企業が取り組むべきSociety5.0とSDGsとは
最終更新日:2020年11月17日
Society5.0はSDGsと関連して語られることの多いキーワードです。 SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、2015年に国連サミットで採択された国際的な開発目標です。2030年までに17の目標と169のターゲットを達成し、持続可能でよりよい世界の達成を目指すキーワードのことです。
Society5.0では、このSDGsの開発目標を受けて掲げられた国内向けの目標になります。
これまで社会変革の中で発生してきた貧困や環境、ジェンダーなどのさまざまな社会課題を解決していこうという動きが世界的にひろがっています。このような世界的な潮流を受けて、それぞれの企業ではどのように活動に取り組んでいけばいいのでしょうか。
Society 5.0への企業の向き合い方について考えていきましょう。
Society 5.0とSDGsとの関わりは?
Society 5.0とSDGsはどのように関わってくるのでしょうか。
SDGsが掲げる17の目標があり、それに関する169のターゲットには、貧困/飢餓/保健/教育/ジェンダー/水・衛生/エネルギー/経済成長と雇用/インフラ・産業・イノベーション/不平等/持続可能な都市/持続可能な消費と生産/気候変動/海洋資源/陸上資源/良い統治/グローバル パートナーシップについての開発目標が立てられており、世界共通の目標は「誰一人取り残さない」社会の実現です。
対してSociety 5.0が目指す取り組みは、第5期科学技術基本計画の中で以下のように記されています。
「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」
引用元:内閣府 第5期科学技術基本計画 https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/5honbun.pdf国際目標としてSDGsが掲げる17の目標と169のターゲットには共通する部分も多いです。これらを日本ならではの解決方法を提示して明文化した開発目標がSociety 5.0になります。
なぜ、Society 5.0に取り組むのか
なぜ、今、企業はSociety 5.0への達成に向けて取り組まなければならないのでしょうか。
Society 5.0で目指す社会は、ICTやAI、ビッグデータを今よりもさらに高度化させて活用していくことで新しい価値を創出し、持続可能性を持った社会の実現です。
そのためには、現在エネルギー、製造、交通、医療などの複数の分野でそれぞれにサービス提供をしている団体や企業が、その垣根を越えて深く連携を強めていくことで、すべての人に豊かで最適化された生活が送れるように社会を構築していかなければなりません。
それと同時にさまざまな社会課題の解決も求められます。特に少子高齢化によって引き起こされる医療の逼迫や労働人口の減少による国力の停滞、他にもインフラの老朽化など、直近で積まれている社会課題は少なくありません。
Society5.0では、さまざまな分野の事業領域においてのサスティナブル(持続可能)な活動に取り組むことで、結果的に社会課題の解消につながることが期待されています。
SDGsの達成に向けたSociety5.0での解決方法・事例
SDGsが掲げる目標を国内の課題に落とし込んだSociety5.0では、それぞれの分野に関係する団体や企業が具体的な達成方法を検討しています。どのように達成していくのかをみていきましょう。
食料の安定的な確保
AIやICT、ロボット技術を活用して低コストで大規模生産が可能な農業のスマート化を進めます。また、新しい育種技術によって高品質で多くの収穫ができる農林水産物の開発、畑の状態をモニタリングして分析、収益性が高い新たなビジネスモデルの構築、食品の長期保存を可能にするスマート冷蔵庫を開発していきます。
世界最先端の医療技術の実現による健康長寿社会の形成
難病克服に向けた研究開発、医療連携や医学研究データの電子化・標準化による診療情報の収集や地域医療情報連携などを活用したオンライン診療サービス、遠隔操作ができるロボットによる手術、一人暮らしの高齢者の見守りシステムなどの技術開発、医療・介護の質の向上や民間ヘルスケアビジネスで利用できる環境整備を目指します。
エネルギーの安定的な確保とエネルギー利用の効率化
省エネルギー技術の研究開発や再生可能エネルギーの高効率化・低コスト化、水素や蓄エネルギーによるエネルギー利用の安定化技術などの研究開発を進めます。化石燃料の高効率利用、安全性・核セキュリティ・廃炉技術の高度化等の原子力の利用に資する研究開発を推進。さらに、将来に向けた重要な技術である核融合等の革新的技術、核燃料サイクル技術の確立に向けた研究開発にも取り組みます。
効率的・効果的なインフラの長寿命化への対策
限られた財源と人材の中でロボットやセンサーによる補修・整備を行っていきます。これらは地域ごとのニーズにも応えられるように地域特性を考慮したシステムを研究開発し、技術とコストのバランスを保って地方自治体に稼働可能なシステムを提供していきます。
持続可能な都市及び地域のための社会基盤の実現
ICTなどを駆使したコンパクトで機能的なまちづくり、交通状況に応じた自動運転など安全で効率的な高度道路交通システム、予防介護などの自立支援プログラム、健康長寿を地域全体で支えるICTを活用した地域包括ライフケアシステム、あらゆる世代の人が、住み慣れた地域に快適で活動的な日常生活をおくれる社会を実現するためのスマートシティを実現します。
ものづくり・コトづくりの競争力向上
中小企業の活力向上や素材産業の競争力強化、サプライチェーン全体のネットワーク化を進め、製品企画から設計、生産、物流、販売、保守にいたるまでの様々なデータをビッグデータやAIで解析・活用し、満足度の高い製品やサービスを提供できる新しいものづくり・コトづくりを推進していきます。
熟練技術者の匠の技の活用、ロボット・工作機械の知能化、計算科学・データ科学による機能性材料、構造などを開発していきます。
生物多様性への対応
豊かな生物多様性と健全な生態を保つため、絶滅危惧種を保護する技術や外来種防除に関する技術、二次的自然を含む生態系のモニタリングや維持・回復技術の研究開発を推進して生物多様性の保全を進めます。
他にもさまざまな分野においてSociety5.0の実現に向けた動きが検討されていますが、重要なのは、各分野が独立して変革を進めるのではなく、社会生活を営むすべての人々が生活の中で利用する多くのサービスをワンストップで利用できるように分野を横断して強固な連携を深めていくことです。
それによって生み出される新しい価値が、人々を豊かにし、持続可能な社会を構築していくのだとSociety5.0では考えています。
Society5.0へ取り組みが作る幸福な社会
Society5.0は国内向けの目標ですが、国際目標であるSDGsともつながっています。 SDGsはグローバルな目標なので壮大に感じてしまいますが、Society5.0は国内ではどう取り組むべきかの指針を示しています。それを各団体や企業が自社向けに方針を立て、そこに働くすべての人が自社目標に向けて取り組むことになります。
結果的には社会活動に関わるすべての人が「誰一人取り残さない」持続可能な社会を目指すことによって、高齢者やジェンダーや地域などにあらゆる人がやりがいを持って社会に参画できる幸福な社会を実現することができるでしょう。
これからの企業活動はSociety5.0への取り組みが必要不可欠となるでしょう。
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