キャッシュレス決済の仕組みと導入すべきメリットとは

最終更新日:2020年12月06日

キャッシュレス決済の普及は、決済の利便性・効率性の向上を目的として、国が推進しています。キャッシュレス化に取り組む理由として、少子高齢化や労働人口減少があげられます。キャッシュレス化が進むと、店舗の人員削減(無人化・省力化)を可能にし、生産性の向上を図ることができます。

国は2027年までにキャッシュレス決済比率を現在より 4 割程度上げることを目指しています。 そのため、今後もキャッシュレス化が推進されることが予想されます。キャッシュレス導入を検討中の企業や店舗へキャッシュレス決済の仕組みと導入すべきメリットについて説明します。

キャッシュレスの基本的な仕組みとは

経済産業省のキャッシュレスビジョンに書かれたキャッシュレス決済とは「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」とあります。つまり、『現金を使わない決済方法』のことです。ここでは、キャッシュレス決済の4つの仕組みを説明します。

引用:経済産業省 キャッシュレスビジョン https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdf

電子マネー

電子マネーは、利用者がプリペイドカードに利用金額をチャージして決済します。 現在主流となっている電子マネーは、流通系と交通系があります。流通系の電子マネーは、コンビニや、スーパーで利用できる決済です。カード発行会社ごとにポイント付与や割引特典があるので、現金決済よりお得になります。

交通系の電子マネーは、公共交通機関(電車、バス、モノレール)の運賃支払いに利用されています。交通系の電子マネーは切符を購入する手間がなく、毎日の通勤で公共交通機関を利用する人にとって、利便性の高いものとなっています。

支払い方法はタッチ式(非接触)です。

加盟店が決済処理データを送信後、電子マネーを取り扱う事業者は、月に2回などの決められた入金サイクルで利用代金を精算します。

デビットカード

デビットカードは、使ったその場で口座から引き落としになるリアルタイム取引です。クレジットカードとは違い、1回払いのみで決済します。 銀行口座から現金を引き出さずに決済できることと、利用限度額が口座残高となることから、お金を使い過ぎる心配がありません。

支払い方法は、スライド式(磁気)と読み込み式(IC)があります。

デビットカードもカード発行事業者が月に2回の入金サイクルで利用代金を精算します。

QRコード決済

QRコード決済は、スマホの専用アプリとQRコードを使って支払いをする決済方法です。デビットカードと同じく決済時に口座残高から利用額が引き落とされるリアルタイム取引です。

QRコード決済には、お客様の端末に表示させたQRコードを店舗側がスキャナーで読み取り決済する方法と、店舗側が提示したQRコードをお客様にスキャンしてもらうパターンがあります。QRコード決済では、お客様自身がスマホへ専用アプリをダウンロードしなければ決済できないのがデメリットです。

支払い方法はスマホを使ったカメラスキャナ読み込み(QRコード・バーコード)やタッチ式(非接触)があります。

QRコード決済を導入する企業や店舗が増加している理由として、入金サイクルの早さです。電子マネーやデビットカード、クレジットカードは、入金までに時間がかかるため、キャッシュフローが悪くなります。QRコード決済はお客様の利用代金の精算を即日、翌日などに行われるため、導入店舗の資金繰りの負担が軽くなります。

クレジットカード

キャッシュレスで一番利用されているのがクレジットカード決済です。現金決済の次に取引も多く、クレジットカードを保有、使用している人が多くいます。クレジットカード決済は後払いとなり、支払いを先延ばしにできる、分割支払いできるのがメリットです。

ただし、クレジットカードを作る際にカード会社の審査を受けなければいけません。クレジットカードには与信が必要になります。

クレジットカードの支払い方法は磁気カード、ICカードがあります。

クレジットカード会社から加盟店の入金サイクルは、利用するサービスや会社によって異なっています。入金の振り込み手数料は無料のところが多いですが、即日入金にした場合、振込手数料がかかる場合もあります。

即日入金や最短営業日の入金サイクルはキャッシュフローが良くなりますが、経理処理が増える、振込手数料がかかるなどのデメリットもあります。自社の経理部門や担当と相談して、入金サイクルを決めましょう。

クレジットカードには与信機能があるため、電子マネーやQRコード決済のチャージ払いと組み合わせることができます。消費者にとって、電子マネーやQRコード決済のポイントと、クレジットカード利用ポイントの両方が加算されるため、現金決済よりお得になります。

店舗、企業でのキャッシュレス決済の導入メリットとは

 

キャッシュレス決済の導入は、さまざまなメリットがあります。ここでは5つのメリットを紹介します。

現金管理が不要

キャッシュレス決済は、レジ業務負担を大幅に減らすことができます。レジ業務はお客様とのお金を預かり、お釣りを返すだけでなく、釣銭の準備、入出金の確認、営業終了時のレジ締めなど様々な付帯業務があります。キャッシュレス化することで付帯業務が無くなるため、現金管理が容易になります。

特にレジでの現金管理リスクは、精算時の現金過不足があります。現金の不足が発生した場合は損失になるので、レジ担当は注意を払わなければいけませんでした。キャッシュレス化は現金の受け渡しがなくなるので、レジ担当の不安も解消できます。

現金を持たないお客様にも対応

お客様の手持ちの現金が少ない・足りない場合は、購買意欲が下がります。キャッシュレスは、お客様の購買意欲が上がる効果があり、機会損失を減らすことができます。特に高額の商品購入は、お客様はクレジット決済の有無で判断する場合があります。お客様のキャッシュレス化のニーズは高まっています。

ポイント特典による集客効果

キャッシュレス化が推進されているため、現金決済に比べ、キャッシュレス決済には様々な特典が提供されています。過去にあった特典をまとめると以下のものがあります。

  • ・ポイント還元
  • ・ポイント取得率の増加
  • ・ポイントプレゼント
  • ・ポイント山分け
  • ・マイナポイント付与

キャッシュレス推進を図るために、様々なキャンペーンが行われています。お客様にとって魅力あるキャンペーンがある企業・店舗で、商品やサービスを購入します。お客様に選ばれるためにもキャッシュレス導入を検討しましょう。

海外観光客への対応

日本に比べ、海外はキャッシュレス化がかなり進んでいるため、現金決済が少なくなっています。海外観光客は現金決済よりキャッシュレス決済が日常的なため、現金決済は不便なものになっています。

旅行先で使用する現金を両替、残った現金の両替を行う負担だけでなく、初めての訪れる国の紙幣や貨幣の管理はストレスになります。海外観光客の決済方法の多くは、キャッシュレスで行われています。外国人観光客のインバウンド需要を獲得するためにもキャッシュレス化は必須と言えます。

キャッシュレス化の問題点とは

日本が他国と比べてキャッシュレス化が進まない理由が『現金を好む国民性』と言われています。現金に価値があると考え、投資をせずに自宅で貯金する人が多いため、経済が回らず市場が活性しないのが問題となっています。

他にも日本の社会情勢で、治安が良く現金を持ち歩いていても不安がないことや偽札がほとんどないといった現金の信頼の高さがキャッシュレス化の弊害となっています。

海外のキャッシュレス化の躍進には、大きな理由があります。

  • ・治安の悪さ
  • ・偽札の流通
  • ・紙幣の薬物汚染

キャッシュレス化が進むのは、社会情勢が大きな理由と言えます。

また、国策として紙幣にかかるコストを削減するために、キャッシュレスを推進しています。日本も紙幣にかかるハンドリングコスト(取り扱いに係る費用)削減に向けて、キャッシュレスを推進しています。

観光業にはキャッシュレス導入がオススメです

これからはキャッシュレス決済が世界の標準になることが予想されます。沖縄は観光産業が主要産業となっています。これからも海外観光客の誘客活動や観光客の満足度向上に向けた取組としてキャッシュレスは必要になります。

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