フィンテックで変わる今後のビジネスについて

最終更新日:2021年01月10日

金融業界は大きな変革を迎えています。金融とITを融合する「フィンテック」というキーワードが金融業界だけでなく、あらゆる産業にも変革を起こしています。フィンテックによってどのように変わっていくのか見てみましょう。

金融機関が抱える問題とは

現在の銀行では、銀行員の人件費高騰が問題となっています。この問題はフィンテックによって、業務に携わる人員を大幅に減らすことで解決します。これまで銀行窓口で行っていた口座開設、税金支払、預入、振込などの手続きをインターネットバンキングで行うことができます。また、キャッシュレスサービスを使うことで、現金の引き出しが不要となります。

銀行窓口はシステム化が推進されることで、企業の経理担当が銀行窓口で行う支払いや振込業務はシステムで処理することが可能となるため、窓口への移動や待ち時間のコスト削減ができます。

日本で普及が遅れている要因の一つとして

日本国では、既に銀行やクレジットカードを始めとする高度な金融システムがすでに構築されていると言われています。そのことからも、フィンテックが普及する余地が残されていないのが原因であることが想定されています。

日本国内における金融機関サービスの決済に関する信頼性が高く、無料で預金口座を開設可能で、異なる金融機関にリアルタイム送金が可能な国は、日本独自の強みにより他国よりもフィンテックの必要性を国民として必要性を感じていないという風に捉えられています。

ATMの減少

また、フィンテックはATMの代替えとなることで注目されています。ATMの設置には高額なコストがかかります。現金の補充やATM機器のメンテンナスなど、人的リソースが必要なため、ランニングコストもかかります。

銀行ではATMの利用率減少に伴い、ATM設置減少の動きがあります。今後、経理担当者は支払い、振込先が少なくなることを見越しておきましょう。

旧システムによる弊害

銀行システムのデジタル化はかなり遅れているといわれています。新システムに刷新するにも旧システムの仕様を把握した技術者がおらず、新システムへの移行が難しいことが問題となっています。

過去に行われた銀行再編による金融システムの統合は、多くの技術者と予算をかけて開発したシステムに大規模な障害をもたらしました。修復まで1か月以上かかり、企業や顧客に大きな損害を与えました。旧システムから完全に移行するまで、15年以上も経過し、金融システム刷新の失敗事例として挙げられています。

企業でも経理部門が旧システムを使用しているところがあります。これから新システムへの刷新を検討している企業にとって、フィンテックによる新システムや新サービスは魅力的なものになります。

企業の経理業務のリモートワーク推進

2020年に起きた新型コロナウイルス感染拡大防止による緊急事態宣言で、リモートワークによる在宅勤務が増加しました。しかし、経理業務は、請求書や見積書、証憑などの紙書類がデジタル化されていないため、リモートワークが難しいといわれています。経営業務のリモートワークを可能にするためにペーパーレス化や脱ハンコへ業務改善が必要です。

自然災害などの緊急事態に遭遇した場合でも事業の継続、早期復旧を可能とするための方法としてリモートワークの必要性は高まっています。経理業務のリモートワークが可能となるフィンテックのクラウドサービスで業務改善を図りましょう。

また、サイバー攻撃等のセキュリティリスクの対策が早急に求められています。 経理業務をリモートワークで行うにはネットワーク環境(VPN)やPCのセキュリティソフト導入は必須です。金融システムへのアクセス制限やアカウントの管理など、業務フローの策定も検討事項になります。

フィンテックと言われる先端技術とは

フィンテックは、関連する先端技術と組み合わせることで、従来の金融業界には存在しなかった革命的なサービスを世に送り出しています。フィンテックの普及を成功させるには、これら先端技術に対する理解が不可欠です。

フィンテックの活用事例やニーズを知ることで、今後のビジネスがどう変わるのか見えてきます。ここでは、フィンテックの先端技術について説明します。

決済・送金に関連したサービス

オンライン決済・送金サービスを主要事業とするPayPalやモバイルの事業と関連させ決済サービスを提供するApple、Googleなどは、これまでの消費者へのキャッシュレス時代を加速する代表的なグローバル企業です。 さらに、クレジット決済について従来中小企業・個人事業主等の導入障壁となっていた手数料をICTによる効率化によって低廉なものにしたのは、Coiney、Squareなどにより、クレジット決済への参入障壁を取り崩すことになりました。

参考:総務省「FinTechの事例」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc131120.html

AI搭載クラウド会計

AIと経理業務といえば、AIが搭載されたクラウド会計があります。 経理業務の帳簿作成には仕訳入力業務を行いますが、銀行口座の取引やクレジットカードの決済など、通帳や明細書から取引を手入力していました。

銀行口座やクレジットカードなどの取引履歴をクラウド会計と同期させることで、取引データをクラウド会計に自動的に取り込み、AIが自動判断して仕訳を行います。 経理業務の手作業は、入力ミスや仕訳の間違いなどのリスクが高いものです。AIクラウド会計で経理業務を自動化すれば、ミスが減り業務効率が格段に上がります。

電子決済サービスにおけるキャッシュレス

電子マネーやクレジットカード、電子決済アプリなどによる電子決済サービスは、FinTechの代表的な事例の一つです。チャージや取引口座との連携により、現金を持たずに商品やサービスの購入決済ができます。キャッシュレスサービスとも呼ばれます。

経済産業省では、キャッシュレス推進について以下のように説明しています。

キャッシュレスの推進は、消費者に利便性をもたらし、事業者の生産性向上につながる取組です。消費者には、消費履歴の情報のデータ化により、家計管理が簡易になる、大量に現金を持ち歩かずに買い物ができるなとのメリットがあります。事業者には、レジ締めや現金取り扱いの時間の短縮、キャッシュレス決済に慣れた外国人観光客の需要の取り込み、データ化された購買情報を活用した高度なマーケティングの実現などのメリットがあります。

経済産業省:キャッシュレスに関する説明資料等 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/cashless_documents/index.html

バックオフィス改革による生産性向上

企業が生産性を飛躍的に高めるためには、バックオフィス業務等を徹底的に効率化し、経営者自身も含む希少な人的資源が価値を生み出す仕事に集中できる体制を作ることが重要です。また、最も多くの中小企業が重視する経営課題として、コスト削減や業務効率化を挙げているのですが、実態としては具体的に実行することが難しいと言われています。

参考:経済産業省「FinTechビジョン」https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/smartsme/2019/190313smartsme11.pdf,p.26

例えば、企業にとってキャッシュレスの普及は、経理処理の簡素化やレシートの廃止によるペーパーレス化も図れます。特に人の手による現金の取り扱いは人的エラーによる売上損失を発生させるリスクがあるため、キャッシュレス活用は業務改善の大きなポイントとなります。今では、請求書や領収書などの帳票もスキャナ機器を使う事で容易にデジタル変化をする事が出来て、ペーパーレス化や会計の自動化にもつながっています。

キャッシュレスはバックオフィス改革を後押しする大きな力となるのです。クラウド会計・経理サービス等のクラウドITツールは、中小企業における財務・経理等のバックオフィス業務の自動化、効率化、リアルタイム管理を実現することが期待されます。

観光産業の多い沖縄は、外国人観光客のキャッシュレス対応は不可欠です。日本の通貨だけの決済では、外国人観光客の需要に応えることができません。外国人観光客のインバウンド消費を上げるためにもキャッシュレス導入に取り組みましょう。

フィンテック(FinTech)と呼ばれる革新的なサービスは、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、人工知能(AI)といった技術を使って革新的な金融サービスを提供する事に繋がります。フィンテックは、企業の生産性向上や個人の豊かな暮らしにも、ますます関わってくるサービスです。

まずは、オンライン家計簿で毎日の生活費や小遣いのお金の流れをチェックすることで無駄な出費を抑制する事に繋がります。企業の場合は、会計をクラウド会計化することで手動での会計処理を銀行・クレジットサービスなどのオンライン金融サービスとの連携により会計処理の仕分け作業を自動化する事が出来ます。

経費精算や年末調整やその他事務作業もクラウドサービス導入により人手不足を解消する事が可能になります。まず、すぐ出来ることから一歩フィンテックの恩恵を感じてみませんか。

金融に関わる人の働き方が変わる

フィンテックにより、銀行の在り方や経理業務が大きく変わりつつあります。企業も変革に対応すると同時に業務の見直しが必要になります。フィンテックの活用で働き方改革を進め、顧客や従業員の満足度を高めましょう。




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