VR(仮想現実)の意味とビジネス活用について

最終更新日:2020年11月08日

VR(仮想現実)は、コンピューターによって作られた仮想的な世界を、あたかも現実世界のように体感できる技術です。昨今テレビや雑誌などで頻繁に目にするようになりました。VRを体感するためには、VRゴーグルを着用することで、作られた映像がまるで本物であるかのように感じることができます。VRを初めて聞かれる方やよくご存じでない方にも、入門的な内容を説明します。

VRの意味とは

そもそもVRとは何だろう?そのような基礎的な事から説明します。ELECOM社やコトバンク知恵蔵のWEBページより、分かりやすい部分を抜粋してご紹介します。

1.ELECOM社のWEBページより紹介

VRは「Virtual Reality」の略で、「人工現実感」や「仮想現実」と訳されています。ここには「表面的には現実ではないが、本質的には現実」という意味が含まれます。

引用:ELECOM「VRってどんな意味?VRのしくみと活用事例」https://www.elecom.co.jp/pickup/column/vr_column/00001/

2.コトバンク知恵蔵の解説ページより分かりやすい説明紹介

コンピューターによって作られた仮想的な世界を、あたかも現実世界のように体感できる技術。この技術を体験するには、ヘッドマウントディスプレー(HMD)と呼ばれる、ゴーグル型のデバイスを頭部に装着する必要がある場合が多い。

引用:コトバンク「VR知恵蔵の解説」 https://kotobank.jp/word/VR-8025

VR、AR、MRの違いとは

VRと類似した技術に、「MR」や「AR」があります。いずれも先端的なITフレーズとして、近年のビジネス界でよく耳にする言葉です。それぞれのフレーズが、具体的に何のことを意味するのかを混同しやすいことが想定されます。簡単に3つの技術について、ferret社のWEBサイトの中より重要区分を抜粋引用して解説します。

AR「拡張現実」とは

ARとは、Augmented Realityの略称であり、日本語では「拡張現実」という意味です。 現実世界に情報を重ねて表示するものです。あくまでも現実世界がベースとなり、仮想世界は現実を拡張するために利用します。

たとえば、自分の部屋に合うソファを選ぶためにARが活用されています。スマートフォンのカメラの向こうに映る自分の部屋という現実世界に対し、通販サイトで販売しているソファの映像を重ねることができるのがARで実現できる世界です。

MR「複合現実」とは

MRとは、Mixed Realityの略称です。日本語では「複合現実」を意味します。現実と仮想が同時に存在し、目の前に独特の世界が誕生するものです。現実世界を利用するため、MRはARと似ているとイメージする人がいますが、拡張と複合では現実世界の使い方が異なるのです。MRは、現実世界に独立した仮想世界を表示できるのです。ARとVRが融合すると考えるとイメージしやすいでしょう。

引用:ferret「VR、AR、MR、SRの違いとそれぞれの活用事例を紹介」https://ferret-plus.com/13597?page=2

他にもSRやXRなどという単語もあります。どんどん新しい単語が生まれてきます。

VRでできること

VRの仮想現実を映し出す技術は様々な業界やサービスにおいて利用されています。従来までは、エンターテイメント業界が主な取組み例として挙げられていました。 不動産業界では物件の「内見」をVRで見せることにより、移動をしなくてもリアリティーな視覚体験が出来ます。

災害対策においてもVRは活躍の兆しがあります。従来まで災害を想定して、動作確認など決まったパターンの訓練をしていました。しかし、実際の火事や強盗など、あらゆる災害やトラブルは、心理的なショックを大きく与えます。そのため、思い通りに体が動かず、とっさの判断ができないことがあります。

そこで、VRで災害を疑似体験し、突然の状況下に起こる避難などスムーズに非難が出来るような実践的な避難訓練に応用されています。

建設業界においては、危機管理という観点からもVR技術は活用されています。例えば、足場からの落下や、やけど等の労災事故をVRで体験します。安全意識の向上につなげるなどのリスク管理マネジメントとして期待されています。

参考:Surpership Group「5G技術でさらに広がるVRの可能性」 https://supership.jp/magazine/column/4276/

VRの仕組み

VRを体験するためには、ヘッドセットと呼ばれるゴーグルをかけ、そこに映像を表示する技術がベースになっています。それにより、ユーザーは目の前に広がるVRの世界に高い没入感を得られるように工夫されています。

立体的に見える仕組み

ヘッドセットと呼ばれるVR専用ゴーグルをかけ、顔の向きに合わせて映像を表示する技術がベースになっています。内側には2枚の小さなディスプレイが横並びで設置され、左側は左目だけに、右側は右目だけに見えます。専用映像を再生すると、左目用映像が左側ディスプレイに表示され、右目用映像が右側ディスプレイに表示される仕組みとなっています。映像の立体視は、ディスプレイの液晶を右目と左目に区切って映像を分けることで実現しました。

VR体験に必要な物

VRを体験するためには、VR機器として下記の3点があります。

  1. 1.マウントディスプレイやVRゴーグル
  2. 2.コントローラーやリモコンなどの付属品
  3. 3.スマートフォンやゲーム機、PC

VRの活用事例

事例① 医療

医療の現場では、遠隔医療や医療スタッフのトレーニングなどで活用されています。 人体の3D構造が見えるVRでは、今まで十分に活用されることのなかったCTやMRI画像を3Dデータ化しVR空間内で表示させます。これまで2D画像でしか判断できなかった患者の状態をより直感的に把握することを可能しました。

手術のトレーニングをVR上で行うものがあります。専用のコントローラーを用い、触覚技術も取り入れています。VRによる研修はこれからの医療現場に必要不可欠なものになります。

事例② 不動産・住宅

不動産分野でVRを導入することで、業務効率が上がり、成約率 が上昇したという結果が出ています。売買部門では、お客様に建築前の高級物件を内覧してもらう事が出来ます。賃貸では実際の内覧のかわりにVRで部屋を確認してもらうことができます。

新型コロナウイルス問題によって、店舗に行く、物件を見に行くという行動が減りつつあります。よりオンラインや非対面での相談や、なるべく移動せずにVRで物件を確認して決める人たちが増えています。不動産業界でVRの活用が大きく注目されている理由です。

事例③ 旅行・観光

VRによって旅行体験を代替する「VR旅行」が注目されています。VR旅行では自宅や近所の施設にいながらまるで世界中の観光地にいるような体験をすることが特徴です。VRにより、旅行先まで行かなくても旅行経験を済ませて完了する事や、実際に旅行プランを選択する際にリアリティーな事前体験により、最適な選択をすることも可能となっています。

ある企業では、都内にあるバーチャル旅行施設で、食事などを通じて海外旅行気分が味わえるサービスを提供しています。ハワイ、パリ、ローマ、ニューヨーク、ヘルシンキなどの都市から行先を選択し、およそ110分のフライト時間中にVR体験、機内食、現地の人との中継動画などを通じて仮想旅行体験をすることができます。

VRは、実際の旅行に比べ格安で旅行を体験することができるようになります。また、高齢者や体の不自由な人など色々な理由で旅行ができない人にも旅行体験が可能になります。旅行や観光はVR技術が様々なニーズに対応していくようになることが想定されています。

VR市場の予想とビジネス活用について

IDC Japan株式会社の「2022年までの世界AR/VR関連市場予測」によると、 2022年の世界のAR/VR関連市場規模は2,087億ドルで、2017年から2022年にかけての年間平均成長率は71.6%となっています。

引用:ELECOM「Vol.01 VRってどんな意味?VRのしくみと活用事例」https://www.elecom.co.jp/pickup/column/vr_column/00001/

VRは市場拡大する可能性が高い技術です。これからはVRを使ったビジネスモデルや企業の研修やサービス提供など、様々な業種で導入、活用されるでしょう。

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