キャッシュレスの種類と企業が利用するメリット

最終更新日:2020年12月01日

紙幣や硬貨を使わずに買い物ができる「キャッシュレス」は、今や日常生活で毎日のように目にする言葉となりました。キャッシュレスの決済方法は多種多様で、クレジットカードやデビットカード、電子マネー(プリペイドカード)、スマートフォンなど、次々と新しい決済方法が生まれています。

引用:経済産業省 今なぜ、キャッシュレスなの?事業に自由と安心を https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/pamphlet_merchants.pdf

ここでは、キャッシュレスの種類や仕組みと、企業がキャッシュレスを使うメリットや経済全体にもたらすメリットについて説明します。

キャッシュレスの種類

現在使われているキャッシュレスは、大きく分けて4つあります。

1.クレジットカード

お店などで買い物に使うと、その場で現金を支払うことなく商品やサービスを受け取ることができ、後でお金の請求が来る(後払い)カードのことです。代金の請求は一括で支払うか、分割払いやボーナス払いなどがあります。利用した店の代金はカード会社が立て替えて、あとから消費者がカード会社に支払うという仕組みです。与信審査があり、スライド式・読込(IC)式、タッチ式が特徴です。

2.デビットカード

お買い物や食事代のお支払いで提示すると、代金が銀行の口座から即時に引き落とされるカードのことです。即時払いで与信審査はありません。クレジットカード同様、スライド式・読込(IC)式、タッチ式があります。

3.電子マネー(プリペイドカード)

様々な会社が独自に発行している電子的なお金のことです。主にスーパー、コンビニ、改札機でタッチしてお金を払えます。カードタイプのほかに、携帯電話やスマートフォンで使えるタイプも。前払い式となっており、消費者が前もって入金(チャージ)したカード類を店の機会で読み取って支払うことができます。タッチ式(非接触)で、与信審査はありません。

4.スマートフォン

スマートフォンにクレジットカード、電子マネー、銀行口座などを登録し、お店などでのお金を払うときに使えます。消費者は、あらかじめスマホに支払アプリをインストールし、店頭でスマートフォンをタッチすることや、バーコード・QRコードを店の人に読み取ってもらうことで支払うことができます。他の決済手段と紐付けすることができ、カメラ読込(QR)・タッチ式があります。

引用:経済産業省 キャッシュレス決済の“いろは” https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/cashless_iroha.pdf

他にもスマートフォンを使った決済で、月々の携帯料金と一緒に支払いができるものや仮想通貨決済などもあります。

キャッシュレス決済の仕組み

キャッシュレスは主に、①利用者(客) ②お店(加盟)③利用者と契約する決済会社(イシュアー)、④お店と契約する決済会社(アクワイアラ)⑤決済代行業者 という5つのお金の流れで成立しています。事業者とお金の流れについて説明します。

1.利用者(客)

契約する決済会社に対し、チャージや購入代金支払いをし、お店で商品・サービスを購入します。

2.利用者と契約する決済会社(イシュアー)

キャッシュレスツールを発行する会社のことです。利用者の獲得や利用者への請求が主な業務です。お店と契約する決済会社(アクワイアラ)に対し、購入代金を支払います。

3.お店と契約する決済会社(アクワイアラ)

お店に対して、キャッシュレスツール導入に向けた契約を行ったり管理したりする会社のことです。イシュアーへの購入代金請求、お店(加盟店)への代金支払いが主な業務です。

4.お店(加盟店)

キャッシュレスツールが使えるお店や企業のことです。どのキャッシュレスツールが使えるのか消費者にわかるように、店頭にステッカーなどを貼って示しています。契約する決済会社(アクワイアラ)に対し、手数料を支払います。

5.決済代行業者

加盟店とクレジットカード会社や決済サービス会社の間に入り、複数のクレジットカード会社や決済サービス会社との契約や精算の一本化などのサービスを提供する事業者です。

引用:経済産業省 今なぜ、キャッシュレスなの?事業に自由と安心を https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/pamphlet_merchants.pdf

企業がキャッシュレスを使うメリット

キャッシュレスのメリットは多数ありますが、大きく3つにわけることができます。

1.消費者の利便性の向上

  • ・手ぶらで簡単に買い物が可能になり、大金の持ち歩きや小銭の管理が不要になります。
  • ・自動会計簿など買い物の消費履歴の管理が簡単になります。
  • ・カード紛失・盗難時の被害リスクを低くすることができます 。トラブルがあっても条件次第で全額保証される場合があります。

2.店舗の効率化・売上拡大

  • ・現金管理の手間が削減できます 。
  • ・レジ締めに係る作業時間はレジ1台当たり25分、1店舗当たり平均1日153分です。これらの作業時間の短縮になります。
  • ・従業員による売上現金紛失・盗難等のトラブルが減少します。
  • ・現金の搬出入回数が減少します。
  • ・訪日外国人(インバウンド) の需要をつかむことが可能になります。訪日外国人の約7割が、クレジットカード等が利用できる場所が今より多かったら「もっと多くお金を使った」と回答しています。

3.データの利活用

・個人の購買情報を分析・利活用することにより、高度なマーケティングやターゲット層向けの商品・サービスの開発が可能になります。

引用:経済産業省 キャッシュレス決済事業者の中小店舗向け開示ガイドライン https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626014/20200626014-7.pdf

以上のようにキャッシュレス決済は、消費者の利便性向上だけでなく、店舗のレジ精算業務の削減や現金管理の手間や時間の削減、消費者の手持ち現金不足による機会損失の防止などにつながります。

現金に触れず、従業員と顧客の接触機会を減らすことで衛生的な取引が可能になります。また、現金では得られなかったデータが得られることで、顧客に対しよりよいサービスを最適なタイミングで提供できるようになるなど、店舗に様々なメリットをもたらします。

消費税率引上げに伴い、政府は2019 年10月から 2020年6月末までキャッシュレス・ポイント還元事業を実施し、消費者のキャッシュレス決済の利用促進と中小店舗におけるキャッシュレス決済の環境整備を進めてきました。最終的な登録店舗数は約 11万店となり、中小店舗にも一定程度キャッシュレス決済が広がってきたと言えるでしょう。

キャッシュレスが経済全体にもたらすメリット

企業がキャッシュレスを利用するメリットは「消費者の利便性の向上」、「店舗の効率化・売上拡大」、「データの利活用」など数多くありますが、経済全体と社会全体にもたらすメリットも多くあります。

引用:経済産業省 キャッシュレス・ロードマップ 2020 https://www.paymentsjapan.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/06/roadmap2020_summary.pdf

キャッシュレスに伴い得られるデータの利活用

  • ・企業によるデータのマーケティングや製品開発等への活用可能性。
  • ・需要予測等への活用による食ロス対策等社会課題解決への貢献。
  • ・一人暮らしの高齢者の安全・安心につながる見守り機能への活用。

中小・小規模業者等に対する金融包摂―金融機能の提供

・キャッシュレスが普及することで、店舗等における資金の動きが見える化されます。個人事業主や中小・小規模事業者における資金調達が容易となる可能性があります。

新産業の発展

  • ・キャッシュレスに関連するデータの利活用やセキュリティといった、周辺産業も合わせて発展しています。
  • ・キャッシュレスを一つの機能として予約注文サービスと組み合わせる仲介サービスも展開されています。

キャッシュレスが社会全体にもたらすメリット

硬貨・紙幣の製造・メンテナンスコストの低減

・キャッシュレスが進展することで、現金関連コストが低減することは、余剰資金をその他の投資にあてがうことができるようになります。

偽造対策の手間とコストの解消

・キャッシュレスの普及によって偽造対策の手間と現金関連コストが低減されます。

新産業の発展

  • ・キャッシュレスに関連するデータの利活用やセキュリティといった、周辺産業も合わせて発展しています。
  • ・キャッシュレスを一つの機能として予約注文サービスと組み合わせる仲介サービスも展開されてきています。
引用:経済産業省 今なぜ、キャッシュレスなの?事業に自由と安心を https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/image_pdf_movie/pamphlet_merchants.pdf

キャッシュレス導入は企業にメリットがあります

キャッシュレスの導入は、規模に関わらず、どのような企業にとっても経営の効率化や収益改善などが期待できます。また、現金がなくなることで、現金を扱うストレスから開放されるようになります。客への会計対応が不要になることで回転率の向上が見られ、お金を触る必要がなく衛生的になるので、今のコロナ禍にとって追い風になることでしょう。

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