RPA導入で業務改善・効率化できることとは?

最終更新日:2020年11月02日

働き方改革が推進される昨今、RPA(Robotic Process Automation)の活用が注目されます。

RPAとはロボットによってルーチンワークや単純作業を自動化させるシステムのことで、ホワイトカラーと呼ばれる事務系職種がこれまで行ってきた「PC上の操作」を自動化するツール。

ホワイトカラー業務の負担を大きく削減することが可能で、売り上げの貢献もさることながら、従業員の満足度向上にも繋がるシステムのため、多くの企業から注目を集めています。

ますます期待の高まるRPAを活用した業務において、機能や事例を紹介します。

RPAができること・得意とすることとは

RPAは手順の決まった作業を自動処理するのを得意とします。

  • ・社内間での遠隔操作、社外から社内への遠隔操作
  • ・ネット上の情報収集・分析
  • ・パソコン画面上の複数アプリケーションをまたいだ操作
  • ・データからのリストアップ作成
  • ・メールやブログ、SNSへの自動送信

このように多くの事務作業をRPAは自動化できます。つまりRPAを導入することにより、時間を取られていた入力処理や確認作業を大幅に削減することが可能です。

RPAができないこと・苦手とすること

ホワイトカラーの定型業務に大いに役立つRPAは、「ルールの決まっている作業処理」が得意です。しかし「ルールが決まっていない作業処理」や「都度判断する作業処理」はできません。特に頭脳を使う思考的・クリエイティブな業務や営業、臨機応変な行動が求められる場面では人間のように柔軟に考えて行動することができません。例えばソフトウェアのUI変更があった場合、RPAは従来のプログラムのままに行動するのでエラーなどが発生します。

どの業務に取り入れたら効果的でRPAの真価が発揮されるか、多面的に判断し検討するべきです。

RPA導入のメリット

本来進めるべき業務に付随する事務作業に時間を多く取られ、業務が進まないことがあります。付随する事務作業が一定のルールに沿ったものであれば、RPA導入で自動化することが出来ます。そのため人間は本来の業務に集中して時間をかけることが可能です。RPAの処理により効率化が進むことで生産性の向上に繋がります。

  • ・ホワイトカラーの業務効率化
  • ・ヒューマンエラーの抑制
  • ・コスト削減

RPA導入で、企業の生産性の向上が可能となります。

企業内でよくあるRPA活用の4つ事例

金融機関

金融機関では定型業務が膨大なため、国内企業においてRPAをいち早く導入しました。

税務調査向けの提出書類、稟議資料の作成と転記などをRPAによって自動化を行い、従来よりも提出期間を大幅に削減しています。

食品メーカー

多数の卸会社からの販売報告情報を数日かけて手作業で入力する業務は負担があります。RPA導入で転記の自動化を行い、販売報告が直にシステムへ登録できました。また基幹システムへ製品ごとに購買、物流、在庫情報を入力する作業をRPAで自動処理します。

コールセンター業務

コールセンター業務は受電の際にPC画面の複数アプリケーションを操作します。受電中はメモを取り、通話終了後に複数アプリケーションへ登録します。一連の作業をRPA導入で効率的に処理ができます。

通信業界

お客様からのお問合せにオペレーターが複数システムから情報を確認する必要があります。オペレーターの業務にRPA導入することで作業時間を短縮。オペレーター一人あたりの処理件数が増加。顧客満足度の向上へ繋げました。

定型業務

ルール化がしやすく、PC上で処理が進んで完結する業務など、手順が決まっているものは比較的容易に自動化できます。

経理へ提出書類作成は複数のソフトウェアを経由しています。一連の流れが固定化しているのであれば、書類作成は自動化ができます。経理業務の煩雑な登録・入力処理をRPA化で大幅な負担の削減ができます。

電話対応サポートをRPA化

電話やメール対応業務のサポートもRPAが導入できます。フロント業務であるコールセンターにおいてPC操作は欠かせません。顧客の照会・情報収集、受話終了後の登録やメール送信といった作業はマニュアルに沿ってルール化されたものです。ルール化された作業はRPA化できます。

通話明細の入力や件数統計、他部門への依頼するテレフォンアポインターのソフトウェアは多岐にわたります。複数ソフトの入力処理や集計処理を繰り返す作業をRPAの得意とする分野です。これらの手間がかかる業務をRPA化することによりスムーズな業務が可能になります。

電話応対しながらの画面表示も素早く照会などが行え、保留時間が減少しました。RPA導入で案内がスムーズに、顧客満足度の向上に繋がりました。

データ処理業務

Webサイトの自社製品の評判や他社製品価格のデータ収集や分析業務をRPAで自動化できます。RPAは反復処理を得意とするため、人力では多大な時間を要するWeb検索・情報収集もRPAでスムーズに行えます。Webサイトは情報が日々更新されていくため、人力での取得には限界がありました。Web検索・情報収集をRPAで自動化することで効率的に情報収集できます。

マーケティング部門は、Webの自社評価を収集し販売戦略に活かせます。またブログやSNSの投稿もRPAから自動化できます。

RPA化することで、休日や深夜、営業時間外の手動作業が難しい時間帯でも定型レポートの作成や分析作業が進められます。効率的に集められたデータをもとに従業員はマーケティング戦略の計画など、人間にしかできない業務に集中できます。

資料からのリストアップ作業

データ収集やファイル移行をRPAによって自動化できます。膨大な資料のリストアップ作成もスムーズに行えます。RAPは顧客のリストアップや従業員のリストアップにも役立ちます。

営業リストは見込み客の抽出精度が高く鮮度も良いものでないと、効率の良い営業ができません。便利で効果的な営業活動のためには、最新で必要な情報が含まれているリストが必須です。リスト作成にRPAが活用されています。

企業はRPAを導入しなければ生き残れない

なぜ業務を自動化しなければ生き残れないのか。既存システムでRPAの必要性を感じない経営者もいます。しかし働き方改革が推進されているように、企業を取り巻く意識は大きく変容しています。

IT化で生産性を向上

少子高齢化により労働人口が減少し続ける日本において、IT化は生産性向上の要です。国民の人口数に関わらず、「労働投入量における生産量」から算出する「生産性」の項目で他国と比較をした場合、日本の労働生産性はそれほど高くありません。労働時間をかけているにも関わらず生産量が低い。効率の悪い現状を打破するために、労働環境の見直しが求められています。

労働生産性にも注目して環境の改善を行う上で、企業のIT化は欠かせません。しかし、ネットワークテクノロジーを活かしてビジネスに活用するIT化でも日本は他国にかなり後れを取っています。日本においてIT化が海外ほど浸透していない理由はさまざまな要因が絡み合っています。海外とその数値の差を見るに、企業のIT化によるRPA導入が生産性向上への大きな鍵であることは間違いありません。

旧システム使用によるデジタル負債

旧システムの存在が新システム導入の弊害となり、IT化がうまく進まない問題が発生しています。システムの切り替えが日常業務と同時並行にできず、システムの停止による業務の中断がリスクになるため、新システムへの切り替えが進んでいません。旧システムから新システムへの移行作業が同時並行できるRPAツールを活用することで問題解決できます。

また、個別の部門ごとにシステム導入・更新した結果、システムが煩雑化していき、発展的なIT化が進まないケースがあります。新システム導入ができないままでは、旧システムの保守コストがどんどん膨らみ、負債として経営にのしかかります。

旧システムとアナログ(紙資料)からの脱却が多くの企業で推し進められています。ペーパーレス、ハンコレスのためにも業務プロセスを大きく見直し、効果的にシステムの変革を進める必要性があります。アナログデータをデジタルデータへ移行する業務にもRPA活用が大きく貢献します。

人手不足、感染症のリスク対策

労働人口が減り続ければ、労働力はますます貴重になっています。これからの企業は少ない人的リソースを効率化し、人でなくてもできる業務はできる限りRPAで自動化を進めなければなりません。

感染症対策のリスク回避のためにテレワークが勤務体系の常識となりつつあります。テレワーク実施に障害となる社内専用ソフトやアプリのデータをクラウドサービスへ移行する作業にもRPAが使われています。

人手不足・感染症対策として働き方変革をせざるを得ない現状のもと、アナログ主体の業務から脱却し、IT化やRPAによる自動化は企業にとって早急な課題になります。

企業はRPA導入で業務改善すべきである

RPAで業務のすべてを自動化することはできません。しかし負担となるルーチンワークや単純作業を自動化させることで、社員は労働時間をこれまでよりも有効に活用できます。RPAの特徴やできることを把握し、その性能に適合する業務に利用することで、企業の生産性向上・働き方改革が可能となります。




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