企業研修でeラーニングシステムが必要な理由とは

最終更新日:2020年12月09日

eラーニングを活用すれば企業研修は効率良く人材育成を行うことができます。企業は、eラーニングを導入するメリットを理解し、自社に合った研修プログラムを作ることが必要です。ここでは、eラーニングのメリットや機能、スペシャリストを育成する人材育成研修について説明します。

企業向けeラーニングシステム(LMS)とは

eラーニングの学習、教材閲覧などの学習状況の管理は学習管理システム(通称:LMS Learning Management System)を使って行います。学習管理システムはeラーニングの研修プログラムを作成し、受講者がプログラムに沿った学習を行うことができるシステムです。

現在、eラーニングを行うには学習管理システムを使うことが一般的となっています。

企業研修にeラーニングシステム(LMS)導入するメリットとは

eラーニングは、これまでのテキストやプリントを使った座学ではなく、動画やアニメーションなどで学習することができます。座学に比べ動画の学習はモチベーションが上がりやすいというメリットがあります。

その他の企業研修おけるeラーニングのメリットは以下になります。

  • ・いつでもどこでも学習ができます
  • ・作ったコンテンツ(教材)を繰り返し利用することができます
  • ・教材の印刷代や研修会場の利用料、交通費などのコストが削減できます
  • ・講師の手配が不要になります
  • ・学習管理や集計、効果測定ができます
  • ・一人ひとりに最適な教育を提供しやすくなります
  • ・人事データベースとの連携で人事評価に活用できます

eラーニングシステムの機能について

教育を支援する機能

  • ・eラーニング配信機能
  • eラーニングの配信を行える機能です。受講者へ講座を配信します。
  • ・研修管理機能
  • 研修のスケジュール管理を行える機能です。研修の告知や参加可否の確認を行います。
  • ・動画配信機能
  • 動画教材をリアルタイム配信する機能です。研修実施の内容をeラーニングを通して、受講者へ配信することができます。
  • ・コース管理機能
  • 複数の教材を組み合わせた研修を作り、実施する機能です。受講者が履修したいコースを選択することができます。また、個人に合わせたコースを作ることも可能です。
  • ・アンケート・レポート機能
  • アンケートやレポートを作成、配信し、回答を集める機能です。提出物をシステムで一括管理することができます。
  • ・スキル管理機能
  • 職種等に応じて必要なスキルセットを定義し、個別の進捗状況を管理する機能です。個人のスキルを把握することができます。
  • ・SNS機能
  • 社内SNSとして、講師や社員同士のコミュニケーションが取れる機能です。
  • ・eラーニング教材作成機能
  • パワーポイントなどの社内資からeラーニング教材を作成する機能 です。社内研修資料作成の内製化ができます。

運用を支援する機能

  • ・メール配信
  • お知らせ、リマインドなどユーザーにメールを配信することができます。時間や条件により自動配信もできます。
  • ・FAQ(よくある質問)管理
  • よくある質問について、事前に回答を用意しておきます。LMSの操作方法などユーザーは簡単にお問合せができます。
  • ・問い合わせ管理
  • よくある質問では分からない内容を講師や担当へフォームより問い合わせができます。担当者は問合せ内容をシステムで回答することができます。
  • ・メッセージボード管理
  • ユーザーのトップ画面に表示される掲示板です。企業側では、ユーザーがメッセージをきちんと見たかどうか、既読未読のチェックができます。
  • ・人事データベース連携
  • 人事データベースとLMSを連携させることで、ユーザー情報を登録したり更新したりする手間が省けます。

eラーニングシステムを活用する理由

eラーニングシステムには多くの機能があり、受講者や企業にとって効率的な研修プログラムを提供することができます。特に人事部門では、どんなスキルや知識、資格を持つ人材がどの組織にいるのか、すぐに確認ができます。個人のスキルを把握することで、配置の検討や組織の横断的なプロジェクトチームの立ち上げなどを効率的に行うことが可能になります。

スペシャリストへの人材育成は研修プログラムのPDCAサイクルを回し続けることで可能になります。社員へどんな目標を立て、どんな成長機会を提供すればよいか、必要な研修を実施するためのデータをeラーニングシステムが提供してくれます。

個人のキャリアアップは組織の成長を促進するとともに、企業全体の価値を高めるものになります。

長期的な人材育成研修が必要な理由

厚生労働省の職業能力評価基準について

厚生労働省では人材開発にかかる多くの支援策を提供しています。職業能力が適正に評価される社会基盤づくりを進めるため、職業能力を客観的に評価する仕組みとして、職業能力評価基準について説明します。

※「職業能力評価基準」とは、仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものです。

引用:厚生労働省 職業能力評価基準について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04653.html

職業能力評価基準の構成

職業能力評価基準は、仕事の内容を「職種」→「職務」→「能力ユニット」→「能力細目」という単位で細分化しています。そのうえで、成果につながる行動例を「職務遂行のための基準」、仕事をこなすために前提として求められる知識を「必要な知識」として整理・体系化しています。詳しくは以下になります。

(1)共通能力ユニット=職種に共通して求められる能力
(2)選択能力ユニット=各職務の遂行のために固有に求められる能力

  • ・職種=仕事の内容や性質が類似している「職務」をくくったもの。(例:「販売」「店舗運営」「商品開発・仕入れ」など)
  • ・職務=概ね1人の従業員が、責任をもって遂行すべき精神的、肉体的活動を要する仕事の集まりを指す。(例:「販売」「販売・加工」など)
  • ・能力ユニット=仕事を効果的、効率的に遂行するために必要な職業能力を、活動単位でくくったもの。「能力ユニット」には次の2種類があり、基本的に複数の「能力細目」から構成される。
  • ・能力細目=「能力ユニット」の内容をさらに細分化したもので、概ね「作業」単位でくくった能力の要素を表す。
  • ・職務遂行のための基準=「能力細目」の仕事を確実に遂行できるか否かの判断基準となる行動例や技能・技術を列挙したもの。
  • ・必要な知識=その「能力ユニット」に対応する職務を遂行するために前提として必要な知識を表す。
引用:厚生労働省 職業能力評価基準の構成 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07949.html

期待される責任・役割の範囲と4つの能力段階

職業能力評価基準では、企業において期待される責任・役割の範囲と難易度により、4つの能力段階(「レベル区分」と呼んでいます)を設定しています。

  • ・レベル1 担当者
  • 担当者として、上司の指示、助言を踏まえて定例的業務を確実に遂行するために必要な能力水準
  • ・レベル2 係長、主任
  • グループやチームの中心メンバーとして、創意工夫を凝らして、自主的な判断、改善、提案を行いながら、業務を遂行するために必要な能力水準
  • ・レベル3 課長、マネージャー
  • 中小規模組織の責任者もしくは高度専門職として、上位方針を踏まえて管理運営、計画作成、業務遂行、問題解決等を行い、企業利益を創出する業務を遂行するために必要な能力水準
  • ・レベル4 本部長、部長
  • 大規模組織の責任者もしくは最高度の専門職として、広範かつ総合的な判断および意識決定を行い、企業利益を先導、創造する業務を遂行するために必要な能力水準

職業能力評価基準の事務職系共通能力ユニット

社員が身に着けるべき一般的な能力細目や職務遂行のための基準があります。必要な能力ユニット一覧が以下になります。

  • ・ビジネス知識の習得
  • ・PCの基本操作とネットワークの活用
  • ・企業倫理とコンプライアンス
  • ・関係者との連携による業務の遂行
  • ・課題の設定と成果の追求
  • ・コンセプトの構築
  • ・業務効率化の推進
  • ・顧客・取引先との折衝と関係構築
  • ・顧客満足度の推進
  • ・多様性の尊重と異文化コミュニケーション

これらの能力ユニットに対し、能力レベルごとに職務遂行のための基準が設けられています。企業の人材育成には多くの能力ユニットを取得するための研修が必要になります。

引用:厚生労働省 職業能力評価基準の業種別データ(事務系職種)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04653.html

企業研修はeラーニングシステムでスペシャリストを育成する

人材育成システムが構築できている企業はまだまだ少ないのが現状です。そのため、厚生労働省が整備している「職業能力評価基準」を核とした人材育成システムを使った自社の研修プログラムを作りましょう。

研修内容やプログラムをeラーニングシステムで行うことで、効率的な人材育成が可能になります。また、eラーニング教材の継続使用や改善を行うことで、人材育成の長期的な研修プログラムの確立ができます。

企業の利益を上げるスペシャリストの育成のため、eラーニングを活用しましょう。




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