、今後もさらに進化し、広がっていくことでしょう。
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