クラウドサービスの種類と特徴について
最終更新日:2020年11月12日
クラウドとは「クラウドコンピューティング」の略で、コンピュータネットワークを経由して提供される仮想空間(サーバー)サービスの形態を指しています。また、「クラウドサービス」とは、ユーザーがサーバー・ネットワーク・ソフトウェア・ストレージなどを用意せずに、インターネット回線を経由して必要なときに必要な分だけ利用できるサービスを意味しています。
総務省による令和2年情報通信白書によると、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は64.7%になります。利用したサービスの内容については、割合の高い順に「ファイル保管・データ共有」「電子メール」「社内情報共有・ポータル」「スケジュール共用」「給与、財務会計、人事」「データバックアップ」となっています。
引用:総務省|令和2年版 情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252140.html「クラウドサービス」の対義語にあたる言葉として「オンプレミス」が使われます。 オンプレミスとは、サーバーやネットワーク、ソフトウェアなどの設備を自社で導入・運用することを意味しています。
クラウドサービスの種類と特徴
クラウドサービスの名称には、「as a Service」という言葉が組み込まれています。「as a Service」とはビジネスモデルの名称で、顧客は「サービスの利用者」、そしてサーバー側は「サービスの提供者」になります。
サーバー側はハードウェアを管理・メンテナンスし、継続的なサービスを提供します。顧客はハードウェアの所有権がない代わりに、「設置のスペースを設けてたびたびメンテナンスや買い替えをしなければならない」といった責務から解放されます。また、顧客はハードウェアやソフトウェアを購入する必要なく、インターネットを経由してのサービス利用が可能であることから、導入コストを低額に抑えることができます。
クラウドサービスには提供形態に応じて種類があり、それぞれの違いは「サービスを提供する範囲」となります。
SaaS (Software as a Service)
SaaSはアプリケーションやソフトウェアの機能をネットワーク経由で提供するサービスで、クラウドサービスにおいてもっとも代表的な提供形態です。現在使われている多くのWebサービスがSaaSに含まれていると言えます。
ユーザーはソフトウェア製品を購入・インストールする必要なく、インターネットを介したクラウド上で必要なときに利用することができます。ユーザーはサーバーやストレージなどの構築や運用管理をする必要はありません。しかしカスタマイズ性は低いため、使いたい目的が明確で、それが機能と一致する場合にSaaSを検討するとよいでしょう。
SaaSの特徴
- ・同一データを複数人で共有・編集することができる
- ・クラウド上でアプリケーションやソフトウェアを使用できる
- ・データをクラウド上に保存可能
- ・どのデバイスからでもデータにアクセスができる
PaaS (Platform as a Service)
PaaSは、アプリケーションの開発環境をクラウド上で提供しているサービスです。開発環境、実行環境をサービスとして提供しているので、開発者はインターネットを介してサービスを利用し、コードの記述のみに専念することができます。
PaaSユーザーはアプリケーションの開発者であり、一般のユーザーが利用することはあまりありません。
PaaSの特徴
- ・アプリケーション開発者向けのサービス
- ・開発に必要な環境がクラウド上に整っている
IaaS (Infrastructure as a Service)
IaaSはPaaSの発展系とされるもので、当初はHaaS (Hardware as a Service) とも呼ばれていました。コンピュータシステムを構築・稼動させるための仮想サーバー、ハードディスクなどのITインフラをインターネット経由のクラウドサービスとして利用できます。
PaaSに比べて専門的な知識が必要で自由度が高くなっているため、ユーザーの管理範囲は多くなります。
IaaSの特徴
- ・ITインフラをクラウド上で提供している
- ・インフラエンジニアが主に利用する
DaaS (Desktop as a Service)
仮想デスクトップ環境をインターネット経由で利用できるクラウドサービスです。個人で特定のソフトウェアをインストールする必要はなく、ディスプレイとキーボードといった必要最低限の操作端末があれば、クラウド上のデスクトップ環境を利用することができます。
ネットワークがあればどこでも同じデスクトップ環境にアクセスできるので、テレワーク環境の整備に役立ちます。また、データやソフトウェアを端末に保存しないので、端末の紛失・盗難などによる情報漏洩のリスクがありません。
DaaSの特徴
- ・クラウド上でデスクトップ環境を利用できる
- ・即座に利用でき、導入の初期コストを抑えることができる
- ・ウイルス感染やセキュリティに強い
- ・大容量データの転送は遅くなる可能性がある
XaaS (X as a Service)
「X」とは「何か」を意味しており、上記に説明した「~ as a Service」の総称です。 クラウドサービスの多様化にともない生まれた言葉で、「インターネット経由で使用できる何らかのサービス」を示しています。
クラウドサービスの選び方
自社に最適なクラウドサービスを選ぶには、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。クラウドサービスの選び方について説明します。
サービス提供企業の導入事例
自社でどのような業務のためにクラウドサービスを導入したいのかという「目的」を明確にします。目的が同じ事例があるサービス提供企業は、提供経験・ノウハウがあるので安心して依頼ができます。また、過去の導入事例をもとにしたアドバイスやサポート、解決策などが得られます。
サポート体制
導入開始直後や機能について質問やトラブル発生時など、サービス提供企業へサポートを求める事態は多々起こりえます。サポートを必要とする際に素早く適切な対応が可能か、導入前にサポート体勢は確認すべきです。スムーズな運用には、手厚いサポート体制が不可欠です。
セキュリティ対策
クラウドサービスのセキュリティ対策は、サービス提供企業に依存することになります。ユーザー側からセキュリティ対策をカスタマイズすることはできません。そのため、検討段階からセキュリティ対策が自社のセキュリティーポリシーに合うものであるか、見極める必要があります。
クラウドサービスの機能
クラウドサービスには「アクセス制限機能」「ログ監視機能」「バックアップ機能」「API連携」など、さまざまな機能があります。自社の業務効率化にはどのような機能が最適か、複数のサービスから比較検討する必要があります。また、理解しやすい、わかりやすいUIであることもユーザーにとっては重要です。
コスト
導入コストに加え、月々のランニングコストからも比較して検討を進めることになります。選択する機能とサービスでコストは変わります。パフォーマンスとコストをバランス良く利用するために、複数のクラウドサービスで比較検討をしましょう。
現在、多くの企業でクラウドサービスが利用されています。 クラウドサービスを活用して場所やデバイスにとらわれない新しい働き方はもはやスタンダードになりつつあり、企業はより良いクラウド環境が必要となるでしょう。
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