テレワーク導入前に知るべきメリット・デメリットとは

最終更新日:2020年12月20日

オフィスや店舗に出勤せずに自宅やカフェなどからICTを使って仕事をするテレワークが普及しています。テレワークは生産性の向上や働き方改革に有効とされており、国も推進しています。

しかし、テレワークはメリットだけでなくデメリットもあります。テレワーク導入前にメリット、デメリットを理解し、自社に合わせた運用を検討し、実施することが生産性向上につながります。ここでは、社員側と企業側それぞれの視点からテレワークのメリットとデメリットを説明します。

企業のテレワークのメリット

生産性の向上

テレワークの導入をすると、以下のようなメリットがあります。

紙資料や稟議書の決済がデジタル化されることで、業務効率が改善し生産性の向上につながります。

会議方法が見直され、会議数や会議時間が減ったことも業務効率の改善、生産性の向上につながります。

社員がタイムマネジメントを意識して時間の使い方を改善します。限られた時間の中でいかに効率よく成果物を作成するかを意識することで、生産性の向上につながります。

コスト削減

社員の交通費や、オフィスにかかる光熱費、維持費の削減ができます。社内の設備も削減することができるため、毎月の運用コストが削減できます。企業によっては、オフィスを縮小し、固定費を下げるなどコスト削減に取り組んでいます。

社員の交通費削減の代わりに、テレワーク勤務手当やPCのレンタル代、通信費の補助などのコストが発生します。

生産性向上に合わせて、社内のペーパーレス化を進めることで、印刷コストが大幅に作成できます。

事業継続性の確保

予期せぬ災害が発生した場合でも、企業は事業を継続できるようにすることが事業継続計画性の確保(BCP対策)です。緊急時だけでなく、日頃から在宅勤務やモバイルワークなど、テレワークで仕事に慣れることも必要です。テレワークは災害発生時でも素早く事業を再開あるいは継続することができます。

人材確保や雇用継続につながる

テレワークは出産・育児・介護で離職しなければならない人材も継続して業務ができるようになります。優秀な社員の離職は企業にとって大きな損失です。育児や介護による離職率を下げるためにもテレワークを推進しましょう。

テレワークは将来の少子高齢化に対しての新しい働き方となります。テレワークを導入すると、勤務者はどこでも仕事ができるため、全国から求人を募集することが可能になります。また、地方にサテライトオフィスを設置することで、地方創成にもつながり、人材確保や新規雇用の面で大きなメリットになります。

社員のメリット

作業に集中できる

社内業務では急な電話対応や来客による作業中断が発生し、作業に集中できません。テレワークでは電話対応や来客がなく、作業に集中できる環境が自分で作れるため、生産性向上につながります。

ストレスの軽減

通勤の際に満員の公共交通機関の利用や交通渋滞による通勤のストレスがなくなります。また、公共交通機関を利用することで、新型異なウイルスの感染リスクもストレスになります。テレワークによる在宅勤務は、通勤ストレスの軽減だけでなく、企業のリスク対策にもなります。

コミュニケーションによるストレスを抱える人もいます。社員同士のコミュニケーションがつらい、無駄話に付き合わされるなど人間関係でストレスを抱える人もいます。テレワークによりコミュニケーションが少なくなる分、ストレス軽減につながります。

ワークライフバランスの向上

テレワークで通勤時間がなくなると、空いた時間を家族と過ごすことができます。また趣味や自己啓発の時間に使うことできます。その他、資格取得の勉強時間にあてるなど、自身のスキルアップだけでなく、会社への貢献度もアップします。

出産や育児で休職、離職しなければならない方もテレワークによる在宅勤務で働くことができます。フレックスや成果物作成による社員の働き方に柔軟に対応する就業規則があれば、離職率の低下を防ぐだけでなく、企業の価値向上につながります。

テレワークは、ワークライフバランスを整えることで心身ともに健康な状態を維持できるため、メンタルヘルスケアにもつながります。

企業側のデメリット

社員の勤怠管理

テレワークは社員の勤務状況の把握が難しくなります。同じ社内にいれば、上司は部下の様子を確認することができましたが、テレワークでは部下の様子を確認することができません。勤務状況や作業内容の確認、人事評価が難しくなることがデメリットです。

出勤・退勤を管理する勤怠管理システムではなく、業務管理もできるシステムもあります。 業務管理ツールは、オフィスソフトやWebブラウザ、メール、チャットなどのアプリケーションの利用状況を見える化できます。業務管理ツールで企業は勤務状況を確認することができます。

勤務状況の把握は人事評価にもつながります。テレワークでの勤務管理、人事評価の方法を事前に検討する必要があります。

社員のメンタルケア

上司は部下や社員の顔や様子を見ることができず、モチベーションやメンタルヘルスの低下など、社員の異常に気付きにくいのがデメリットになります。テレワークを行う社員のケアの方法を検討しておくべきでしょう。

会議や打ち合わせ

社内では、すぐに行うことができた会議や打ち合わせですが、テレワークの際は、行うために手間がかかります。会議や打ち合わせをするために、社員へ会議、打ち合わせの開催をメールやチャットで連絡します。ビデオ会議・オンライン会議ツールをセッティングして開催するため、時間と手間がかかります。

頻繁に会議や打ち合わせが必要な業務やチームでは、テレワークは大きなデメリットになります。

プロジェクトやタスクの管理

チームや組織など複数の社員で行っているプロジェクトでは、テレワークで各自違う場所で作業を行うと統制が取れにくくなります。これまでプロジェクト管理をアナログで行っていた企業では、テレワークでのプロジェクト進行は困難です。

スケジュール管理やタスク管理、クラウドサービスのプロジェクト管理ツールなどを導入し、テレワークをする社員との連携を図りましょう。

テレワークはチーム力の低下につながる可能性があります。プロジェクトリーダーのマネジメントだけでなく、ICTツール活用によるコミュニケーションが必要になります。

情報漏洩のリスクが高まる

テレワークでの懸念事項が情報漏洩のリスクです。テレワークはPCの持ち出しや社外での使用に対してのセキュリティ管理が必要になります。テレワークを行う社員だけでなく、システム管理者や経営者もセキュリティ対策の実施が必要になります。

テレワークを行う場合、セキュリティ対策は必須です。安易なテレワーク実施はセキュリティ対策が出来ず、重大な事故や損害を発生させます。テレワーク導入前には、セキュリティについての研修やルールの策定を行いましょう。

社員側のデメリット

コミュニケーション不足

テレワークは仕事の依頼や相談、問い合わせもすべて、電話やメール、チャットなど非対面で行うため、簡単なコミュニケーションで話が通じていたものが伝わりにくくなります。

社員によっては、文章を書くことが苦手で時間がかかるなど、コミュニケーションをとるために作業効率が悪くなる可能性もあります。

テレワークでのコミュニケーションは、生産性の低下だけでなく、社員のメンタルヘルスにも影響があります。テレワークを行う前に、コミュニケーション方法について十分に検討する必要があります。

時間の管理が難しい

会社ではなく自宅に一人で作業をしていると、さぼりがちになる可能性があります。テレワークには社員のタイムマネジメントが求められます。テレワーク導入前にタイムマネジメントの研修を行いましょう。

セキュリティ対策への対応

テレワークを行う社員自身がセキュリティ対策を厳重に行わなければいけません。社内での勤務に比べ、セキュリティ対策への負担はかなり大きくなります。社員に負担をかけないように、システム担当者でのセキュリティ対策の実施や運用ルール作成を行いましょう。

テレワークを始める前に専門家へ相談

テレワークにはさまざまなメリット・デメリットがあり、導入前にデメリット部分を確認し、対策を検討することが必要です。これからテレワークを導入検討している企業は、メリット・デメリットの点も併せて専門家へ相談することをおすすめします。