企業内におけるクラウドサービス活用例
最終更新日:2020年11月11日
私たちの生活のいたるところでクラウドサービスが活用されるようになりました。インターネット環境があれば、さまざまなデバイスからいつでもどこでもアクセスができ、データの保存や閲覧ができる非常に便利なサービスです。
企業ではどのような業務にクラウドサービスを活用できるのでしょうか。クラウドサービスの種類や内容について説明します。
クラウドの種類とは
クラウドサービスには大きく3つの種類があります。それぞれの違いは、ユーザーがどこまで使用できるかという範囲の違いになります。
SaaS(Software as a Service)
ネットワーク回線を介し、ソフトウェアを提供する形態です。オンプレミス(自社運用のこと)の場合、パソコン上でソフトウェアを使用するにはインストールやダウンロードが必要です。クラウドサービスならソフトウェアはサービス提供者側のサーバーで動いており、ユーザーがインターネット回線などからアクセスして利用することが可能です。
PaaS(Platform as a Service)
ネットワーク回線を介し、開発環境を提供する形態です。 企業や開発者がシステムやソフトウェアを開発するための仕組みを提供しているサービスです。開発のための準備期間を大幅に短縮できるため、コストを抑えつつ短期間でシステム開発を進めることができます。
IaaS(Infrastructure as a Service)
プラットフォーム開発に必要な機材やネットワークを提供する形態です。 自社でサーバーなどの設備を導入する必要もなくITインフラを利用できます。クラウドサービスのなかでも最もユーザー側の自由度が高いサービスとなります。
オフィス向けクラウドサービス例
グループウェア
社内コミュニケーション活性化や情報の連携、スケジュールの管理など、グループウェアは業務効率化にとても有効なツールです。 クラウド型のグループウェアのメリットは、どの場所でも端末を選ばずに、スケジュールやタスクの共有・管理がスムーズに行えるという点にあります。 デメリットとしては、カスタマイズできず自由度が低い面があります。ツールによってさまざまな機能が備わっているので、自社にはどのようなツールが最適か検討・選択するとよいでしょう。
また、企業の規模によってはオンプレミス型でコストが抑えられる場合もあります。費用や機能は導入前にしっかり検討することが重要です。
ERP(基幹システム)
ERPとは会計・販売・原価・生産・在庫・人事・給与などといった基幹システムの管理と最適化のために用いられるソフトウェアです。 ERPシステムをクラウド環境にて使用することで、部門ごとに分かれていた情報を一元管理できます。部門間や事業所間でのやり取りをする手間がなくなり、より効率的な運営が可能になります。
勤怠管理システム
従業員の勤怠状況を管理する勤怠管理システムも、クラウドサービスを利用することで利便性が向上します。 感染症対策のため多くの企業でテレワーク勤務を取り入れています。勤怠管理をクラウドサービスにすることで、どこにいても勤怠管理が可能となります。また勤務地拠点が複数の場合でも、クラウドサービスの利用で従業員の労働状況を一か所で管理することができます。
オンライン学習(e-learning)
従来、企業の研修といえば一斉に集まっての講義が主流でした。しかしクラウドを利用したオンライン学習であれば、講師も研修を受ける側も都合のよい時間・場所での研修が可能になります。オンライン学習のメリットは以下になります。
- ・どこにいても自由に学習できる
- 研修室などを準備する必要がなく、自席や社外でも研修できます。
- ・全員のスケジュールを合わせなくてよい
- 公開コンテンツから講義を選択する形式なら、都合のよい時間に受講できます
- ・個人に合わせた内容でレクチャーできる
- 全体研修のほかにスキルに合わせた内容での個別受講や、復習として繰り返し学習もできます。
テレビ会議・ウェブ会議システム
過去、テレビ会議は多地点接続装置などさまざまなネットワーク製品を使用しなければなりませんでした。 しかしクラウドサービスの提供しているテレビ会議システムを利用すれば、個々の回線やデバイスのスペックの差を気にせずに、安定した通信環境で会議ができます。 テレワークや感染症対策などから、テレビ、ビデオ、ウェブ会議アプリケーションは有用性の高いツールとして今後ますます活用されることが予想さます。
営業部門向けクラウドサービス例
MA(マーケティングオートメーション / Marketing Automation)
マーケティングツールはメールやSNS、広告運用などマーケティング活動の中からリード情報を拾い上げ、分析施策から成果へと繋げていく役割が求められています。 クラウド型MAツールの特徴として、SNSやメールなどデジタル上にある様々な顧客接点から多角的に連携・分析をし、適切なコミュニケーションへ活用できるようになっています。
BI(ビジネスインテリジェンス / Business Intelligence)
BIツールとは、企業にある膨大なデータの変化を検出・通知しユーザーに提示することで、業務効率化や経営の意思決定に活かすことのできるツールです。重要なデータの活用に大いに役立つツールで、課金体系は利用人数やプランによって変わります。自社にはどういった機能・プランがよいのか、コストなどを含めて検討するとよいでしょう。
SFA(営業管理システム / Sales Force Automation)
SFAは営業活動をするにあたって必要な顧客情報、商談記録、日報などを管理することができるツールです。 クラウド型であれば出先であっても情報の更新や閲覧が可能です。タイムリーに報告入力ができ、顧客の最新情報をすぐに把握することが可能です。
CRM(顧客管理システム / Customer Relationship Management)
CRMは顧客の基本情報のほか、購買目的やニーズなどの顧客属性、これまでに購入した製品やサービスといった購買情報、今後の購入見込み情報の詳細など、顧客情報を集約して管理することにより顧客満足度の向上を図るためのツールです。 クラウド型CRMは社外にいても顧客の最新情報を確認することができ、円滑な営業活動・顧客とのコミュニケーションに役立つツールです。
名刺管理
名刺交換などで得た名刺は重要なデータ元です。名刺管理アプリの普及により、名刺をスマホの写真などで画像にしたうえで簡単にデジタル管理ができるようになっています。 クラウド型の名刺管理サービスは、その名刺から得た顧客データを全社で有効活用できるツールで、各自の持つ点在していた名刺情報を一元化し、円滑な営業活動を支えます。
クラウドサービスの利用で業務効率化と生産性向上
オフィスや営業活動におけるクラウド型ソフトの使用例をご紹介しました。 上記の使用例のほかにも、企業がクラウドサービスを導入することによって得られるメリットが数多くあります。
導入が容易
これまでの業務用ソフトウェアを自社で購入・運用管理する場合、イニシャルコスト、ランニングコストの負担がありました。そのソフトウェアが自社に相応しい機能であるかなど、検討を重ねて慎重に決定しなければなりませんでした。
しかしクラウドサービスはすでに完成されているサービスであり、自社に必要な機能だけを選択して、トライアルやスモールスタートで始めることができます。
導入から運用までの期間を短縮できる
クラウドサービスは「すでにあるシステム」を利用する形になるため、必要時に契約するだけですぐにサービスが運用開始されます。市場ニーズの変化をいち早くとらえ、スピーディに運用開始できるメリットはクラウドサービスの大きな魅力です。
ランニングコストが比較的安価
クラウドサービスは導入時に機器などを新たに購入する必要がなく、初期コストを比較的安価で抑えることができます。
ニーズに応じての拡張や縮小が容易
自社でソフトウェアを購入して管理している場合、規模の変更があれば多くの過程が必要になり、IT担当者にも負荷がかかります。 クラウドサービスはユーザーの追加や削減が容易で、業務規模の変更にもすぐに対応が可能です。いつでも無駄なく必要最小限でサービスを利用できるのです。
管理をサービス提供業者にまかせられる
自社内でハードウェア、ソフトウェアの管理をする場合、ハードを管理するための物理的場所の管理、人的コスト、電気代、またソフトウェアの管理・メンテナンスなど「運用コスト」がかさみます。 クラウドサービスは提供側がハードの管理をしているので運用コストの大幅削減ができ、ソフトウェアも常に最新バージョンを利用できます。管理に煩わされることなく、本来の業務に集中できるという点は企業にとって大きなメリットといえます。
いつどこからでもアクセスすることができる
営業活動やテレワークなど、社外でデータの確認や更新をしたいときにクラウドサービスが役立ちます。必要なときにネットワーク回線があればどこからでもアクセスできるので、データをタイムリーな情報で確認・更新することができます。
事業継続計画 / BCP(Business continuity planning)対策に効果的
企業は災害などの緊急事態が発生したときに備え、損害を最小限に抑えて事業の継続や復旧を図るための計画をしておく必要があります。 クラウドサービスは社外に堅牢な状態でサーバーの管理をしているため、確実なデータバックアップ機能などにより企業の重要な情報資産を守ることができるのです。
企業のクラウドサービス活用は拡大する
クラウドサービス活用例のように、インターネットがあればどこでも業務に必要なソフトウェアを利用することが可能です。 働き方改革の推進が求められる現代の企業にとって、「新しい働き方」と「業務効率化」の両方に有効なクラウドサービスは、今後さらに活躍の場が広がるでしょう。
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