AI導入を成功させるポイントとは

最終更新日:2021年02月06日

AI導入についての国の見解

平成30年、総務省は30年度版の情報通信白書において、今後のAI・IoT導入状況と予定を発表しています。それによると、2020年度以降は、日本は他国に比べて導入が遅れ、その差が開くと懸念しています。

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響が新たなニーズを生み出し、大きな変化を迎えています。今後、5Gの普及を考えると、デジタル化が進みAI導入はさらに加速していくことが期待されています。

最新の白書(2020年の情報通信白書)では、AI技術が、今までの第1次、第2次のAIブームのように、ひと時の盛り上がりではなく、技術として定着し、発展していくことを想定した内容が盛り込まれています。

※1 平成30年 情報通信白書 第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長

※2 令和2年 情報通信白書のポイント

企業のAI導入が進まない理由

IPA(情報処理推進機構)が2019年度に実施した「企業におけるAI利用動向アンケート調査」(AI白書2020掲載、以下「本調査」)によると、AIの自社導入に関して、「すでに導入している」が4.2%、「現在実証実験を行っている」が4.8%と、2019年の時点で導入している企業、実証実験を行っている企業を合わせても、AI導入が10%も達成していないことが分かります。

ここでは、日本の企業において、AI導入が進まない理由について説明していきます。

AIに対する理解不足

そもそも、AIが何で必要なのか、どのように活用すれば良いのかが理解されていないことが大きな理由の一つでしょう。また、AIで実現できること・できないことを理解していなければいけません。AIが得意なこと、人間がやったほうが効率の良いことはそれぞれ違います。また、AIは導入後に学習を繰り返しながら徐々に精度が上がります。そのためAIが学習を前提としている点を理解していなければいけません。新卒の社員がすぐに即戦力にならないよう、AIも学習していく必要があるのです。なんでもすぐに活用して、最高のパフォーマンスを上げると期待しすぎることはやめましょう。

AI活用後のリスク

実際に導入し活用後のリスクヘッジができないため、企業で導入を躊躇する場合があります。今まで使ったことがないツールであるAIを実際に現場にいる人間がどのように使いこなせば良いのか不安があるため、活用を拒否する場合も考えられます。導入したはいいものの、実際に使いこなせないという可能性もあるでしょう。

対費用効果

AI開発、導入には確かに高額の費用が発生する場合も多くあります。しかし、自社でAIを導入して何をどの程度のレベルで達成したいかということを明確にせずには、費用ばかり掛かって、効果が得られない可能性があります。そこに不安を感じる企業も多いのです。

人材不足

AIの知識がある人材が不足しているため、導入する企業が少ないという可能性もあります。

IPA(情報処理推進機構)によると、従業員数が1,001人以上の企業では、50%弱の企業で「AI人材はいる」と回答しています。しかし、従業員数が少なくなるにつれて、AI人材がいる率は低下し、100人以下の企業では、「AI人材はいない」「獲得・確保の予定はない」「未検討」の割合が60~70%を占めています

エッジAI(端末でのAI技術)の活用で、人材不足を解消できる中小企業こそAI導入のメリットがあるので、問題点を意識した上でAI導入を検討していくことができれば、AI導入が企業の発展に大きく寄与することでしょう。

※参考 IPA 「IT人材白書2020」概要

なぜ、AI技術者が育ちにくいのか

上記のIPA 「IT人材白書2020」概要は、2019年の調査によるものです。この調査では、2018年から2019年までの1年で、1001人以上の企業においてIT人材の不足感が10.2ポイントも高まっています。AI導入においてもこれだけニーズが高まっているにもかかわらず、人材が増えていかないのがなぜかについて、説明していきます。

データがないと習熟が難しい

エンジニアという肩書きがあっても、AI導入のスキルがあるとは限りません。しかし人材が不足している会社では、WEBエンジニアなど別のスキルを持つエンジニアをAI導入のエンジニアとして登用する場合も多くあります。

WEBエンジニアのように、独学の結果が分かりやすいプログラム言語と異なり、AI導入では、機械学習のための莫大なデータが必要です。そのため、データがないと独学で学んでも、そのプログラムが実際にどのような動きをするのか、など、実体験としてビッグデータを扱ってみないと分からない部分の習熟が難しいため、実践前に習熟するのが難しいのです。

他のエンジニアと求められる質が違う

そもそも、AIの機械学習は子供に物事を教えるようなところがあります。特に言語系は、別記事でヘレン・ケラー女史とサリバン先生に例えたように、言葉が理解できない子供に、根気よく言葉の意味を教えるような大変さがあります。

しかし、他のエンジニアはシステム構築に長けても言語系(普通に人間が話している自然言語)について理解している人が少ないため、習熟するのが難しいようです。言語系のAI導入は、理系より文系の素養がある人材の方が向いているのかもしれません。

AI導入成功に必要な3つのポイント

AIで実現できること・できないことを理解していなければ、どの業務にAIを活用するか、業務プロセスの中で人間とAIがどう役割分担するかを設計できず、既存業務プロセスの延長線上での改善に留まってしまいます。

また、AIは導入後に学習を繰り返しながら徐々に高度化されていきます。すなわち、AIが学習を前提としている点を理解していなければ、AI導入の効果や活用可否の判断を誤る可能性があります。では少し視点を変えて、どうしたらAI導入が成功できるのか、ポイントを3つ紹介します。

AIに過度な期待をしない

AI技術は、現段階で「汎用的人工知能」の開発に至っていません。しかしAIの知識がない上層部が、AIを導入すれば何かが大きく変わるという期待感で、何にどう使って、どのような成果を上げたいのか精査せずに導入しようとしてしまう場合があります。そのために、AI導入は、事前に「何のために」「どの部分をAI導入するか」をはっきりさせる必要があります。また、試行錯誤を繰り返して精度を上げていくため、最初は小さく始めることも大切です。

AIが得意なことと不得手なことを理解する

AIは、人間と得手不得手が異なります。精度を上げたAIが作業効率を上げられるところと、人間のほうがはるかに作業効率を上げられるところがあるので、それを見誤ったら導入後に損失が出る可能性があるのです。そのため、改善したいところを見極め、今行なっている業務フローをしっかり分析し、どこをAIに任せたら効率化が図れるのか見極める必要があります。

### AI導入は企画段階で精査する

導入企画を立てる段階で、すでにAI導入の成果が出るか否かが決まります。まずAI導入を目的にしないことが大切です。人材を投入する時と同様、AIをどう使って、どう生かすかをしっかり考えてから導入することが大切です。また、100%の精度を期待するのではなく、どの程度の精度だとコストに見合うのかを考えて導入しましょう。

AIのメンテナンスを考慮する

AIは導入して終わりではありません。精度を上げるため、またさらにニーズに応えるためメンテナンスやシステムの改善は必須です。その予測なしに導入をすることがないよう注意しましょう。

まとめ

AIの導入を考える時、特別な機械や仕組みを組み込むと考えるよりも、普通の人間以上に得手・不得手がはっきり分かれている人材を導入するような考え方で臨むと良いでしょう。

それは、苦手なことはできないこともあるし、覚えるのに時間も掛かるし、お金も掛かるし、普通の人間よりも初めは間違いが多いけれど、理解できるようになるとすごいパワーを発揮する“人材”です。

このような意識でいた方がAI導入は成功するかもしれません。




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