新しいライフスタイルを作るIoTを活用した住宅
最終更新日:2021年01月01日
スマートハウス、スマートホーム、IoT住宅の違いと特徴
近年、快適な住環境を整えるために、IoTを導入した住宅が増えつつあります。IoTを導入した住宅には、スマートハウス、スマートホーム、IoT住宅などがあります。それぞれ何が違うのか、どんな特徴があるのかについて説明していきます。3つの言葉が同義語として語られており、明確に定義されていない部分もありますが、どの住宅もIoTが活用され、暮らしに役立っていることは間違いありません。
スマートハウスとHEMS
スマートハウスとは、IoTを活用し、主に省エネ・節約・エコロジーを目的とした住宅のことです。スマートハウスに欠かせない「HEMS ヘムス(Home Energy Management Systemの略)」は電気の「見える化」をして、家庭で使用する電力などのエネルギーを管理し、上手に使うためのシステムです。 太陽光発電、家庭用蓄電池などを使い、省電力だけではなく蓄電池の活用で災害時の停電でも、電力供給が可能になるなど災害の多い日本で注目されている住宅です。
スマートホーム
スマートホームとは、IoTを活用した家電などの「モノ」をスマートフォンや、スマートスピーカーを経由してインターネットにつないで使える家のことを指します。スマートホームで使う家電は IoT家電、スマート家電などと呼ばれています。スマートハウスは省エネや出費を抑えるなどを目指していますが、スマートホームは便利で快適な生活をするために、IoTが使える環境を整えスマート家電とインターネット環境を整えた家を指します。
IoT住宅
IoT住宅は、上記2つのIoTを使った住宅の総称として使われます。しかし、違う意味でIoT住宅と呼ばれることがあります。その場合のIoT住宅は、IoTとAIを駆使し、快適に住めるように設計されて建てられた住宅そのものを指しています。
家のシステムを一括管理するためのスマートリモコンなどを使用し、快適な家づくりを行うよう、設計段階からIoTを家全体で活用できるように考えられ、さらにAIを活用して、データを収集して分析し、自分だけの快適さを追求した住宅です。
つまり、スマートハウスは、省エネやエコの観点から考えられた家、スマートホームは、スマート家電などが使える環境を後から整えた家、IoT住宅は、IoTとAIを駆使して快適に住めるように最初から設計した家と言えるでしょう。
IoT住宅のメリット・デメリット
IoT住宅はまだまだ発展途上の技術で、今後も進化してく分野です。開発が進むにつれ、メリットやデメリットが明確になってきています。
メリット
何よりIoT活用で利便性が格段に高まります。AIが日々学習し、より自分にカスタマイズされた快適な環境の家に住むことができるようになります。
デメリットと対応策
IoT住宅のデメリットは、インターネットに接続されていることで起きる、サイバー攻撃に対してのセキュリティーに不安があるということです。新しい技術のため、使いこなせず有効に活用できない場合も考えられます。
IoT住宅の設備や機能
ここでは、総合的な意味でのIoT住宅に注目し、IoT住宅の設備や機能について、もう少し詳しく説明していきます。
スマートロック
センサー付きの鍵の開閉媒体を取り付け、スマートフォンと連動させて、手で鍵を回したり、ドアを開けたりする事なく開閉できる鍵のことです。鍵のかけ忘れを防止し、両手がふさがっていても鍵を開けることができる便利な機能です。
ネットワーク防犯カメラ
ネットワーク防犯カメラは、スマートフォンやPCがあれば、インターネット回線を通じて外にいても自宅の状況を確認できる防犯カメラです。防犯として監視するだけではなく、自宅のペットの様子なども見ることができ、外出時の不安が軽減されます。
スマートスピーカー
スマートスピーカーは、IoTを大いに活用している家電の一つです。AIの学習機能を持ち、会話によって自分の好みにカスタマイズされた情報をスマートスピーカーが提供してくれます。また、スピーカーにマイクで話しかけるだけで指示したことを実行します。スマートリモコンと連動させることで、従来の家電をスマート家電のように利用することも可能になります。
スマートリモコン
スマートリモコンとは、もともとセンサーが付いていない従来の家電をスマート家電にできるリモコンのことです。今まで家電ごとに使い分ける必要があったリモコンが、スマートリモコンで一括管理が可能になります。また、家にいなくてもオンオフの操作、エアコンの温度設定変更・照明器具の照度の上げ下げなどができます。
スマートリモコンを使用した場合、スマートフォンやスマートスピーカーから指示を出せば、Wi-FiやBluetoothでインターネット接続したスマートリモコンが指示を受けとり、赤外線通信を行い、家電を操作します。スマートリモコンは、赤外線通信で操作していたリモコンが使える家電であれば、テレビ、照明、エアコンなどがそのままスマート家電のように使える便利なIoT機器なのです。
ただし、家電自体に赤外線通信機能がない場合はスマートリモコンを使用することができないため注意が必要です。とはいえ、リモコンが使える家電は赤外線通信を行っていますから、今までリモコンで操作していた家電であればほぼそのまま使用できます。
IoTとAI住宅
IoT住宅の特徴である、「IoTとAIを駆使した住宅」が特に注目されているポイントは、AIの学習機能と連動させることで全く新しい価値が生まれ利便性が高まるところです。
IoT住宅の中でも特にAIを駆使した住宅は、AI住宅と呼ばれています。「人は家の中で電気をつけたり、戸締まりをしたりといった約90種類の行動をする。そのうち80種類をAIが代替できる。※」と、スタンフォード大学の人工知能博士であり、BoT社のCEOでもあるアシュトシュ・サクセナ氏は語っています。家で行う多くの行動を人間が行わずに済むのであれば生活時間に余裕が持てるので、一戸建て、あるいは集合住宅を建てる際にIoTとAIを活用することで新しい文化的創造の時間が作れることになります。
※引用 日経トレンド https://xtrend.nikkei.com/atcl/trn/pickup/15/1003590/101701382/
快適な住環境を保つAI住宅
AI住宅は、住む人間の生活パターンを分析・学習し、快適な住環境を提供します。人が操作する必要がなく家自体が自分の好みを把握してくれるのです。いつも快適な温度や湿度を保ち自分の好みに合わせてカーテンやブラインドを調節す・照明の明るさや色を変えるなど、学習機能を活用した快適な住まい作りが可能になってきているのです。
AI住宅はスマート家電と連動し、人が起きる脳波や体温を察知して、自分の好みに合わせたコーヒーを淹れる、気分良く目覚める音楽を良いタイミングでかける、体調に合わせてシャワーの温度調節をするなど、「人が気持ちよく住めるよう考えて変化する住まい」として進化していくのかもしれません。
AI住宅は防犯に役立つ
防犯カメラが撮影した顔認証画像AIが記憶し、不審者を割り出して家族に知らせます。留守番中のペットの見守りもしてくれ、安心して外出することができます。
危険を察知する
例えば、雨漏りや、鍵をかけ忘れているなど、家に起きている危険を予測して知らせ、災害を防ぎます。
IoT・AI住宅の設備・サービスの需要が伸びている
近年、大手のハウスメーカーや住宅機器メーカーが、IoTを活用し快適に安全に暮らせる住まいや住宅機器の提案をしています。特に高齢化社会を迎える日本では、健康、快適さ、安全性に配慮したAI住宅の設備は欠かせないものになると予想できます。転倒を察知して事前に防ぐ、徘徊防止に施錠システムを利用するなど、高齢者の安全を守る取り組みとしても多いに期待されているのです。
これからさらに新しい技術やシステムが開発され、快適な住まい作りに貢献できるIoTは、「家」の概念を塗り替えていことでしょう。
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