テレワーク・リモートワークで注目されるVR会議とは

最終更新日:2020年11月07日

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、在宅勤務(テレワーク、リモートワーク)を推進している企業が増えています。ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどアプリケーションを使ったWEB会議も特別なことではなくなりました。ただ、WEB会議は便利な反面、リアルな会議とは異なる課題もまだまだあります。そこで注目されているのが“VR会議”です。

WEB会議の課題

WEB会議は、参加者の顔がパソコンのモニター画面に並ぶ“2次元”的な場を提供してくれます。例えば、スライドの資料を共有することや、誰かの発言を聞くということに関しては何ら問題なく、便利なシステムとして活用できます。しかし、利用頻度が高くなれば、先ほど述べた“リアルな会議とは異なる課題”に直面することも増えていきます。例えば、“会話の衝突”もそうです。リアルな会議であれば、誰かが発言をしようとするのを雰囲気、目線などで察することができ、発言の衝突を回避することも難しくありません。しかし、パソコンの画面越しでの会話、ディスカッションとなると、アイコンタクトが取りにくく、同時に発言してしまうという経験をした人も多いはず。しかも、こちらが発言した時、別の人が同時に発言すると、その声が途切れてしまったり、聞こえなかったりすることもよくあります。

VR会議の利点

WEB会議での課題、問題点を回避すべく、徐々に活用が増えているのがVR会議です。「Virtual Reality(仮想現実)」という名前の通り、VR会議は平面ではなく、仮想的な3D空間を創造して、その中で会議を行うというもの。パソコンのモニターではなく、VRヘッドセットを使うので、リモートワーク/テレワーク中でも、まるで会議室にいるような感覚で会話やディスカッションを行うことができます。お互いの位置関係や目線などが把握できて、参加者のゴーグル(ヘッドセット)の動きがVR会議上に反映されるので、資料を見ている人、発言者を見ている人、そして自分を見ている人も分かります。

VR会議での有効的な機能

バーチャルな3D空間ということで、奥行きのある広いスペースが確保できるわけですが、そのスペースを生かして、参加者の会話をマンガの吹き出しのように、それぞれのアバターの上に表示する機能もあります。AIを活用した翻訳機能を組み合わせれば、海外の人を含めたグローバルな会議もよりスムーズに行うことができます。

WEB会議で活用していた“スライドを使ったプレゼン”やデータの表示に関しても、VR会議であれば、例えば、付箋的なアイテムを使って、立体的に情報を伝えることもできるようになります。

VR会議の仕組み

改めてVR会議の仕組み、システムについて説明します。まずは会議室となる部屋を作成。それを作成するためには、CG映像や実際の映像などの3D空間映像を利用します。専用のゴーグルを装着してこの映像を視聴すると、その空間に自分が存在しているかのような感覚になれます。基本的には、VR会議はシステム販売会社と契約して、VR対応のパソコンと専用ゴーグルを使って行います。バーチャル会議への参加者はそれぞれがアバター化されて、見ぶり手ぶりなどの動作も連想して、臨場感もしっかりと感じられるのも大きな特徴です。

仮想空間での会議に集合して行うので、WEB会議同様、物理的に移動して会議に出席するという手間は要りません。ゴーグルを装着することで視界が制限されるので、余計な情報が入らず、会議に集中できるというメリットもあります。

VR会議用アプリ

では、VR会議用のアプリをいくつかピックアップしてみましょう。まずは「Altspace」。一般向けのVR会議用アプリの代表的なものの一つです。他のユーザーとの会話やチャットなどのコミュニケーションを楽しむVRのSNSとして利用されていて、フレンド登録した同僚とのミーティングにも利用が可能です。2013年という早い時期からサービス提供が開始されていて、MicrosoftのアカウントがあればPCでもログイン可能なので、VR環境がない人も会議に参加できます。

続いては「cluster(クラスター)」。国産のVR会議用アプリとして知られています。このアプリは、世界初のバーチャル学会や企業のバーチャル展示会などでもよく話題になっているので、ご存知の方も多いと思います。大規模イベントの開催に利用されているイメージが強く、法人向けプランも用意されているので、VR会議に対応した機能が多いところにも使いやすさを感じます。誰でも簡単にバーチャルルームを開設し、参加することができて、PCやスマホからも参加できるので、これからVRでの会議を始めるという人にオススメです。

「VRchat」は世界的に人気の高いVRのSNSで、アバターなどを好みや目的に合わせて作り出すことができます。アバターを通じてのユーザー同士のコミュニケーションを重視していて、ボイスチャットのほかにボディランゲージも使えるので、臨場感もしっかりと伝わってきます。自由度が高いのですが、その分、VRやプログラミングの知識は必要となります。

ビジネス向けVR会議用アプリ

先に紹介した3つは一般的アプリで“VR会議”にも使えるというものでしたが、ビジネス向けに作られたVR会議用アプリも紹介します。

まずは「NEUTRANS BIZ(ニュートランス ビズ)」。Synamon社が開発したアプリで、“物体や空間のビジュアルデータを共有しながらのコミュニケーション”や“身振り手振りを交えたブレインストーミング”などに長けています。3DCGの立体モデルも空間にそのまま投影して共有することもできるので、プレゼンなどがより伝わりやすくなります。国内の大企業も多く利用しているアプリです。

「rumii」はアメリカのIT企業・Doghead Simulationsが開発したVR会議用アプリです。アバターを通したボイスチャットはもちろんですが、VR空間でデスクトップ画面や3Dモデルを共有しながらプレゼンテーションをすることも可能。参加人数や機能に制限を設けた無料試用版と、一度に最大20人が利用できる有料版があります。

「VIVE Sync」は、VRゴーグルで知られているHTCによるVR会議用アプリです。最初から法人向けに作られているアプリなので、やはりビジネスで利用するには最適と言えるでしょう。Office365に対応していて、会議に参加する時はHTC VIVEのフロントカメラで二次元バーコードを読み取るだけという使いやすさも特徴です。

VR会議の今後の可能性

新型コロナウイルス感染症の影響で、結果的にテレワーク、リモートワークが進んだということもありますが、WEB会議が定着した今となっては、コロナ禍を抜けたとしても、このスタイルは継続されていくものと予想できます。ビジネス用となると、VR会議はまだ初期費用が掛かってしまいますが、VR会議で使えるアプリも増えてきていますし、VRゴーグルも安価で性能が良いものも登場しています。高速・大容量通信が可能な5Gも普及し始めているので、VR会議を採用する企業はさらに増えていくことが予想されます。