キャッシュレスの意味と仕組みについて
最終更新日:2020年12月02日
クレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイドカード)、スマートフォンなど、今やスーパーやコンビニで次々と導入されているキャッシュレス決済。キャッシュレスとは「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態のこと」を指します。
経済産業省の「キャッシュレスの現状及び意義」(2020年)によると、日本のキャッシュレス決済比率は約20%にとどまり、主要各国では40%~60%となっています。
また「日本のキャッシュレス支払額及び比率」の推移を見てみると、2008年は11.9%だったのに比べ、2018年では24.1%。2008年から2018年まで継続して数値が上昇しています。日本国内のキャッシュレス支払いは、今後ますます増加することが予想されます。
日本政府は2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度目指しており、将来的には世界最高水準の80%になるよう狙いを定めています。ここでは、キャッシュレスの意味と仕組みについて説明します。
引用:経済産業省 キャッシュレスの現状及び意義 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/about_cashless.pdf急速に増加しているキャッシュレス決済の背景
日本で急速にキャッシュレス決済が増えた要因として、政府が「『日本再興戦略』改訂 2014」においてキャッシュレス決済の普及による決済の利便性・効率性の向上を掲げたことを発端として、オリンピック・パラリンピック東京大会開催などを視野に入れたキャッシュレス化推進を示したことが挙げられます。
参考:経済産業省 キャッシュレス・ビジョン https://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180411001/20180411001-1.pdfまた2017 年に公表した 「FinTech ビジョン」においては、FinTech が付加価値を生み出すために必要な決済記録の電子化の鍵は、「キャッシュレス化の推進」であることなどを指しています。キャッシュレス化比率を政策指標として示しながらキャッシュレス化促進のための課題や方策を継続的に分析・検討していく必要性を示したことも、キャッシュレス決済が増加した背景の一因です。
引用:経済産業省 FinTechビジョン https://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170508001/20170508001-1.pdfキャッシュレスを推し進める事は、実店舗等の無人化省力化、不透明な現金資産の見える化、流動性向上と不透明な現金流通の抑止による税収向上に繋がります。また支払データの利活用による消費の利便性向上や消費の活性化等、国力強化につながる様々なメリットが期待されています。
今後日本は、少子高齢化や人口減少に伴う労働者人口減少の時代を迎えるため、国の生産性向上は喫緊の課題といえるでしょう。
キャッシュレスの種類と利用方法
現在、主に利用されている4つのキャッシュレス手段をご紹介します。
1.クレジットカード
お店などでの買い物に使うと、その場で現金を支払うことなく商品やサービスを受け取ることができ、後でお金の請求が来る(後払い)カードのこと。代金の請求は一括で支払うか、分割払いやボーナス払いなどがあります。与信審査があり、スライド式・読込(IC)式、タッチ式があります。
2.デビットカード
お買い物や食事代のお支払いで提示すると、代金が銀行の口座から即時に引き落とされるカードのことです。即時払いで与信審査はありません。クレジットカード同様、スライド式・読込(IC)式、タッチ式があります。
3.電子マネー(プリペイドカード)
様々な会社が独自に発行している電子的なお金のこと。主にスーパー、コンビニ、改札機でタッチしてお金を払えます。カードタイプのほかに、携帯電話やスマートフォンで使えるタイプも。前払い式で、タッチ式(非接触)。与信審査はありません。
4.スマートフォン
スマートフォンにクレジットカード、電子マネー、銀行口座などを登録し、お店などでのお金を払うときに使えます。スマートフォンをタッチすることやバーコード・QRコードを使って支払うことができます。他の決済手段と紐付けすることができ、カメラ読込(QR)・タッチ式です。
引用:経済産業省 キャッシュレスの現状及び意義 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/about_cashless.pdfキャッシュレスの利用方法
キャッシュレスを利用するときの端末は大きく分けて3つあります。
1.接触IC(差し込み式)/磁気(スライド式)
カード読み取り機に差し込み、直接接触させて読み取る方式です。主にクレジットカードでの支払いに用います。また、読み取り機にスライドさせて、磁気を読み取る方式もあります。
2.非接触IC(タッチ式)
カード読み取り機に売れなくても、かざすだけで読み取りができる端末です。主に、交通系や流通系の電子マネーやスマートフォンでの支払いに用います。最近では、IC対応のクレジットカードや非接触IC端末で支払いができるものも登場しました。
3.(QR)コード読み取り機/タブレット/スマートフォン/QRコード印刷物
バーコードやQRコードを読み取って支払いをするコード決済で利用する端末です。お客様がスマートフォンでバーコードやQRコードを表示する方式の場合、店舗のコード読み取り機やタブレットで読み取りを行います。店舗がQRコードを掲示/表示する方式の場合は、お客様自身のスマートフォンで読み取りを行います。
引用:経済産業省 今なぜ、キャッシュレスなの?事業に自由と安心を https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/pamphlet_merchants.pdfキャッシュレス決済の仕組み
キャッシュレスは主に、①利用者(客) ②お店(加盟)③利用者と契約する決済会社(イシュアー)、④お店と契約する決済会社(アクワイアラ)⑤決済代行業者 という5つのお金の流れで成立しています。それぞれについて説明します。
利用者(客)
プリペイドカードやQRコード決済は、契約する決済会社に対し、事前に金額のチャージをします。お店で商品・サービスを購入する際に決済します。クレジットカード決済は決済会社へ後払いで購入代金の支払いをします。
利用者と契約する決済会社(イシュアー)
キャッシュレスツールを発行する会社のこと。利用者の獲得や利用者への請求が主な業務です。お店と契約する決済会社(アクワイアラ)に対し、購入代金を支払います。
お店と契約する決済会社(アクワイアラ)
お店に対して、キャッシュレスツール導入の契約や管理をする会社のことです。イシュアーへの購入代金請求、お店(加盟店)への代金支払いが主な業務となります。
お店(加盟店)
キャッシュレスツールが使えるお店や企業のことです。どのキャッシュレスツールが使えるのか消費者にわかるように、店頭にステッカーなどを貼って示しています。契約する決済会社(アクワイアラ)に対し、手数料を支払います。
決済代行業者
加盟店とクレジットカード会社や決済サービス会社の間に入り、複数のクレジットカード会社や決済サービス会社との契約や生産の一本化などのサービスを提供する事業者です。
引用:経済産業省 今なぜ、キャッシュレスなの?事業に自由と安心を https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/pamphlet_merchants.pdfキャッシュレス国のコスト削減につながる
キャッシュレスの推進は、従来の現金決済インフラを維持するための直接コスト(年間約1.6兆円超)を削減することができます。その金額の内訳は以下になります。
- ・印刷局(銀行券製造委託費/500億円)
- ・造幣局(貨幣製造コスト/150億円)、
- ・銀行店舗(店舗設備投資/760億円)(現金関連業務窓口人件費/1,000億円)
- ・銀行ATM・コンビニATM(ATM機器費・設置費/4,120億円)(ATM警送会社委託費/1,400億円)
- ・店舗(現金関連業務人件費〈レジ締め等〉5,000億円)(キャッシャー等設備投資/600億円)、ユーザー(財産犯のうち現金被害額/900億円)(偽造紙幣被害/0.1億円)
キャッシュレス決済の利用は増えていく
キャッシュレスが推進される理由はお客様、店舗、国の三社にメリットがあるといえます。 キャッシュレス決済は多様化し、様々な形態の新サービスが提供されています。企業や店舗はキャッシュレスを活用して、集客や売上向上につなげましょう。
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