デジタルトランスフォーメーションDXは、なぜ、推進する必要があるのか

最終更新日:2020年11月25日

日々、新しいデジタル技術やサービスが生まれ、進化していく国際社会において、国内企業が他国とのビジネスで競争力維持・強化するために「デジタルトランスフォーメーションDX」をスピーディーに進めることを必要と言われています。ここでは、なぜ、デジタルトランスフォーメーションが必要なのか、DXについて説明します。

デジタルトランスフォーメーションをDXと呼ぶ理由とは

デジタルトランスフォーメーションの名前の由来は、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授のエリック・ストルターマン氏は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と提唱し、「デジタルトランスフォーメーションにより、情報技術と現実が徐々に融合して結びついていく変化が起こる」という論文からです。

DXの”X”は、一般的に次の理由から”X”が使用されています。

  • ・英語圏では「trans-」の略に「X」を使う
  • ・「trans-」の類義語acrossから「X」にした
  • ・「trans-」の意味とXの見た目が似ているから

経済産業省のデジタルトランスフォーメーションを紹介するサイトでも【DX】で表現されています。

参考:経済産業省のデジタル・トランスフォーメーション(DX)とは https://www.meti.go.jp/policy/digital_transformation/index.html

デジタルトランスフォーメーションDXとは

2018年9月7日の「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」のレポート「~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(経済産業省)によると、 「DXに関しては多くの論文や報告書等でも解説されているが、中でも、IT専門調査会社のIDC Japan 株式会社は、DXを次のように定義しています。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立することです。

引用元:経済産業省 DXレポート「~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

これからの企業経営はクラウド、AI、IoTを最大限に活用したイノベーションを生み出すことで、競合性を高めるサービスや企業体制を整えることを推進しています。もし、IT化やデータの活用ができない場合、他国とのデジタル競争の敗者になります。

次にデジタルトランスフォーメーションDXがなぜ、推進されているのか理由を説明します。

デジタルトランスフォーメーションDXを推進する理由

ビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーションDXは、将来の危機的状況の打開策の1つとして推進されています。

DX化による人材不足の解消

2018年に総務省が発表したDXレポートには、「2015年現在でIT人材不足約17万人が、2025年にはIT人材不足が43万人にまで拡大する」という問題提起が記されています。IT化による業務効率化を図り、人材不足の対策を行うことが急務となります。

行政サービスのDX化

行政サービスやその他サービスで使用されているソフト、ハード機器を新規導入するには、莫大な費用がかかります。そのため保守サービスを使い続けている影響で保守サービスも熟練の技術者が少なくなっています。

保守対応の技術者がいなくなるリスクが予想されており、DX化を本格的に展開する必要があります。

デジタルトランスフォーメーションDXへの取り組みとは

この先、企業が生き残るためには「デジタルトランスフォーメーションDX」への取り組みが必要とされています。未だ多くの経営者がデジタルトランスフォーメーションDXの必要性を認識していないのが現状です。今後、「DXによりビジネスをどう変えるか」といった経営戦略を盛り込み、ビジネスの方向性を見定めていく必要があります。

デジタルトランスフォーメーションDXの事例紹介

大規模なITシステムを有していない企業やITシステムを導入していない業種でも、すでにDX化を進めています。企業のDX化した新サービスの事例を紹介します。

小売の販売形態をDX化

アプリやネットから注文した商品を無人店舗で受け取り可能にし、レジへ並ばずに買い物ができるサービスがあります。欲しいものが在庫切れで買えない等の問題を解決したサービスです。

これまで店舗で必要だった商品の陳列や在庫チェック、発注、検品、レジ打ちなどの労働負担を減らすことが可能になりました。現場の働き方改革や人員削減にも繋がりました。

AIによる配車サービス

タクシーの乗車率を上げるために過去の乗車履歴をAIが分析し、乗車需要が多い場所や時間によって、配車を行うシステムを開発しました。過去の配車実績の統計だけでなく、イベントの情報や気象情報などリアルタイムの情報をAIが分析します。効率の良い配車できるようになったため、タクシーの稼働率をあげることが可能になりました。

アプリで配車手配や近くの走行中のタクシーが見えるサービスなど、お客様にとっても便利なシステムになりました。アプリを登録し使用することでデータも蓄積できるため、よりAI分析の精度を上げることにもつながります。

月額定額制サービス(サブスクリプション)

現在、よく耳にするのが月額定額制サービス(サブスクリプション)です。通称サブスクと言われており、これまでは製品の「モノ売り」が主流でしたが、これからはモノ売りではなく「コト売り」のサービスが進んでいくと言われています。

音楽は買うものではなく「聴くもの」となりました。これまでCDを購入して音楽を楽しんでいたものが、サブスクにより、「聴き放題サービス」で楽しめるようになりました。

サブスクが流行した理由として、デジタルトランスフォーメーションDX化が一役を担っています。スマートフォンが普及するとともに通信環境が向上し、大容量のデータ通信が可能になりました。音楽ストリーミングサービスの音質はCDと同じくらい良いものになりました。また、アプリ内の会員サイトの登録や決済サービスの容易さも流行している要因と言えるでしょう。

なぜデジタルトランスフォーメーションDX化しなければいけないのか

DX化による画期的な改革は、今後も顧客の利便性を上げ、ニーズを高めることができる素晴らしい商品・サービスになります。

人々の生活に根付いた商品・サービスを提供することで、企業はさらに競合他社や海外からの新規参入に打ち勝つための経営戦略になります。

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