生産性が向上するテレワーク導入方法とは
最終更新日:2020年12月24日
新型コロナウイルスによる自粛要請で、多くの企業がテレワーク業務を実施しました。しかし、一時的なテレワーク対応では生産性の向上や業務改善ができず、テレワークから通常業務へ戻す企業が多くありました。国がテレワークを推進する理由は労働力人口減少対策、社会全体の生産性向上を目的としています。ここでは企業がテレワーク導入で生産性を向上するための方法について説明します。
企業に求められるテレワークの働き方
テレワーク導入に不安を持つ企業は、生産性が下がることを危惧しています。 厚生労働省によるテレワーク勤務の実証実験調査によると、
『「テレワーク勤務によってチームの生産性が向上した」と回答した人が29%、 「テレワーク勤務によってチームの生産性は変化しない」と回答した人が58%と、 回答した9割近くの人がテレワーク勤務は、生産性に悪い影響を与えることはないと考えています。』
引用:厚生労働省:テレワークを導入すると生産性が落ちませんか。 https://telework.mhlw.go.jp/qa/qa3-9/テレワークは出勤時の感染リスクを減らせるため、社員は安心して業務に取り組めます。また、出勤時間が無くなることで、資格取得の勉強時間が作れるなど、社員のスキルアップにも繋がります。
テレワークは働く場所が自分で決められるので、働きやすい環境づくりや生産性の高い場所での業務ができるようになります。
育児休暇など、出勤ができずに業務から離れている社員もテレワークで業務対応が可能となります。生産性の向上だけでなく、働き方改革でワークライフバランスの両立ができる企業が求められています。
テレワークで生産性が向上した理由
業務に集中できる
テレワークで生産性が向上する理由として、社員が業務に集中できるようになったことがあげられます。社内業務では急な電話対応や来客による作業中断が発生し、作業に集中できません。テレワークでは電話対応や来客がなく、作業に集中できる環境が自分で作れるため、生産性向上に繋がります。
タイムマネジメント(時間管理)を意識するようになった
タイムマネジメントは時間の使い方を改善し、生産性の向上を図ることです。テレワークでの人事評価を成果物で行う場合もあります。限られた時間の中でいかに効率よく成果物を作成するかを意識することで、生産性の向上に繋がります。
無駄な会議が減った
テレワークによって会議方法が見直され、会議数や会議時間が減ったことで生産性が向上した企業例があります。会議室までの移動時間削減で作業時間が増加したことも生産性向上の理由です。
無駄なコミュニケーションが減った
社内での交流がすべて生産性向上に繋がるものではありません。社員同士のコミュニケーションは必要不可欠ですが、無駄話が多いと生産性は下がります。テレワークによりコミュニケーションが少なくなる分、作業に集中できるので生産性は向上します。
また、コミュニケーションの中で雑務を依頼されることが減ることで、生産性が上がったとの声もあります。
テレワークにより、これまで当たり前に行っていた業務方法や何気ない行動が生産性を下げる要因だと気づかされました。より生産性を高めるためには、テレワーク導入だけでなく、業務プロセスの見直しも検討しなければいけません。
テレワークで生産性が下がる理由
また一方で、テレワークを導入することで生産性が低下する、という声もあります。 生産性が低下する理由としては、
- ・メールなど 文章を書くのに時間がかかる
- ・問い合わせの返答に待ち時間がかかる
- ・文章の内容が分かりにくい
- ・文章だけでは伝えにくい時がある
これまで対面や電話でのコミュニケーションを行っていた社員にとって、メールやチャットの文章作成は不慣れで時間がかかり、生産性を下げるものとなります。
チームで業務を進める部署やプロジェクトはコミュニケーションの回数が多く、質問と回答のスピードが生産性に大きく関わります。チームのコミュニケーションを円滑にするためのITツールの導入も必要となります。
テレワークの生産性を左右するのはメールやチャットの書き方です。今一度、ビジネスメールの書き方や文章術の研修を行いましょう。
テレワークで行える業務
実際にテレワークでどのような業務ができるのでしょうか。
事務作業
PCで行う資料作成やデータ入力の事務作業は、テレワークに向いている作業です。経理作業もクラウド会計サービスを使うことで、見積書、請求書作成が自宅やサテライトオフィスで作成できます。
事務作業をテレワークできるように、勤怠管理システムや基幹システムをクラウドサービスに移行することを検討しましょう。
カスタマーサポート業務
カスタマーサポート業務は、電話やメール対応をテレワークで行うことができます。顧客対応はメールや電話対応が多く、テレワークに移行しやすい業務と言われています。
テレワークの活用が進んだのがWEB会議システムです。インターネット回線とPCやスマートフォン 、タブレットなどのデバイスがあれば、どこからでもオンライン会議を開くことができます。会議ではなく、マンツーマンのコミュニケーションにも活用されています。
Web会議システムは、相手の表情を見ながら双方向通信でコミュニケーションが取れるので、対面に近い対応が可能です。
Web会議システムには業務効率化できる機能が多々あります。 音声通話やビデオ通話を行う際のスケジュール設定があり、打ち合わせ先や会議の日時に合わせて、会議URLの生成や招待メールの発信が行われます。
打合せの内容を録画・録音することで、関係部署や各担当との情報共有ができます。画面共有により、資料の説明や操作方法のレクチャーがメールや電話より分かりやすく行われます。
カスタマーサポート業務は、テレワーク普及によりさまざまな新システムや新サービスが提供され、業務改善しやすく、生産性向上が見込まれる業務となっています。WEB会議システムの活用に取り組みましょう。
営業業務
営業業務の提案資料作成や企画立案などは社内に限らず、どこでも業務が行えるものです。資料作成作業は、在宅勤務の方が生産性は高いという意見があります。資料作成に付帯する競合チェックや市場調査などのネットリサーチも、ネット環境があればどこでも業務が可能となります。
リサーチ作業はRPAツールを使って自動化することも可能です。生産性を上げるには、作業を自動化することが一番良い方法です。RPAツールで情報収集したデータを使って資料作成をすれば、大幅な作業時間短縮になります。
営業先への連絡や打ち合わせもオンライン化が進み、互いに効率化が図られています。コロナ禍における新しい生活様式には、営業先のお客様へ感染リスクを与えない対応も必須と言えます。
コールセンター業務
コールセンター業務もテレワークが可能です。これまでのコールセンターは、お客様の電話をPBX(構内交換機)と言われるシステムが受信し、スタッフへの取り次ぎ、転送をしています。今までのPBXでは、企業や事業所内と限られた範囲でしか利用ができませんでした。しかし、クラウドPBXのサービスが提供されると、スタッフのスマートフォンやPCへ電話を転送(内線化)することが可能になりました。
クラウドPBXの活用により、電話機やシステム設置による配線工事が不要になり大幅なコスト削減ができます。大人数の社員を受け入れるための事業所のランニングコストも抑えることができます。
特に育児や介護などで離職した優秀なスタッフは、テレワーク勤務で再雇用が可能となったため、人材確保にも一役を担っています。
テレワークで生産性を上げるためには
これまでテレワークに対応できない業務と思われていたものがITツールによって、テレワークが可能になりました。テレワーク導入時に業務を見直すことで、不要な作業を減らし、作業の自動化を図るなど生産性の向上を考える機会となりました。
これからITツールがより進化し、利便性や生産性が高くなります。テレワーク導入だけでなくITツールの活用と併せて、業務改善を行いましょう。
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