AIの活用事例
最終更新日:2021年02月06日
身近で使われているAI
では、具体的にAIはどのように活用されているのか、イメージをつかみやすいように、普段の生活で使われているAI技術について挙げていきます。
スマートスピーカー
AI機器といえば、イメージされる代表的な機器がスマートデバイスです。Amazon EchoやGoogle Home、AppleのHomePodなどが有名です。
スマートスピーカーとの会話において、使用者が命令することに対して大量の音声データをベースにテキスト認識を行い、テキストの文脈から意味を抽出し求められているアクションを導き出します。
AI搭載の家電
さまざまな家電にAIが搭載されていますので、家電別に簡単に説明します。
お掃除ロボット
お掃除ロボットは内蔵されたセンサーによって、障害物を避けることができ、室内の家具の配置なども覚えて効率的に掃除を行います。掃除を終えたら充電器まで戻ります。
オーブンレンジ
AI搭載のオーブンレンジには、オーブンレンジ搭載のAIが使い方を学習し、各家庭の使用スタイルに合わせて季節や時間帯ごとのメニューを提案できるものがあります。
冷蔵庫
AI搭載の冷蔵庫は、オーブンレンジなどの調理器具と連携して、献立提案から、調理サポートができるものがあります。
洗濯機
AI搭載洗濯機が、布質、汚れ具合、水の温度や硬度に合わせて、洗い方や運転時間を自動で調整してくれます。また、液体か粉末かどちらの洗剤が適しているかを判断し、ふさわしい洗い方を選択します。スマートフォンと連携し、洗濯用アプリを使用して、さらに便利に使うことも可能です。
スマートフォンアプリ
スマートフォンにも多数のAIが使用されています。翻訳アプリ、写真を絵にするアプリ、鼻歌やメロディーから自分の知りたい歌を見つけられるアプリなど、多種多様なアプリにAIが使われています。また、スマートフォンに搭載のカメラにもAIが使われています。
車の自動運転
現在、特に注目されているのが、車の自動運転です。各種自動車メーカーも力を入れて開発を行っています。車、歩行者、信号機などを自律的に認識するため、画像認識システムを搭載した自動車の開発を行っています。この技術にはとっさの判断ができるエッジAIが導入されています。現在各社が、開発に臨んでいますが、実用段階には至っていません。
車の自動運転には、実用化までにさまざまなクリアする必要のある要素があります。ここでは、国土交通省が発表した、自動運転のレベルについてや今後の国の展望などについて説明します。
自動運転のレベルと、国を挙げての展望
平成30年9月に国土交通省が発表した「自動運転車の安全技術ガイドライン」によると、 自動車の自動運転のレベル0から5までの6段階があります。自動運転の安全技術に関して情報が掲載されていますので、紹介します。
レベル0「運転自動化なし」
運転の自動化はなく、運転者が動的運転タスクの全てを行います。
レベル1「運転支援」
システムが縦方向又は横方向のいずれかの車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行
レベル2「部分運転自動化」
システムが縦方向及び横方向両方の車両運動制御のサブタスクを限定領域において実行
レベル3「条件付運転自動化」
システムが全ての動的運転タスクを限定領域1において実行作動継続が困難な場合は、システムの介入要求等に適切に応答
レベル4「高度運転自動化」
システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を限定領域において実行
レベル5「完全運転自動化」
システムが全ての動的運転タスク及び作動継続が困難な場合への応答を無制限に(すなわち、限定領域内ではない)実行※引用
レベル2までが、運転者が一部、または、全ての動的運転タスクを実行し、レベル3以上が、自動運転システムが(作動時は)全ての運転タスクを実行する、高度な自動運転としています。
現在、このガイドラインによると、自動運転の実用化というのは、レベル3以上のことを指しており、2020年以降、2025年頃の導入を目指しています。そのためには、自動車自体の技術向上だけではなく、車両の安全基準や交通ルール等の多岐にわたる道路交通関連法規について見直しが必要とされています。
平成30年4月に、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議において決定された、「運転に係る制度整備大綱」では2020年以降2025年頃の導入初期段階を想定して、道路交通関連の法制度の見直しに関する政府全体の方向性がとりまとめられています。また、レベル3、または、レベル4の自動運転システムを搭載した車の早期実用化に向けた取り組みを加速しています。
自動運転のレベルについては、「自動運転のレベル分けについて」という分かりやすい資料がありますのでご参照ください。
※引用 国土交通省 自動運転車の安全技術ガイドライン 平成30年9月
※参考 首相官邸 自動運転に係る制度整備大綱 平成 30年4月17日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議
産業分野での活用例
家電や自動車など、身近なところでもAIが活用され、開発が進んでいます。また、あらゆる産業でAIを活用して、業務効率化と生産性向上が可能になってきました。ここでは、さまざまな産業で利活用されているAIについて、産業別にお知らせします。
農業
農業は、AI導入が期待され、推進されている産業の一つです。AI活用にはエッジAIが多く使われています。ドローンを活用した農薬散布、センサーを利用した温度管理や、適切な水の管理を行うなど、今後も懸念される人口減、離農による人手不足解消の希望の星となっています。
漁業
漁業にも、AI導入は推進されています。漁業従事者の長年の経験と勘と、海洋気象情報をAIで解析し、漁場を提案する仕組みが開発されています。また、養殖においてはクロマグロの養殖の一番の弱点である赤潮の発生を検知するためAIが活用されています。
赤潮の害を防ぐために、IoTとAIを活用し、ドローンブイを使用して、海水を採取し、遠隔でAIを使用して分析しました。分析の結果、悪玉プランクトンが発生していることを検出し、地元の関係者に通知して速やかに対策を取れるようにしました。
また、スマートフォンやパソコンから自動で給餌できるシステムも開発されています。魚の食欲は水温、塩分濃度、気象状況などによって変化するため、食べ残しや不足が発生しますが、環境要素などによる魚の食欲をデータ分析するAIを利用した装置の開発で、適切な給餌が可能になりました。
林業
林業でも、ドローンやAIを活用した新技術の研究が進められています。ドローンによる上空からの画像と地面からの情報を基に、苗木の位置をAIの機械学習で判定させました。 危険が伴う山の調査を、人間ではなく、ドローンやAIが担うことで、現場作業の負担軽減が期待されています。
製造業
製造業もすでにAIが導入されている分野です。主に食品メーカーや、機器メーカーなどで、不良品を見分けるための画像処理とロボットアームを連動して自動で取り除く処理を行うことが可能になっています。また、24時間稼働して検品作業を行えます。
小売業
大手すしチェーン店では、各店舗から集まる売り上げ状況の数億件に及ぶデータを収集、分析しAIに活用しています。全国にあるチェーン店から収集するビッグデータを活用し、廃棄率の改善や、マーケティング、商品の開発に役立てています。
まとめ
AIは、身近なところを見るだけでも、さまざまな産業に浸透してきています。今後さらに活用されて生活を豊かに、便利にしてくれることが期待されます。
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