ドローンの意味と定義

最終更新日:2021年02月05日

ドローンは英語で「drone」と書き、「(無線操縦の)無人機」あるいは「オス蜂」といった意味があります。プロペラが回転する音が蜂の羽音のようだったからこのように呼ばれるようになったとも言われています。

ドローンの正式名称は?

一般的にドローン(Drone)で通じますが、これは通称です。日本では「無人航空機」、国際的には英語で「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」、国際民間航空機関ICAO(International Civil Aviation Organization,)では「RPAS(remote piloted aircraft systems)」、アメリカの連邦航空局では「UAS(Unmanned Aircraft Systems)」と呼ばれています。

ドローンとラジコンの共通点と相違点

ドローンとラジコンでは何が違うのか、何となく分かるようで分からない人も多いかと思います。ここではドローンとラジコンの共通点と違いを説明します。

ドローンとラジコンの共通点

ドローンもラジコンも「プロポ(デジタル プロポーショナル システムの略)」と言われるコントローラーを使って操作します。航空法第二条22※の「航空局のガイドラインの無人航空機の定義」によると、『「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。』(文章まま)※と、定義されていて、ドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。

つまり、ドローンもラジコン機も同じ「無人航空機」の仲間だということになります。

※国土交通省 航空法 第一章 総則 (定義) 第二条 22
※国土交通省 無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン 国土交通省 航空局

ドローンとラジコンの相違点

では、ドローンとラジコン、両者の違いはなんでしょうか。 まず、ラジコンは商標登録をされた名前です(増田屋コーポレーションの登録商標)。とはいうものの、ラジオコントローラーの略として一般的にこの呼び方で認識されているため、無線で操作して飛ぶものをラジコンヘリコプター(ラジコンヘリ)と呼んでいます。

ドローンは一般名(俗称)で、商標登録されていません。通常、日本語の「無人飛行機」のことを指します。無線での操作も行いますが、ドローンは事前に計画したルートを設定すれば自動飛行が可能です。

ドローンにはフライトコントローラーが搭載されていますが、ラジコンには搭載されていません。このフライトコントローラーはドローンにとって最重要のパーツで、ドローンの「脳」とも言える部分です。この中に、マイクロコンピューターとIMU(慣性計測装置。後に説明)が搭載され、各種センサーの情報を基に安定飛行を保つようになっています。

ラジコンとドローンの一番の相違点は、「ドローンにはコンピューターが入っていること」になるでしょう。

ドローンの歴史

ではドローンはどのように誕生したのでしょうか。 元々ドローンは第2次世界大戦の最中に軍事用として誕生しました。軍事機密のため開発者の名前は明かされていません。その後、民間利用され、ホビー用、産業用などさまざまな用途でドローンが普及しました。

1987年、日本のメーカーが産業用の無人ヘリコプターを発売し、農薬散布用として普及していきました。一般にドローンという名前が知られて普及してきたのは、2010年にフランスのメーカーから発売された、スマートフォンで操作できる小型のドローンからだと言われています。これが「Parrot AIR Drone」という名前だったため、ドローン(Drone)という名称が世界で広がって定着したという説もあります。

現在は、産業用、ホビー用などさまざまな場面でドローンが使われており、さらに開発が進み、あらゆる分野で有効活用されることが期待されています。

ドローンの機体の形状の種類

ドローンはプロペラの数などで名前が違ってきます。ここでは機体の形状と呼び方について説明していきます。

シングルローター

プロペラが一枚のドローンは、シングルローターと呼ばれます。シングルローターは浮き上がるための揚力を生み出すプロペラ(回転翼)が1枚という意味です。 プロペラが1枚で、機体は軽く構造的にもシンプルなため、価格が安く抑えられ、効率的な飛行が可能です。シングルローターはヘリコプターのような形状をしているものが多くみられます。ちなみに、ヘリコプターは「ヘリコ・プター」と区切るのが正しいそうです。

マルチコプター

複数の回転翼を持つタイプのドローンです。ローター(プロペラ)の数によって呼称が変わります。プロペラが3枚ならトライコプター、4枚ならクワッドコプター、6枚ならヘキサコプター、8枚ならオクトコプターと呼ばれます。プロペラの数が多いほど上昇する揚力と進むための推進力が増します。重いものを搭載するなら、プロペラが多い方が安定します。また、万が一、1つのローターやプロペラが故障してもプロペラの枚数が多ければ飛び続けることができます。多いものでは18枚ものプロペラが付いているドローンもあるようです。プロペラが多く、重いものを搭載できるドローンは、農薬散布や映像カメラなどに使われています。

VTOL型(垂直離陸型)

  Amazonの物流に採用されて話題になっているのが、VTOL型(垂直離陸型)のドローンです。形状はいろいろありますが、全く滑走なしに浮かび上がるのが特徴です。飛行機のような固定翼が付いている形状のものは、水平飛行時にエネルギーを使わず飛べるため、長距離飛行が可能になりました。

ドローンのジャンル

ドローンはいくつかのジャンルに分けられています。ジャンル別にそれぞれの特徴などについて説明します。

トイドローン・ホビードローン

個人が楽しむために使うドローンです。特に、トイドローンは「おもちゃ」感覚で使えるドローンです。手のひらサイズで、ドローン入門編として初めて使う人が手に取りやすいドローンです。カメラ機能が付いているものもありますが、高機能のカメラではありません。小型でバッテリーも小さいため、すぐにバッテリーが切れます。値段が安く室内でも遊べるので、家族で一緒に楽しめます。

ホビードローンは趣味としてドローンを使う人用のドローンを指します。トイドローンより高価格、高機能で、値段もさまざまです。

商業用・産業用ドローン

商業用、産業用のドローンはさまざまな用途に使われています。本格的な空撮のための機能を備えたものや、農薬散布のためのドローン、水中撮影用のドローンなど、さまざまな用途に使われています。危険な場所、人が立ち入れない場所にも使えて機能も多いため、高価です。

レース用ドローン

近年盛んになってきたドローンレースのためのドローンです。FPV※が必須のため、「アマチュア無線4級」の資格が必要です。

※FPVは「First Person View」の略で、日本語で「一人称視点」のことです。カメラが搭載されているドローンは、リアルタイムで映像を見ることができるため、まるでドローンに乗って操縦しているかのような感覚になれるのです。そのようなFPV機能が搭載されているドローンは「FPVドローン」とも呼ばれます。

この操作は目視外となり、現行で200g以上のドローンでは目視外飛行が禁止されているため注意が必要です。現在は199g以下の「模型航空機」とされているドローンを航空法以外の規制に触れない範囲で飛行することは可能とされています。

また、2020年の法改正で、100g以上のドローンが「無人航空機」の範囲に該当するため、施行後の重量には十分注意する必要があります。

ドローンの重要なパーツ、フライトコントローラーとは

ドローンにとって要のパーツは、フライトコントローラーです。フライトコントローラーとは、ドローンの姿勢制御を行う基盤のことで、主にマイコン(マイクロコンピュータ)とIMU(後に説明)などで構成されています。

ドローンに使われるセンサー

ドローンにはフライトコントローラー内にさまざまな高性能のセンサーが搭載されているため、安定して飛行することができます。どのようなセンサーがドローンには搭載されているのか、ここで説明していきます。

IMU

IMUとは「IMU(Inertial Measurement Unit)」の略で、日本語では「慣性計測装置」と訳されます。この中にドローンを安定飛行させるセンサーが入っています。

ジャイロセンサーと加速度センサー

ジャイロセンサーは傾きを、加速度センサーは加速度を測定します。この2つのセンサーがドローンを平行にし、安定した姿勢を保持するために重要です。

気圧センサーと超音波センサー

高度で気圧が変わるため、気圧センサーは高度を維持するために使われます。しかし、気圧を測るものなので、高度以外で気圧の変化が起きると機能しない場合があります。超音波センサーは、超音波を利用してドローンの高度を制御する際に利用されます。

超音波センサーは高度が高くなると使えませんので、高度が高い場所には気圧センサー、地上付近では超音波センサーが高度制御に使われます。

磁気方位センサー

磁気によってドローンがどの方角(東西南北)を向いているかを検出します。いわゆる「コンパス」です。

GPS

GPSはカーナビやスマートフォンに搭載されている位置情報サービスでも使用されているアメリカの衛生システムです。GPSがドローンの位置情報を計測します。

ドローンの未来

現在、 全自動運転で人が乗れるドローン「パッセンジャードローン」が開発中です。実用化されるまでには法整備などに時間が掛かる可能性はありますが、「空飛ぶ車」として普及していくことが考えられます。近い将来、空を見上げれば人が乗って飛行するドローンが見られるようになるかもしれません。