フィンテックの意味と活用されるサービスとは

最終更新日:2021年01月08日

「フィンテック(FinTech)」は、ファイナンス(金融)とテクノロジー(技術)をかけあわせた造語です。フィンテックは最新の情報技術と金融サービスを結びつけるさまざまな動きを指しています。これから注目されるフィンテックの意味やサービスについて説明します。

フィンテック(FinTech)の意味

「FinTech」とはFinance×Technologyの意味。すなわち、スマートフォンの決済アプリや資産運用などの金融サービスと、人工知能(AI)やビッグデータ、ブロックチェーンなど最新の情報技術(IT)を結びつけた金融に関するサービスのことです。

フィンテックは新しい金融サービス

フィンテックという言葉は2000年代前半の米国ですでに使われていましたが、インターネット関連技術が進歩し、これまで大手金融機関が占めていた業務を個人など新しい金融ベンチャーが担うようになります。

金融と情報技術が融合し、次々と新しいビジネスサービスが登場することでフィンテックの注目度が高まり、フィンテックという言葉も金融テクノロジーだけでなくITと金融を結ぶさまざまなサービスを指し示すようになりました。

サービス内容は個人単位から法人単位まで幅広く、家計簿やクラウド会計ソフト、決済、AIを活用した融資などの資産運用などが挙げられます。

なぜ今フィンテックが求められているのか

フィンテックは今や多くの国、企業で積極的に活用されています。これまで金融サービスが普及していなかった途上国・新興国においても例外ではなく、スマートフォンによる金融サービスが急速な広がりを見せています。

非接触型決済は特にコロナ禍における現代で重用されるものであり、Eコマース(電子商取引)と結びつけた決済サービスなど顧客が求める機能に特化したサービスが多くあります。包括的な金融サービスに比べ低コストでスピーディーに利用できるため、ユーザーの支持を得ています。

フィンテックの技術とは

フィンテックではさまざまな新しい先端IT技術が用いられています。フィンテックにおいて重要なIT技術について紹介します。

  • ・分散型台帳技術:ブロックチェーン
  • ・IoT:ビッグデータ収集
  • ・AI:ビッグデータ解析・管理
  • ・API:ユーザーの利便性向上
  • ・生体認証:セキュリティー対策

分散型台帳技術:ブロックチェーン

「分散型台帳技術」とは、特定の帳簿管理主体を置かず、複数の参加者がネットワーク上で同じ台帳を管理、共有できる技術です。分散型台帳はネットワークの各参加者によって更新などの管理が行われ、誰がいつどんな情報を書き込んだか確認することができるため、改ざんや偽装が起きにくくなります。取引の透明性が保たれ、監査およびデータ共有がしやすいのが特徴です。

「ブロックチェーン」は分散型台帳技術の一つで、分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに暗号技術を組み合わせ、取引データを同期して記録する手法です。ブロックチェーンは仮想通貨(暗号通貨)に用いられる基盤技術です。

ブロックチェーンでは、ネットワーク内で発生した取引記録をコンピューター同士で検証し合い、正しい記録を時系列に沿ってチェーンのようにつないで蓄積します。ブロックチェーンと呼ばれる所以です。この構造そのものが改ざん耐性に優れ、取引記録の改ざんや不正取引を防ぐとし、注目されています。

IoT:ビッグデータ収集

「IoT」とは、Internet of Thingsのそれぞれ頭文字からなる単語です。一般にモノのインターネットと呼ばれ、車や家電など、これまでインターネットに接続していなかった身の回りのモノがインターネットにつながる仕組みを指します。スマート家電、自動車の自動運転システムなどが該当します。

「ビッグデータ」とは文字通り膨大な量のデータを意味しています。クレジットカードおよびカード型決済履歴、SNS投稿、コンビニエンスストアや小売店のPOSデータ、自動車やモバイル端末のGPSなど、対象が不特定多数、かつ日々増加し続ける情報を総称してビッグデータと呼びます。収集されたビッグデータはさまざまな分野の研究開発に活用されています。金融分野では、クレジットカードや融資の与信審査などによく応用されています。

AI:ビッグデータ解析・管理

「AI」はArtificial Intelligenceの略語で、人工知能のことです。コンピューターの性能が向上して学習が可能になり、人間の言語を理解したり、経験から学習したりして、論理的に認識・推論します。現在、AIは翻訳や自動運転、医療画像診断などの知的活動で大きな役割を果たしつつあります。

蓄積された膨大な量のデータをパターン認識(音声、文字、画像、動作などから一定のパターンを識別)や統計学、AIなどを用いてデータ解析を行うことを「ビッグデータ解析」と呼びます。

客層に応じた最適なサービスや商品を提供する業務の効率化、新産業の創出といったビジネス分野以外にも、災害対策や科学研究、政治や経済まで応用できる分野は多岐に渡っています。一方で、個人特定などプライバシー問題や、企業間でのデータ売買などデータ管理の課題も多くあります。

API:ユーザーの利便性向上

APIは「Application Programming Language」の頭文字からなる略称。自己のソフトウェアやアプリケーションの一部を外部に向けて公開し、他ソフトウェアと機能を共有できる仕組みのことをいいます。認証機能やチャット機能の共有、数値データを片方から取り込み別のプログラムで解析することができます。

アプリケーション同士をつなげることで機能性が拡張し、さらに便利に使えるようになります。つまりデータの二次利用ができるため効率的に開発を進められ、より多くの新サービス開発が可能になります。

たとえば、SNSなど他社のユーザー情報を使って自社のサービスにログインできる機能をつけ、会員登録の手間を省き他社のセキュリティーレベルの高いシステムを使って自社サービスのセキュリティー向上につなげることができます。

生体認証:セキュリティー対策

「生体認証」は、個人の身体的特徴を用いて本人を確認する認証方式。セキュリティー対策に用いられます。指紋、静脈、顔、虹彩(目)などの生体情報データをあらかじめ登録しておき、認証時に照合・判断します。

生体認証はなりすましが困難なことから安全性が高く、パスワードやICカードなどと違い利用者が覚えておく必要も携行する必要もないため、利便性が高いです。スマートデバイスのロック、サービスログイン、金融機関など日常生活でも利用が広がっており、国内の銀行のATMにおいても一部で指紋や静脈による認証が開始されています。

主なフィンテック関連サービス

主なフィンテック関連サービスを紹介します。

仮想通貨

「仮想通貨」は紙幣や硬貨のような実体はなく、インターネットを通じてやり取りされる電子データのことです。国際通貨を換金して所有でき、送金も早く手数料が安いのが特長です。主に投資対象とされますが、一定水準を超えて利益が発生すると課税対象になります。2020年時点で世界中に2,500種類以上も存在すると言われています。

保険

フィンテックによって保険分野は効率化され、インターネットを通じて申し込める安価な商品も珍しくありません。これらの背景にはAIによるビッグデータ解析が大きく関係しています。膨大な量の顧客データを処理しマーケティングに活用したり、事前査定に役立てたり、携帯情報端末を募集ツールに使うなど、さまざまな方法で役立っています。

決済ペイ・送金

現金を利用しない決済手段をスマートペイメントと言い、モバイル決済、電子マネーやクレジットカード、QRコード決済などが挙げられます。スマートフォンやカードで決済完了でき、現金をもち歩く必要がありません。サービスによってはポイントが貯まる、取引データ管理がしやすいなどのメリットがあります。

経済産業省が掲げる「キャッシュレス・ビジョン」からも分かるように、キャッシュレスサービスは今後さらに生活に浸透していくことが予測されます。

参考資料:経済産業省 キャッシュレス・ビジョン https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf

セキュリティー

静脈パターン、指紋認証、虹彩認証などの生体認証は個人に起因し盗まれることがなく、非常に高度なセキュリティーになります。次世代の高度なセキュリティー対策が求められる中、今後は個人の身体的特徴で認証を行う技術がさらに普及していくものと予想されます。

個人資産運用

フィンテックの有名なサービスに自動で家計簿をつけるクラウド家計簿があります。市販されているものの中には無料で利用できるものもあり、月収、銀行口座残高、食費・交際費などの支出が一目でわかります。全自動クラウド会計ソフトで会社の経費管理もできるため、個人事業主や中小企業経営者が、導入することも多いようです。

フィンテックがビジネスを変えていく

フィンテックの今後について、日本銀行決済機構局フィンテックセンターの宮将史氏は、金融サービスのグローバル化、バーチャル(デジタル)化、パーソナル化の3つの構造変革に言及しています。以下、宮氏の寄稿論文より一部抜粋します。

「フィンテックの潮流のなかで新たに金融に参入してきている企業(IT 企業、Eコマース企業等)は、情報技術や IT プラットフォームを起点にしており、従来の金融機関のビジネスモデルとは根底から異なる。このため、フィンテックは、今後の金融の構造やリスクの所在などを大きく変容させる可能性を孕んでいると考えられる。」

参考資料:【寄稿文】フィンテックがもたらすもの、今後の展望(統計、2017年8月号) https://www.boj.or.jp/announcements/release_2017/rel170810a.pdf

4年前宮氏をはじめ多くの有識者が予見していたように、フィンテックは急速に拡大し、全世界で従来の金融機関が独占していた市場に変化をもたらし、金融商品及びサービスをユーザーにとって低コストで早くより便利なものへと変える動きが活発化しています。日本国内においても今後はますますその動きは活発になり、金融サービスの進化が予測されます。

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