IoTの国内導入の事例について

最終更新日:2021年01月01日

企業のIoT導入が増えている

世界的にIoTの活用は広がりを見せており、日本もそれに続くように多くの業種、多くの企業でIoT導入がされ始めています。ここでは、各分野においてどのような取り組みがなされ、活用されているのかについて説明していきます。

製造業のIoT活用

製造業では、IoTを工場の設備やラインに導入することで、効率化・省エネによるコストダウンなどが期待できます。それだけではなく、IoT機能を自社製品の「モノ」に組み込むことにより、新たな魅力を付加した製品を生み出す可能性も広がります。IoTは、発展途中の分野のため、新しいアイデアが生み出されれば、業界初の製品としてシェアを獲得することも不可能ではありません。

特に今まで家電として扱われていなかった製品にIoTを導入し、消費者のニーズに合ったユニークな使い方を提案できれば、日本だけではなく、世界に向けて販路を開拓できるのではないでしょうか。

農業のIoT活用

IoTを活用した農業は、スマート農業と言われています。海外では、スマート農業は、スマートアグリカルチャー(Smart Agriculture)やアグテック(AgTech アグリカルチャーテクノロジーの略)などと呼ばれ、導入が進んでいます。

農業は自然に左右されるため、安定した生産物を提供するためには長年の経験と技術が必要だとされてきました。しかし、農業従事者の高齢化が進み、離農する人も増加したため、その技術を継承する人材の不足が大きな問題となっています。問題を解決してくれる、IoTを導入したスマート農業に注目が集まっているのです。

農業従事者の減少と人材不足

日本国内で、農業のIoT導入が必要とされている一番の理由として、農業の担い手の高齢化と後継者激減による人材不足が挙げられます。2019年、農林水産省が発表した農業構造動態調査によると、前年比で販売農家の基幹的農業従事者(仕事として自営農業に主として従事した者)数は3.2%減少、49歳以下の基幹的農業従事者(仕事として主に自営農業に従事した者)は前年比で2.9%減少しています。

*農業従事者の数値に関しては以下のサイトを参照し作成。 e-Stat 政府統計の騒動窓口 統計で見る日本 農業構造動態調査

また、2020年11月に農水省が発表した2020年農林業センサス2020年2月1日現在)の調査結果によると、基幹的農業従事者の平均年齢は、67.8歳、65歳以上の割合は、69.8%に達しています。

*農業従事者の年齢に関しては以下のサイトを参照して作成。
日本農業新聞 農業従事者40万人減の136万人 減少率、過去最大 20年農林業センサス

深刻な農業従事者の人材不足をIoT導入で解決する

農業は国の根幹を成す大切な産業です。しかし、年々農業人口は減り続け自給率が下がっています。農業へのIoT導入は、重労働で長年の勘やスキルに頼らざるを得なかった農作業の軽減を図り、高齢化や後継者不足を解消する有効な方法と考えらています。今まで作業に使われていた「モノ」にセンサーを付け、常時インターネットにつなげることでさまざまな作業が軽減できるのです。

例えば、育成から収穫、出荷までIoT活用が可能です。生産物のデータを一括管理し、天候のデータと合わせて、害虫の発生予測・生育状況のチェックができます。また、AIを装備したドローンを活用することで農薬散布も自動化が可能です。その上、作物の収穫・収穫物の選果やパッキング・発送準備なども、IoTとAIロボットを駆使した自動化で一括管理が可能になり、人手が足りない農家の助けとなります。

また、IoT技術の習得を若年層が担うことで、今までとは違うアイデアが生まれ、新しいスタイルの農業を生み出すこともできるでしょう。さらに、都会でIoT技術を習得した若年層も仕事が増えれば地元に戻って生活ができるため、地方が抱える若年層の流出問題にも歯止めがかかる可能性が出てきます。

新規就農者のサポート

スマート農業を導入することで経験の浅い新規就農者も、生活基盤となる収入が早期に見込める可能性が高まります。今までは家族の中でのみ蓄積し継承してきたような農業に関するノウハウをAIやIoTで補えるよう、農林水産省も色々な情報を提供し、サポートしています。

*参考:農林水産省 スマート農業

漁業のIoT活用

IoTを活用した漁業は、スマート漁業と呼ばれています。スマート漁業とは、今まで過去の経験や勘を頼りに操業していた小型船による沿岸漁業や養殖などにIoTを活用して、生産活動に役立てる取り組みのことです。

漁業もまた、日本の少子高齢化の波を受け就労人口が減っている産業の一つです。水産庁では、そのための施策としてIoTを活用したスマート水産業の試みを始め、平成31年3月「スマート水産業の社会実装の取り組みについて※」を発表しました。

スマート漁業では、センサーやカメラが付いたドローンを飛ばし、インターネットを通じてデータを収集します。そのデータを分析して海流・風向き・水温で適切な漁場の調査を行なってから漁場を決めることができます。

養殖の場合は、AIによって自動記録されたデータから分析を行い、適切な温度や水質の管理、餌の適切な供給などを可能にします。

漁業に役立つIoT機器

中でも今後漁業に役立つIoT機器として、以下のようなデバイスの活用が考えられ、民官一体となり研究、開発を行なっています。

・スマートセンサーブイ センサーを搭載したブイで、水温・潮流・塩分濃度などをセンサーにより収集し、高速通信でデータを送信します。送信されたデータはクラウド上のデータベースに直接蓄積されます。

・スマートカメラブイ カメラを搭載したブイです。水中の映像をカメラで撮影し、映像を転送する機能を持ったブイです。

・漁業用のスマートドローン センサーを搭載した空撮ドローンや水中ドローンです。採水のためのドローンも開発されており、ドローンから入手したデータは、高速通信でデータが送られ、AIによって分析されます。

水産庁のスマート水産業への取り組みについては、下記の『平成31年3月 水産庁 「スマート水産業の社会実装の取り組みについて」』をご覧ください。

*『平成31年3月 水産庁 「スマート水産業の社会実装の取り組みについて」』

物流業でのIoT活用

物流業のIoT導入は、スマートロジスティクスと呼ばれています。

物流業界も、IoT導入のニーズが高まっている業界の一つです。ドライバーの高齢化、インターネット通販の販売数増加、フリーマーケットサイトや個人販売サイトの利用者の急増などにより深刻な人材不足が起きています。「いくらでも人が欲しいのに、やってくれる人が少ない」ことが物流業界で大きな問題となっているのです。この深刻な問題の解決にもIoT活用が役立つと期待されています。

物流業界では、人材不足解決のために最新のIoT技術を使用している企業も増加してきました。国土交通省も物流業IoT活用の取り組みの一貫として、2020年9月「SIPスマート物流サービスの取り組み※」を発表しています。

※ SIPスマート物流サービスの取り組み」

物流業のIoT導入

IoTの導入で以下のような効果がありました。

・ 効率化

在庫管理の自動化、配送車の管理、配送時の適切なルートの選定などをIoT導入で自動化し、少人数でも効率よく業務ができるようになりました。

・ ピッキング作業の軽減

今までは作業員が伝票を持ちながら在庫がある棚を探して商品を選び出していましたが、IoT導入で、保管棚が作業員に移動してくる方式を導入し、棚を探し歩いて棚から商品を取り出す作業がなくなり効率がアップしました。

医療分野のIoT活用

医療分野もIoT導入が大変注目されています。医療分野のIoTは、医療に特化したIoTシステムということで「IoMT(Internet of Medical Things)」と呼ばれています。

IoMTを活用したインターネットの情報発信技術は無医村や離島などの遠隔診療を可能にします。また、医療機器に付けられたセンサーをインターネットにつながることで迅速な分析が可能になります。迅速で正確な分析を行うことができれば、治療にも迅速に取り掛かることができ、助かる命も増えます。また、人の手で行なっていた煩雑な事務作業などを機械が担うことは医療関係者の負担軽減にもつながります。さらに、医療関係者の労働環境の改善が進めば医療分野に就職する人の増加も期待でき、人材不足の軽減にもつながる可能性があるのです。

沖縄県内のIoT導入に向けた取り組み

沖縄県では総務省のもと、「組織沖縄総合通信事務所」が沖縄の実情を踏まえ情報通信施策を推進し、情報を発信しています。

参考 沖縄総合通信事務所

「沖縄におけるICT/IoT地域活性化の取り組み事例」のページには、すでにIoTを導入して実績を上げている県内事業者の事例も多数掲載されていますのでご参照ください。

参考 沖縄におけるICT/IoT地域活性化の取り組み事例

まとめ

以上のように多様な産業分野にIoTが導入されています。沖縄県内でも今後、IoTの導入が増えていくことと予想されます。IoT導入をお考え方はインダストリンクにご相談ください。