企業活動におけるSDGs取り組みのメリットとは

最終更新日:2020年11月21日

SDGsとは「持続可能な開発⽬標(Sustainable Development Goals)」のことです。 2015 年 9 ⽉、ニューヨーク国連本部において、193の加盟国の全会⼀致で採択された国際⽬標です。社会が抱える問題を解決し、世界全体で 2030 年を⽬指して明るい未来を作るための17のゴールと169 のターゲットで構成されています。

現在、少子高齢化による人材不足や消費者ニーズの多様化などにより、課題を抱える企業は少なくありません。今後、企業がより長く継続し、発展していくためにはどうしたら良いでしょうか。

すでにビジネスの世界ではSDGsが「共通⾔語」として注目されています。ゴールを達成するために、各業界団体や銀⾏、各企業、特に海外展開する企業において取り組みが始まっています。また投資の条件として、収益だけではなく、SDGs に取り組んでいるかどうか判断される時代になってきています。

経営リスクを回避するとともに、新たなビジネスチャンスを獲得して持続可能性を追求するために「SDGs(エスディージーズ)」の活⽤方法を紹介します。

参考:環境省 すべての企業が持続的に発展するために http://www.env.go.jp/policy/sdgs/guides/SDGsguide-honpen_ver2.pdf

企業が経営にSDGs を取り入れるメリット

まずは、企業にとってSDGsを活用することによって広がる可能性を紹介します。

1.企業イメージの向上

SDGsへの取り組みは、多くの⼈に「この会社は信⽤できる」、「この会社で働いてみたい」という印象を与え、より多様性に富んだ⼈材確保にもつながるなど、企業にとってプラスの効果をもたらします。

2.社会の課題への対応

SDGs には社会が抱えている様々な課題が網羅されており、現代の社会が必要としていることが詰まっています。これらの課題への対応は、経営リスクの回避とともに社会への貢献や地域での信頼獲得にもつながります。

3.⽣存戦略になる

取引先のニーズの変化や新興国の台頭など、企業の⽣存競争はますます激しくなっています。今後は、SDGsへの対応がビジネスにおける取引条件になる可能性もあり、持続可能な経営を⾏う戦略として活⽤できます。

4.新たな事業機会の創出

取組をきっかけに、地域との連携、新しい取引先や事業パートナーの獲得、新たな事業の創出など、今までになかったイノベーションやパートナーシップを⽣みだすことにつながります。

企業が⾏う事業や普段から取り組んでいる節電や節⽔、社員の福利厚⽣など、企業が⾏う⾏動すべてが SDGs とつながっていきます。SDGs のゴール・ターゲットを⾒ると⾃社の取組とのつながりに気づき、⾃社の強みは何であるか改めて⾒直し、SDGs に⽰された課題を解決できる⾃社の潜在能⼒に気づく機会になります。

SDGsの進め方

SDGsの進め方の1つに、PDCAサイクルがあります。以下の例では「PLAN(取り組みの着手)→DO(具体的な取り組みの検討と実施)→CHECK(取り組み状況の確認と評価)→ACT(取り組みの見通し)」という順を追いながら手順1~5を紹介します。

取り組みの意思決定

手順1:話し合いと考え方の共有

  1. ①企業理念の再確認と将来ビジョンの共有
  2. ②経営者の理解と意思決定
  3. ③担当者(キーパーソン)の決定とチームの結成

PLAN(取り組みの着手)

手順2:自社の活動内容の棚卸を⾏い、SDGsと紐付けて説明できるか考える

  1. ①棚卸の進め方
  2. ②事業・活動の環境や地域社会との関係の整理
  3. ③SDGsのゴール・ターゲットとの紐付け

DO(具体的な取り組みの検討と実施

手順3:何に取り組むか検討し、取組の⽬的、内容、ゴール、担当部署を決める。取組の⾏動計画を作成し、社内での理解と協⼒を得る

  1. ①取組の動機と⽬的
  2. ②取り組み⽅
  3. ③資⾦調達について考える

CHECK(取り組み状況の確認と評価)

手順4:取組を実施し、その結果を評価する

  1. ①取組経過の記録
  2. ②取組結果の評価とレポート作成

ACT(取り組みの見直し)

手順5:⼀連の取組を整理して外部への発信にも取り組み、評価結果を受けて、次の取組を展開する。

  1. ①外部への発信
  2. ②次の取組への展開

自社の経営理念や事業内容の共有

取り組みを進める前に、まずは⾃社の経営理念を再確認してみましょう。改めて自社の経営理念を見ていくと、SDGs の ゴールとのつながりが見えてきます。2030 年の⾃社の姿を考え、将来像を全員で共有する機会を持ちましょう。

特に会社の将来を担うこととなる若⼿社員が中⼼となって話し合い、⾃らのミッションは何かを考えることは、それぞれの意識改⾰につながります。

また、経営者の理解が必須となるため、まずは社員がSDGs に取り組む理由や意義などをまとめた資料を作成し、説明の上、自社がSDGs に取り組むことを認めてもらいましょう。

これまで実施してきた環境に関する取組や事業活動の中で配慮してきたことが、そのまま SDGs の取り組みにつながることもあります。また、「持続可能な事業活動」という視点で⾒直してみると、関係性がわかることもあります。

まずはSDGs をどう使うのか、何のために進めるのか、考えてみましょう。「コスト削減」や「経営計画の策定」、「新製品・新サービスの開発」、「新規顧客の開拓」、「事業パートナーの募集」、「従業員のスキルアップ」など、目的は企業によって多種多様です。

SDGs の使い⽅が⾃社にとってメリットとなり、社内の協⼒が得られやすい内容を進めるといいでしょう。

企業のSDGs取り組み事例

SDGs達成に資する優れた取組を行っている企業・団体等を表彰する『ジャパンSDGsアワード』が毎年開催されています。その中から企業のSDGs取り組み事例を紹介していきましょう。

参考^外務省 ジャパンSDGsアワード https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html

第4回ジャパンSDGsアワード 本部長賞(内閣総理大臣)賞

みんな電力株式会社(東京都世田谷区) 「再生可能エネルギーを通じた地域間連携~横横プロジェクト~」

【取組内容】

  • ・「顔の見える電力™」をコンセプトに再生可能エネルギーを供給する小売り事業を2016年から実施。選んだ発電事業者に基本料金の一部をお届けすることができ、継続すると特典が届く。
  • ・ブロックチェーンを活用した「電力トレーサビリティ」システムの商用化を世界で初めて実現し、「どの発電所からどれだけの電気を買ったのか」を見える化。
  • 2019年に、神奈川県横浜市の需要家と青森県横浜町の発電事業者を電気で結ぶ「横横プロジェクト」を開始。
  • ・エネルギーの大消費地である横浜市と再エネが豊富な横浜町との間で、賛同企業等と連携しつつ、電気を通じた地域循環共生圏を構築し、都市の脱炭素化の推進と地方の経済活性化を目指す。
引用 外務省 第4回ジャパンSDGsアワード みんな電力株式会社 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/award4_01_minnnadennryoku.pdf

副本部長賞(内閣官房長官)賞 北海道上士幌町

「消滅寸前のマチが、SDGsで一転V字回復、アフターコロナに対応できる循環型Society5.0のまちへ!」

【取組内容】

  • ・早くから持続可能な社会を理念に掲げ、家畜ふん尿肥料による資源循環型農業、バイオガス発電による脱炭素の取組とエネルギーの地産地消による循環型社会を構築し、食料自給率3,505%、再生可能エネルギー電力自給率1,092%を実現。これらの取組を専門講座や観光ツアー等により共有・発信。
  • ・賛同者からのふるさと納税で、子育て・教育・生きがいを充実させ、首都圏から若年層を呼び込み、人口のV字回復という好循環を創出。
  • ・スマート農業や次世代モビリティサービス(MaaS)、リモートワーク等スマート社会実現に向けた取組を推進。ポストコロナ対応含め、人口減少や首都圏一極集中、地域経済の停滞等の解決に寄与。
引用 外務省 第4回ジャパンSDGsアワード 北海道上士幌町 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/award4_02_hokkaidokamishihoro-cho.pdf

『ジャパンSDGsアワード』はNGO・NPO、有識者、民間セクター、国際機関等の広範な関係者が集まるSDGs推進円卓会議構成員から成る選考委員会によって決定されています。本アワードを契機として、SDGsの達成に向けて、社会の至るところで、行動の大きなうねりが起こることが期待されています。

SDGsへ取り組む企業のメリットは今後も増え続ける

SDGs は「誰⼀⼈取り残さない」ことを基本理念としています。そのため、今後ますます企業が様々な利害関係者と連携し、SDGs の実現に向けた積極的な取組を実施することで、⽬標達成に貢献することが期待されています。

SDGs は市場に変化をもたらし、SDGs無き事業や活動は⻑期的に成り⽴たないと言われるようになっています。SDGs のゴールやターゲットに⽰された内容は、世界が直⾯する社会課題を網羅していています。その解決を模索することはビジネスにおけるイノベーションを促進する可能性を持っています。

また、SDGsに配慮した投資信託銘柄・ファンドが増え始め、投資家も注目しています。投資をする際は、企業の財務状況だけで判断するのではなく「SDGsの取り組みに力を入れているか」がポイントとなります。そのため、SDGsに力を入れている企業としてアピールすることは、株価上昇も期待できます。

金融機関ではSDGsに取り組んでいることを条件とする「ESG/SDGs貢献型融資」の取り扱いも始まりました。「ESG/SDGs貢献型融資」は通常金利よりも優遇されており、SDGsへの取り組みで資金調達が得やすくなります。

ESG 投資においては、企業の社会課題への対応と企業価値のバランスが評価の基準となります。 CSR(企業の社会的責任)を基本とし、社会に対してどのような価値を創造しているかを問う CSV(共通価値の創造)に加え、新たに加わったのが SDGs となります。

これらの概念の根本にあるのは「持続可能性(サステナビリティ)」。企業の規模に関わらず、これからの企業の成⻑・発展・存続に重要な要素であるといえるでしょう。

SDGsを取り入れた企業の取り組みに関心のある皆様は、ぜひインダストリンクにお気軽にご相談・問い合わせください。