セキュリティエンジニアの今後の需要と年収について

最終更新日:2021年04月15日

セキュリティエンジニアとは何か

セキュリティエンジニアとは、「情報セキュリティ」に関する業務に特化したネットワークの設計・運用・管理などを行うIT技術者の一種です。

ここでは、日本のセキュリティエンジニアの需要について、また、仕事にした場合どのくらいの収入が見込まれるのかなどを説明していきます。

日本はセキュリティ人材不足?

IPA独立行政法人情報処理推進機構が2018年10月19日に公表した「いま求められるセキュリティ人材確保のために」※という資料では、2016年に経済産業省が行なった調査では、2020年の東京五輪までに日本全体でセキュリティの専門性を持った人材が、20万人不足するという結果が出ました。

しかし、サイバー防衛の現場からは、「情報セキュリティ人材の不足感はない」「セキュリティ対策はAIやアウトソースを活用している」「思ったほど有事がない」などの声が上がっていると、2018/8/28 6:30日本経済新聞 電子版で掲載されていることが挙げられています。

では、人材不足にはなっていないということなのでしょうか。

ところが、人材不足は実際に起こっており、セキュリティ人材不足」はあると考えられています。

ただし、不足しているのは、セキュリティ専門の知識があるだけの「専門家」ではなく、ビジネスと技術をバランスよく理解し、企業や組織でのサイバーセキュリティ対策を強い倫理感のもと推進できる人材だと言われています。

いま求められるセキュリティ人材確保のために ー情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)制度のご紹介ー 2018年10月19日

セキュリティエンジニアに必要なスキル

サイバー攻撃は多岐に渡り、いろいろな分野に影響を及ぼしているため、セキュリティエンジニアとしての専門知識が不要ということではありません。

では、実際にセキュリティエンジニアにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

情報セキュリティマネジメントに関する幅広い知識

サイバー攻撃に強いセキュリティシステム構築には、企画・設計・実装・テスト・運用まで、いろいろな行程に関わります。そのため、ネットワークやサーバーなどの環境を設計・構築・ITに関する幅広い知識が求められることになります。

例えば、ハードウェアや、サーバー、セキュリティ、ネットワークの知識のほか、個人情報保護法などの法令に関する知識が必要になります。

プログラミングスキル

セキュリティのシステムの開発が必要なため、プログラミングのスキルも要求されます。

コミュニケーション能力

いろいろな会社や組織や部署の人間と連携を取りながら進めていく必要があるため、高いコミュニケーション能力が要求されます。

高いモラルがある

セキュリティに関わる仕事に従事するには、高いモラルをもっていなくてはいけません。

想像力や洞察力など

いろいろな問題が発生する可能性などを考慮し、事前に防御のための設計などを行えるスキルが必要なため、想像力や洞察力も必要になります。

分析力

何が問題かを分析し、セキュリティに生かす分析力も必要でしょう。

上記以外にも、ビジネスマンとして身につけておく基本的な能力はありますが、経験を高めて人間力を上げていけば身につくものも多くあります。

セキュリティエンジニアのニーズがある分野

高度なセキュリティを求められる分野で、セキュリティエンジニアのニーズがあります。では、セキュリティエンジニアを求めている企業・分野はどのようなところでしょうか。

セキュリティ関連会社

情報セキュリティ関連の業務内容が中心となる企業は、セキュリティエンジニアがいなくては、仕事になりませんので、まず一番ニーズがある分野です。

セキュリティ関連のコンサルティングや、脆弱性検査、セキュリティ関連の教育、製品販売導入、など、と幅広い関連業務を行なっています。テクニカルな業務が多いでしょう。

コンサルタント系

コンサルタント系の会社は、業務上、企業の機密情報に触れることがあります。また、仕事の性質上、多くの企業の顧客情報も持っていますので、情報漏洩を起こさないようなセキュリティ対策が必要なため、セキュリティエンジニアを求めています。

メーカー

IoT化が進み、製造管理システムなど、工場でも使用される機器もサイバー攻撃などで被害を受けると生産が停止するなど甚大な被害が発生するリスクがあります。

また、技術情報や特許関連などが漏洩することも大きな損失につながるため、適切なセキュリティ対策を行えるセキュリティエンジニアのニーズが高まっている分野です。また、電機メーカーなどによっては、キュリティ関連の技術に積極的な企業もあります。

インフラ系

通信インフラはもちろん、電気、水道、ガスなどの公共のインフラもネットワークに繋がっている機器が増えてきたため、どのインフラ系でもセキュリティエンジニアのニーズが高まっています。

医療機関

多くの個人情報を保持する医療機関が、サイバー攻撃に遭い多くの個人情報が漏洩する事件などが多数起きているため、情報セキュリティ強化が必要となる分野です。

自治体関連

マイナンバー制度が始まり、個人情報に関して高度な情報セキュリティが今後ますます必要な分野といえます。

金融系

クレジットカード、キャッシュカードなどの個人情報が漏洩した場合、不正送金など甚大な被害がもたらされるため、セキュリティ対策が重要となります。セキュリティエンジニアが一番必要とされる分野でしょう。

商社

多くの商社は世界と取引を行なっており、リスクも高まります。また、様々な機密情報を扱っている分野のため、情報漏洩などは大きな問題となり一時的な金銭的損失だけではなく、信用の失墜が長期的な損失の要因ともなりえます。

そのため、この分野でもセキュリテイ対策をしっかりと行っておく必要があり、セキュリティエンジニアを必要とする分野です。

その他

例えば、保険会社、大手スポーツジム、学校、通販会社など、インターネットに接続しており、多くの個人情報を抱えていれば、どの分野でも、セキュリティ対策は必要です。

そのために、いろいろな分野の個々の会社に合った対策を立て、設計をし、運用、保守を行えるセキュリティエンジニアは今後もさらにニーズが高まるとおもわれます。

どのようにしてセキュリティエンジニアになるのか

高度な知識や技術を必要とされるセキュリティエンジニアですが、現在は、医師のように、特定の国家資格などを取得すれば正式なセキュリティエンジニアというわけではありません。

セキュリティエンジニアになるためには、一般的には、情報系の大学か専門学校で学び、技術や専門知識を身につける、あるいは、インフラエンジニアとして仕事を始めて、スキルを身につけ、さらに、勉強してセキュリティエンジニアとして有利な資格などを取得しステップアップしていくということもできるでしょう。

セキュリティエンジニアの年収

セキュリティエンジニアの平均年収は600万円前後で、セキュリティエンジニアの年収は、他のITエンジニアと比較すると高い傾向にあるようです。

保持している資格などによっても年収差が出てくるようで、外資系の会社の場合、年収1000万円以上のところもあるようです。

まとめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)を、政府が掲げ、今後もIoT化が進むことを考えると、ますます高度な知識とスキルを持ったセキュリティエンジニアのニーズは高まっていくと思われます。



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