「人事評価」「勤怠管理」のIT活用で飛躍的に業務改善 - 沖縄県内企業の業務改善ITソリューション導入事例
最終更新日:2022年02月24日
社員のモチベーションを大きく左右する「人事評価」、業務の実態を把握するためにも不可欠な「勤怠管理」。
とくに勤怠管理は、作業現場が各地に点在するような企業様ならではの悩みもあるかと思います。
当特集では、企業として欠かせない人事評価と勤怠管理の業務においてITを活用することに成功され、飛躍的にこれら業務を改善された総合建設企業「株式会社福地組」様のリアルな声をお届け致します。
業務のさらなる効率化を目指して、ITの導入をご検討されている方には、何かしらのヒントが得られるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
1. 株式会社福地組の概要
2. 人事評価におけるIT活用の取組み - 進捗や課題が可視化できPDCAが円滑に。資格取得者数も増加
導入前の課題 - ふわっとした評価ではモチベーションも推進力も得られない
「人事評価」はどのシステムが最適? - コスト面と使いやすさのバランスでシステムを選定
人事評価システム概要 - 立場によって目標を設定。目標の達成度合いを数値化
人事評価システム導入後の問題点と解決方法
人事評価業務へのシステム導入で得られたメリット
3. 勤怠管理におけるIT活用の取組み - 各現場の勤務状況をリアルタイムに把握することで現場のフォローも迅速に
導入前の課題 - 各地に点在する現場の労働実態が把握できない
「勤怠管理」はどのシステムが最適? - IT専門家のアドバイスが有用
勤怠管理システム概要 -スマホで簡単打刻。ひと目で勤務状況を把握可能に
勤怠管理システム導入後の問題点と解決方法
勤怠管理業務へのシステム導入で得られたメリット
4. 建設業 × IT - 次々とIT化に着手される株式会社福地組の今後
5. IT化導入成功のカギは「経営の関与や理解・方針」 - IT導入に関するアドバイス
【会社概要】総合建設業。昭和28年(1953年)創業。
スローガン「“Beyond the value” その先にある価値と感動」の精神で、福地組らしいお客様に寄り添った商品やサービスを磨き続けている。
業務の改善・効率化を図るために次々とITを導入されている福地組。社内にIT専門部署はありませんが、大手商社勤務で海外事業立ち上げ経験も有する若き3代目社長・福地一仁(ふくち・かずひと)氏が中心となってIT化を進めてこられました。
今回は同社が導入されたITシステムの中から、どの企業様にも活用展開が可能な「人事評価管理システム」と「勤怠管理システム」にスポットを当て、ITシステム導入前の課題、導入システムの選定方法、導入後に得られたメリット、問題点やその解決方法などを伺います。
株式会社福地組の代表取締役社長 福地一仁氏、総務部課長 高良章吾(たから・しょうご)氏のおふたりにお話を伺いました。
<取材日:2022年2月3日>
私は2018年9月に福地組に入社しました。その当時、人事評価はふわっとした感じで、なんとなく行っているように見えました。仕組み化されていなかったんですよね。懸命に仕事をやっている社員たちが、何がどう評価されているのかもわからない状況だったのです。
社員が高いモチベーションを持って仕事に集中するためにも、社員70名の企業を回していくためにも、しっかりとした人事評価は必要です。
人事評価制度とは、目標があって、その目標がどれだけ達成されたか、ということだと考えています。
目標が定まっていなければ、何に向かっていくのかもわからない状態です。達成できたとしても、自分たちのどのアクションが功を奏したのか、なぜ達成できたのか、その要因もはっきりとしません。
目標を定めることで、社員をモチベートし、目標に向かう推進力が得られますので、目標の達成度合いを数値化するシステムが必要だと考えました。(福地社長)
人事評価システムの導入時は、外部からアドバイスはいただいておりません。
コロナ禍となった現在ではWeb会議やリモートが当たり前となっていますが、コロナ禍以前に検討したシステムでしたので、県内に拠点があって説明来社いただけるところ、サポートがしっかりしているところを探しました。
また、さまざまな機能が充実しているシステムもありますが、機能が多すぎると使う側は引いてしまいますので、シンプルでわかりやすいシステムに着目しました。
選出方法はネットで情報を収集・調査し、社内で候補を3社に絞って検討しました。
最終的に、コスト面と使いやすさのバランスから『人事評価クラウドHRBrain』に決めました。
社内には「Excelでもいいんじゃないの?」という意見もありましたが、私は前職の商社時代、海外で企業を立ち上げた際に、人事評価にExcelを使ったことで非常に苦労しました。Excelで多くの属性を持つデータの集計作業を行うことはとてつもなく困難で、まとめる際の作業量は膨大になります。また、中長期に渡った比較や分析を行うにはExcelは不向きなんです。自らの経験に則したExcelの得手不得手を説明することで、システムの導入を理解してもらいました。(福地社長)
各自で設定した目標の達成度合いを数値化するシステムです。
目標の達成度合いを数値化することで、社員に前向きなやる気を持ってもらうことが狙いです。(福地社長)
弊社は12月決算ですので、12月に社員各自に目標を設定してもらい、7月に目標の見直しを行っています。
建設会社は建設現場にも事務所を設置していますので、現場事務所のパソコンで現場の社員にも目標を入力してもらいます。(福地社長)
目標は、組織目標、部門目標、個人目標など、各自で設定できるようにしています。
弊社は階級が6等級あるのですが、非管理職の新人や若手は個人目標の割合を高く、管理職は役職が上がるほど組織目標の割合を高くするなど、目標の設定における重みづけの割合はそれぞれの役職・立場によって変えています。(福地社長)
目標の達成度合いによってスコア(数値)が出るようになっており、評価は自己申告と上司の両方で行います。
もし、自己申告のスコアと上司のスコアが乖離しているときは、なぜそうなったのか内容を確認し、理解してもらうようバックアップしていきます。(福地社長)
当初の問題点は、期待していたような運用にならなかったことです。
目標の入力にばらつきがありました。そこで、全体へ目標設定研修を行い、評価者となる上司には評価者研修でフォローアップを行ったりしながら、徐々にならしていきました。
その甲斐もあって、いまでは上司が目的をしっかり理解してきていますので、各現場でうまく部下にフィードバックしてくれています。(福地社長)
■ 人事評価システム導入後のおもなメリット
1. 達成に向けた推進を図ることができる。
2. フィードバックを行うことで、取り組んでいる仕事の相談相手が明確になる。
3. 能力開発項目を設けることにより、資格取得などモチベーションに繋げることが可能。
4. 課題改善項目を設けることで、取り組むべき内容を見える化できる。
課題改善項目を設けることで、例えば、営業と設計で情報交換しておくべきことなど、取り組むべき内容が明確になりました。
特に、四半期ごとに行う経営会議においてシステム導入の効果を強く感じました。
以前は各部から売上・完工高の進捗報告があるのみで、何が課題か見えづらかったのですが、現在は設定した目標をベースに、進捗や課題把握が具体的になったので議論もしやすくなり、PDCAを円滑にまわしやすくなっています。(福地社長)
■ 評価管理(目標管理)システムの導入効果(定量的データ)
目標の個別項目として設定することで、導入してからの資格取得者数が増えました。
具体的には次のようになります。(高良氏)
2020年 … 宅地建物取引士1名、1級建築士1名、二級建築士1名
2021年 … 一級建築施工管理技士補5名、二級建築施工管理技士2名、二級土木施工管理技士2名、インテリアコーディネーター2名
2022年 … 一級土木施工管理技士1名
喫緊の課題として、「労働実態の把握」がありました。
建設業の現場は各地に散らばっており、現場が離島の場合もあります。これまでの勤怠は、手書きの紙ベースで行われており、月に1回の報告を待たなければ現場の労働時間がわからない状況でした。
万一、現場で事故が起きた場合、超過勤務が原因の体調不良だとすると労基の問題となります。また、若い人たちは情報交換が活発ですから、他社はもっとしっかりしている、となれば、離職につながる恐れもあります。(福地社長)
集計作業にも非常に時間と手間が掛かっていました。
各現場から月1回、月末に提出される手書きの出勤表の内容を一枚一枚確認するため、集計にたいへん時間がかかりました。有給申請も紙ベースですので、有給のはずなのに出勤記録があった場合は、給与計算担当者が電話で本人に確認する必要があるなど、有給の確認作業に手間もかかっていました。(高良氏)
こちらはISCOさんにご協力いただきました。
ISCOから派遣いただいたIT専門家に、当社の状況と要望と状況を伝えると、「それならばこのシステムが最適です」と薦められたのが、『KING OF TIME』でした。他社の勤怠管理システムとの比較等も行っていただきましたが、実際に当製品を試してみたところ使いやすかったので、そのまま導入を決めました。(福地社長)
各自のスマホやパソコンから出退勤時間を打刻できるシステムで、各自の出勤時間、現在何時間稼働しているか、退社時間、残業時間などが一覧となってひと目で知ることができます。
現場や勤務地に到着したタイミングでスマホ打刻をするとルールを定め、各自のスマホで出退勤処理が簡単に行えるようになりました。スマホを持っていない人には、現場事務所のパソコンで打刻してもらっています。
また、これまで各部に紙で回していた有給申請もスマホ・PCで回せるようになりました。(高良氏)
非常に便利な機能は、残業時間を知らせるアラートです。
残業が月30時間を超えるとシステムから自動的に本人と上司にアラートが飛びます。本人と上司に知らせることで、現場でも残業時間を意識してもらえるようになり、オーバーワークの牽制になっています。(福地社長)
スマホで打刻を行う出退勤に慣れていませんから、最初は打刻を忘れてしまう人もいました。そこで、互いに打刻するよう声掛けを行ってもらうようにしました。
1~2日ですぐに慣れる人もいれば、1ヶ月ほどかかる人もいますので、馴染めない人には適宜個別フォローすることで慣れていってもらいました。(福地社長)
■ 勤怠管理システム導入後のおもなメリット
システム導入によって、社員(または職員)の勤務時間がリアルタイムにわかるようになりましたので、労働の実態が見えるようになりました。
残業時間をゼロにすることはできませんが、勤務時間の数値目標化が可能となります。
残業時間が増えすぎている現場は、現状の人員で回せていないということです。
これまでは現場が疲弊していることも見えづらかったのですが、勤怠管理システムを導入したことによって、現場の見える化ができ、その現場にメンバーを応援に行かせるなど、迅速なフォローが可能になりました。(福地社長)
■ 勤怠管理システムの導入効果(定量的データ)と社員のメリット
社員にとってのメリットは、スマートフォン等で打刻ができるため、出勤表を作成する手間がなくなりました。
また、給与計算担当者の業務時間が大幅に短縮できました。
これまでは、出勤表確認に1.5日、集計表確認に1.5日、有給取得状況チェックに1日で合計4日必要でしたが、それが1日で完了できるようになりました。
有給休暇取得もアプリで申請するため、給与計算担当者のチェックが不要になり、取得状況も一元管理できるようになりました。加えて、紙の出勤表の保管の必要がなくなりました。(高良氏)
コストとのバランスをみながら、IT化、DX化はどんどん積極的に進めていく予定です。
しかし、IT化が目的ではなく、目的はその先にあります。
その目的とは、次の3点です。
1. 業務の効率化
2. 経営判断を行う上でも、目標を設定する上でも必要となる「実態の見える化」
3. お客様の満足度向上
何でもかんでもIT化すべきだとは思ってはいません。本当にIT化が必要なのかを見極める必要があると考えています。社長は単なる新しもの好きだ、と思われても困りますから(苦笑)。
IT化が目的ではありませんから、場合によっては検討してみた結果、IT化はせずに、従来通りの方法のままといった部分もあります。(福地社長)
- 御社のIT戦略の全体像を教えてください。
全体像は描けていないんです。計画を立ててもその通りにならないこともありますし、目の前の課題を解消、解決して進んでいる状況ですね。
大きな軸は、先述の3点「業務効率化」「実態の見える化」「お客様の満足度向上」です。
IT化が必要だと考えられる部分は、システム会社さんに具体的なご説明をいただいたり、デモ版を試してみたり、その都度、社内で議論して判断しています。
どんなに便利な機能もシステムも、使わなければ宝の持ち腐れです。メッセージの出し方を誤ると使われずに負担のままになってしまいますので、社員(または職員)のやる気、関心度を引き上げながら、ていねいに説明してIT化を進めるようにしています。
社内のIT導入事例も増えてきましたので、次の管理職研修では、各部署で取り組んでいるIT化や最先端システムについてなど、ITに関する情報共有を目的に実施します。(福地社長)
- IT化・情報化において、御社で今後検討されている施策などを教えてください。
今後検討しているのは「BIM/CIM」(※)です。
現時点では国交省が後押ししているため、いずれ公共事業はBIM限定となる可能性が考えられます。すでに出遅れているとは思いますが、そろそろ着手しなければならないと考えています。
これまでいくつかシステムを導入してみて、IT化成功のポイントは一歩一歩段階を踏んで導入することだと実感しています。ですから、BIMの導入の際も一歩一歩着実に行っていく予定です。
積算をBIMで行う場合はある程度の習熟度が必要ですし、設計図は従来のワークフローを変える必要があるのですが、それらの考慮点を充分に検討せずに一気にBIM化したことで失敗するというケースを耳にします。
弊社のBIM導入の初歩的な目的としては、施工前にBIMデータを活用して「施主⇔建設会社⇔下請業者⇔設備・電気」の作業段取りに関する情報共有を円滑にすることです。情報共有化によって、施工作業の手戻りを極力減らし工期を短縮することができることを期待しています。
先述の管理職研修では、BIM導入準備に向けてBIMの機能概要や導入のステップの考え方について説明会も予定しています。(福地社長)
※BIM/CIM(ビム/シム)・・・ Building/Construction Information Modeling, Management
「BIM/CIMは、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。」【出典】国土交通省BIM/CIMポータルサイト(http://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bimcim/bimcimsummary.html)
IT化するということは、これまで行っていた手順、慣れ親しんでいることを変えることになりますので、現場から拒否反応が出ることもあります。
その際は、使ってもらうために”その人にとってのメリット”をていねいに、しっかりと説明していきました。(福地社長)
- 新たなシステムに早く慣れる人の特徴はありますか? 例えば、若い人の方が早く慣れるということはありますか?
年齢は関係ありません。
興味や問題意識を持っている人、効率化を考える人が早く使いこなせているようです。
「自分事として捉えられるかどうか?」が大きいと思います。
いずれは現場から「今はこういうのがいいんですよ」「これが先端なんですよ」と提案してくれるようになれば、もっとスピードをもってまわっていくと思います。(福地社長)
- 勤怠管理システム導入時はISCO派遣のIT専門家に入っていただいたとのことですが、専門家が入ることのメリットは感じられましたでしょうか?
さまざまなシステムがありますが、私たちは専門家ではありませんので金額の違い以外はわかりません。
専門家に入っていただくメリットは、IT化の入口で、数あるシステムの機能や特徴を整理し、自社に合ったシステムをご提案いただけることですね。
また、導入の計画や段取りのアドバイスをいただけることで、失敗が抑えられるというメリットを実感しました。(福地社長)
- 非IT企業様、IT導入ご検討中の企業様へ、IT導入に関するアドバイスがございましたらお願いいたします。
IT導入について、3点お伝えしたいと思います。
1. ITの導入には、経営が関与して理解すること。
2. 導入に向けて予算化、組織化して推進していくこと。
3. 導入の目的を明確にし、導入はステップ・バイ・ステップで行っていくこと。
ITの導入には、経営の関与や理解・方針によるところが大きいと感じています。
予算を組むためにも、導入に向けた準備を行う体制・組織づくりを行うためにも、経営の関与・理解が不可欠です。
また、IT化するとは言っても、一度にすべての機能を使いこなす必要はないと考えています。IT化の失敗の多くは、「すべてを一気に行おうとする」ことに起因しています。
例えばBIMの場合、先述しましたが「BIMは何でもできる。BIMは万能だと思い、何もかも一気に取り組んでしまった結果、失敗してしまった」というケースが多いと聞いています。
ですから、必要な機能を順番付けし、一歩一歩、導入を行うことがポイントだと思います。
弊社でBIMを導入する際はステップ・バイ・ステップで、発注者に対してBIMを使ってしっかりと説明ができること、BIMを使って発注者側との意思決定を短縮できることが第一歩だと考えています。
<取材を振り返って>
「進化の目覚ましいITの世界はすごいですね。
流行り廃りのサイクルも早く、2~3年前まで建設業界で著名だった大人気の施工管理アプリが、更に進化した近未来的なアプリの登場ですっかり時代遅れな感じになっていますよ。
どんどん新しいシステムやアプリが出てきますし、これからもアンテナを張って取り組んでいきます」
と福地社長は笑顔で見送ってくださいました。
現場が離島や広範囲に散在するという沖縄ならではの事情として、IT化は非常に有用だと感じました。
また、今回の取材で初めて耳にした「BIM/CIM」は、建設業界にとって避けては通れないIT化なのかもしれません。
福地組様の取材で、「建設業界にもIT化の波が押し寄せているのだ」と実感しました。
そんなIT化の波に溺れないために。
ぜひISCOにお気軽にご相談ください。
専門家に相談することで、ハードルが高く感じられるITの導入がよりスムーズに行えるはずです。
<取材協力>
株式会社福地組 https://www.fukuchigumi.co.jp/
代表取締役社長・福地一仁様/総務部課長・高良章吾様
ご多用のところ、取材ご協力まことにありがとうございました。
<取材・撮影・執筆>
合同会社ジョートー https://jyo-to.okinawa/ 安積美加
※当特集記事の内容は2022年2月3日、取材時の情報です。
とくに勤怠管理は、作業現場が各地に点在するような企業様ならではの悩みもあるかと思います。
当特集では、企業として欠かせない人事評価と勤怠管理の業務においてITを活用することに成功され、飛躍的にこれら業務を改善された総合建設企業「株式会社福地組」様のリアルな声をお届け致します。
業務のさらなる効率化を目指して、ITの導入をご検討されている方には、何かしらのヒントが得られるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
【目次】
1. 株式会社福地組の概要
2. 人事評価におけるIT活用の取組み - 進捗や課題が可視化できPDCAが円滑に。資格取得者数も増加
導入前の課題 - ふわっとした評価ではモチベーションも推進力も得られない
「人事評価」はどのシステムが最適? - コスト面と使いやすさのバランスでシステムを選定
人事評価システム概要 - 立場によって目標を設定。目標の達成度合いを数値化
人事評価システム導入後の問題点と解決方法
人事評価業務へのシステム導入で得られたメリット
3. 勤怠管理におけるIT活用の取組み - 各現場の勤務状況をリアルタイムに把握することで現場のフォローも迅速に
導入前の課題 - 各地に点在する現場の労働実態が把握できない
「勤怠管理」はどのシステムが最適? - IT専門家のアドバイスが有用
勤怠管理システム概要 -スマホで簡単打刻。ひと目で勤務状況を把握可能に
勤怠管理システム導入後の問題点と解決方法
勤怠管理業務へのシステム導入で得られたメリット
4. 建設業 × IT - 次々とIT化に着手される株式会社福地組の今後
5. IT化導入成功のカギは「経営の関与や理解・方針」 - IT導入に関するアドバイス
1. 株式会社福地組の概要
株式会社福地組(かぶしきがいしゃ ふくちぐみ)様 https://www.fukuchigumi.co.jp/【会社概要】総合建設業。昭和28年(1953年)創業。
スローガン「“Beyond the value” その先にある価値と感動」の精神で、福地組らしいお客様に寄り添った商品やサービスを磨き続けている。
株式会社福地組の代表取締役社長・福地一仁氏(左)と総務部課長・高良章吾氏
業務の改善・効率化を図るために次々とITを導入されている福地組。社内にIT専門部署はありませんが、大手商社勤務で海外事業立ち上げ経験も有する若き3代目社長・福地一仁(ふくち・かずひと)氏が中心となってIT化を進めてこられました。
今回は同社が導入されたITシステムの中から、どの企業様にも活用展開が可能な「人事評価管理システム」と「勤怠管理システム」にスポットを当て、ITシステム導入前の課題、導入システムの選定方法、導入後に得られたメリット、問題点やその解決方法などを伺います。
- ● 2019年1月 人事評価システム『HRBrain』導入
- ● 2021年2月 勤怠管理システム『KING OF TIME』導入
株式会社福地組の代表取締役社長 福地一仁氏、総務部課長 高良章吾(たから・しょうご)氏のおふたりにお話を伺いました。
<取材日:2022年2月3日>
2. 人事評価におけるIT活用の取組み - 進捗や課題が可視化できPDCAが円滑に。資格取得者数も増加
導入前の課題 - ふわっとした評価ではモチベーションも推進力も得られない
- 人事評価管理システムの導入を経営判断するに至る、それまでの御社での経営課題を教えてください。福地社長、お願いいたします。私は2018年9月に福地組に入社しました。その当時、人事評価はふわっとした感じで、なんとなく行っているように見えました。仕組み化されていなかったんですよね。懸命に仕事をやっている社員たちが、何がどう評価されているのかもわからない状況だったのです。
社員が高いモチベーションを持って仕事に集中するためにも、社員70名の企業を回していくためにも、しっかりとした人事評価は必要です。
人事評価制度とは、目標があって、その目標がどれだけ達成されたか、ということだと考えています。
目標が定まっていなければ、何に向かっていくのかもわからない状態です。達成できたとしても、自分たちのどのアクションが功を奏したのか、なぜ達成できたのか、その要因もはっきりとしません。
目標を定めることで、社員をモチベートし、目標に向かう推進力が得られますので、目標の達成度合いを数値化するシステムが必要だと考えました。(福地社長)
【資料提供/株式会社福地組様】「目標管理制度社員説明会」資料より抜粋
「人事評価」はどのシステムが最適? - コスト面と使いやすさのバランスでシステムを選定
- 導入された人事評価システムはどのようにして選定されたのでしょうか? 外部専門家等のアドバイスはいただいたのでしょうか?人事評価システムの導入時は、外部からアドバイスはいただいておりません。
コロナ禍となった現在ではWeb会議やリモートが当たり前となっていますが、コロナ禍以前に検討したシステムでしたので、県内に拠点があって説明来社いただけるところ、サポートがしっかりしているところを探しました。
また、さまざまな機能が充実しているシステムもありますが、機能が多すぎると使う側は引いてしまいますので、シンプルでわかりやすいシステムに着目しました。
選出方法はネットで情報を収集・調査し、社内で候補を3社に絞って検討しました。
最終的に、コスト面と使いやすさのバランスから『人事評価クラウドHRBrain』に決めました。
社内には「Excelでもいいんじゃないの?」という意見もありましたが、私は前職の商社時代、海外で企業を立ち上げた際に、人事評価にExcelを使ったことで非常に苦労しました。Excelで多くの属性を持つデータの集計作業を行うことはとてつもなく困難で、まとめる際の作業量は膨大になります。また、中長期に渡った比較や分析を行うにはExcelは不向きなんです。自らの経験に則したExcelの得手不得手を説明することで、システムの導入を理解してもらいました。(福地社長)
人事評価システム概要 - 立場によって目標を設定。目標の達成度合いを数値化
- 導入された人事評価管理システムの簡単な概要をお願いします。各自で設定した目標の達成度合いを数値化するシステムです。
目標の達成度合いを数値化することで、社員に前向きなやる気を持ってもらうことが狙いです。(福地社長)
【資料提供/株式会社福地組様】「目標管理制度社員説明会」資料より抜粋
弊社は12月決算ですので、12月に社員各自に目標を設定してもらい、7月に目標の見直しを行っています。
建設会社は建設現場にも事務所を設置していますので、現場事務所のパソコンで現場の社員にも目標を入力してもらいます。(福地社長)
【資料提供/株式会社福地組様】「目標管理制度社員説明会」資料より抜粋
目標は、組織目標、部門目標、個人目標など、各自で設定できるようにしています。
弊社は階級が6等級あるのですが、非管理職の新人や若手は個人目標の割合を高く、管理職は役職が上がるほど組織目標の割合を高くするなど、目標の設定における重みづけの割合はそれぞれの役職・立場によって変えています。(福地社長)
【資料提供/株式会社福地組様】「目標管理制度社員説明会」資料より抜粋
目標の達成度合いによってスコア(数値)が出るようになっており、評価は自己申告と上司の両方で行います。
もし、自己申告のスコアと上司のスコアが乖離しているときは、なぜそうなったのか内容を確認し、理解してもらうようバックアップしていきます。(福地社長)
【資料提供/株式会社福地組様】「目標管理制度社員説明会」資料より抜粋
人事評価システム導入後の問題点と解決方法
- 導入にあたって発生した問題点があれば、解決方法とあわせて教えてください。当初の問題点は、期待していたような運用にならなかったことです。
目標の入力にばらつきがありました。そこで、全体へ目標設定研修を行い、評価者となる上司には評価者研修でフォローアップを行ったりしながら、徐々にならしていきました。
その甲斐もあって、いまでは上司が目的をしっかり理解してきていますので、各現場でうまく部下にフィードバックしてくれています。(福地社長)
人事評価業務へのシステム導入で得られたメリット
- 人事評価管理システム導入後、どのようなメリットが得られましたか?■ 人事評価システム導入後のおもなメリット
1. 達成に向けた推進を図ることができる。
2. フィードバックを行うことで、取り組んでいる仕事の相談相手が明確になる。
3. 能力開発項目を設けることにより、資格取得などモチベーションに繋げることが可能。
4. 課題改善項目を設けることで、取り組むべき内容を見える化できる。
課題改善項目を設けることで、例えば、営業と設計で情報交換しておくべきことなど、取り組むべき内容が明確になりました。
特に、四半期ごとに行う経営会議においてシステム導入の効果を強く感じました。
以前は各部から売上・完工高の進捗報告があるのみで、何が課題か見えづらかったのですが、現在は設定した目標をベースに、進捗や課題把握が具体的になったので議論もしやすくなり、PDCAを円滑にまわしやすくなっています。(福地社長)
■ 評価管理(目標管理)システムの導入効果(定量的データ)
目標の個別項目として設定することで、導入してからの資格取得者数が増えました。
具体的には次のようになります。(高良氏)
2020年 … 宅地建物取引士1名、1級建築士1名、二級建築士1名
2021年 … 一級建築施工管理技士補5名、二級建築施工管理技士2名、二級土木施工管理技士2名、インテリアコーディネーター2名
2022年 … 一級土木施工管理技士1名
【資料提供/株式会社福地組様】「目標管理制度社員説明会」資料より抜粋
3. 勤怠管理におけるIT活用の取組み- 各現場の勤務状況をリアルタイムに把握することで現場のフォローも迅速に
導入前の課題 - 各地に点在する現場の労働実態が把握できない
- 勤怠管理システムの導入を経営判断するに至る、それまでの御社での経営課題を教えてください。福地社長、お願いいたします。喫緊の課題として、「労働実態の把握」がありました。
建設業の現場は各地に散らばっており、現場が離島の場合もあります。これまでの勤怠は、手書きの紙ベースで行われており、月に1回の報告を待たなければ現場の労働時間がわからない状況でした。
万一、現場で事故が起きた場合、超過勤務が原因の体調不良だとすると労基の問題となります。また、若い人たちは情報交換が活発ですから、他社はもっとしっかりしている、となれば、離職につながる恐れもあります。(福地社長)
集計作業にも非常に時間と手間が掛かっていました。
各現場から月1回、月末に提出される手書きの出勤表の内容を一枚一枚確認するため、集計にたいへん時間がかかりました。有給申請も紙ベースですので、有給のはずなのに出勤記録があった場合は、給与計算担当者が電話で本人に確認する必要があるなど、有給の確認作業に手間もかかっていました。(高良氏)
「勤怠管理」はどのシステムが最適? - IT専門家のアドバイスが有用
- 導入された勤怠管理システムはどのようにして選定されたのでしょうか? 外部専門家等のアドバイスはいただいたのでしょうか?こちらはISCOさんにご協力いただきました。
ISCOから派遣いただいたIT専門家に、当社の状況と要望と状況を伝えると、「それならばこのシステムが最適です」と薦められたのが、『KING OF TIME』でした。他社の勤怠管理システムとの比較等も行っていただきましたが、実際に当製品を試してみたところ使いやすかったので、そのまま導入を決めました。(福地社長)
勤怠管理システム概要 -スマホで簡単打刻。ひと目で勤務状況を把握可能に
- 導入された勤怠管理システムの簡単な概要をお願いします。各自のスマホやパソコンから出退勤時間を打刻できるシステムで、各自の出勤時間、現在何時間稼働しているか、退社時間、残業時間などが一覧となってひと目で知ることができます。
現場や勤務地に到着したタイミングでスマホ打刻をするとルールを定め、各自のスマホで出退勤処理が簡単に行えるようになりました。スマホを持っていない人には、現場事務所のパソコンで打刻してもらっています。
また、これまで各部に紙で回していた有給申請もスマホ・PCで回せるようになりました。(高良氏)
非常に便利な機能は、残業時間を知らせるアラートです。
残業が月30時間を超えるとシステムから自動的に本人と上司にアラートが飛びます。本人と上司に知らせることで、現場でも残業時間を意識してもらえるようになり、オーバーワークの牽制になっています。(福地社長)
【資料提供/株式会社福地組様】「クラウド勤怠管理システムKING OF TIME」の勤怠システム管理画面
勤怠管理システム導入後の問題点と解決方法
- 導入にあたって発生した問題点があれば、解決方法とあわせて教えてください。スマホで打刻を行う出退勤に慣れていませんから、最初は打刻を忘れてしまう人もいました。そこで、互いに打刻するよう声掛けを行ってもらうようにしました。
1~2日ですぐに慣れる人もいれば、1ヶ月ほどかかる人もいますので、馴染めない人には適宜個別フォローすることで慣れていってもらいました。(福地社長)
勤怠管理業務へのシステム導入で得られたメリット
- 勤怠管理システムの導入後、どのようなメリットが得られましたか?■ 勤怠管理システム導入後のおもなメリット
システム導入によって、社員(または職員)の勤務時間がリアルタイムにわかるようになりましたので、労働の実態が見えるようになりました。
残業時間をゼロにすることはできませんが、勤務時間の数値目標化が可能となります。
残業時間が増えすぎている現場は、現状の人員で回せていないということです。
これまでは現場が疲弊していることも見えづらかったのですが、勤怠管理システムを導入したことによって、現場の見える化ができ、その現場にメンバーを応援に行かせるなど、迅速なフォローが可能になりました。(福地社長)
■ 勤怠管理システムの導入効果(定量的データ)と社員のメリット
社員にとってのメリットは、スマートフォン等で打刻ができるため、出勤表を作成する手間がなくなりました。
また、給与計算担当者の業務時間が大幅に短縮できました。
これまでは、出勤表確認に1.5日、集計表確認に1.5日、有給取得状況チェックに1日で合計4日必要でしたが、それが1日で完了できるようになりました。
有給休暇取得もアプリで申請するため、給与計算担当者のチェックが不要になり、取得状況も一元管理できるようになりました。加えて、紙の出勤表の保管の必要がなくなりました。(高良氏)
4. 建設業 × IT - 次々とIT化に着手される株式会社福地組の今後
- 御社の経営におけるIT戦略の位置づけを教えてください。コストとのバランスをみながら、IT化、DX化はどんどん積極的に進めていく予定です。
しかし、IT化が目的ではなく、目的はその先にあります。
その目的とは、次の3点です。
1. 業務の効率化
2. 経営判断を行う上でも、目標を設定する上でも必要となる「実態の見える化」
3. お客様の満足度向上
何でもかんでもIT化すべきだとは思ってはいません。本当にIT化が必要なのかを見極める必要があると考えています。社長は単なる新しもの好きだ、と思われても困りますから(苦笑)。
IT化が目的ではありませんから、場合によっては検討してみた結果、IT化はせずに、従来通りの方法のままといった部分もあります。(福地社長)
- 御社のIT戦略の全体像を教えてください。
全体像は描けていないんです。計画を立ててもその通りにならないこともありますし、目の前の課題を解消、解決して進んでいる状況ですね。
大きな軸は、先述の3点「業務効率化」「実態の見える化」「お客様の満足度向上」です。
IT化が必要だと考えられる部分は、システム会社さんに具体的なご説明をいただいたり、デモ版を試してみたり、その都度、社内で議論して判断しています。
どんなに便利な機能もシステムも、使わなければ宝の持ち腐れです。メッセージの出し方を誤ると使われずに負担のままになってしまいますので、社員(または職員)のやる気、関心度を引き上げながら、ていねいに説明してIT化を進めるようにしています。
社内のIT導入事例も増えてきましたので、次の管理職研修では、各部署で取り組んでいるIT化や最先端システムについてなど、ITに関する情報共有を目的に実施します。(福地社長)
- IT化・情報化において、御社で今後検討されている施策などを教えてください。
今後検討しているのは「BIM/CIM」(※)です。
現時点では国交省が後押ししているため、いずれ公共事業はBIM限定となる可能性が考えられます。すでに出遅れているとは思いますが、そろそろ着手しなければならないと考えています。
これまでいくつかシステムを導入してみて、IT化成功のポイントは一歩一歩段階を踏んで導入することだと実感しています。ですから、BIMの導入の際も一歩一歩着実に行っていく予定です。
積算をBIMで行う場合はある程度の習熟度が必要ですし、設計図は従来のワークフローを変える必要があるのですが、それらの考慮点を充分に検討せずに一気にBIM化したことで失敗するというケースを耳にします。
弊社のBIM導入の初歩的な目的としては、施工前にBIMデータを活用して「施主⇔建設会社⇔下請業者⇔設備・電気」の作業段取りに関する情報共有を円滑にすることです。情報共有化によって、施工作業の手戻りを極力減らし工期を短縮することができることを期待しています。
先述の管理職研修では、BIM導入準備に向けてBIMの機能概要や導入のステップの考え方について説明会も予定しています。(福地社長)
※BIM/CIM(ビム/シム)・・・ Building/Construction Information Modeling, Management
「BIM/CIMは、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。」【出典】国土交通省BIM/CIMポータルサイト(http://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bimcim/bimcimsummary.html)
5. IT化導入成功のカギは「経営の関与や理解・方針」 - IT導入に関するアドバイス
- 社内でIT化を推進しようとされるとき、なかにはIT化に抵抗を持たれる方もいらっしゃるかと思います。その際はどのように解決されるのでしょうか?IT化するということは、これまで行っていた手順、慣れ親しんでいることを変えることになりますので、現場から拒否反応が出ることもあります。
その際は、使ってもらうために”その人にとってのメリット”をていねいに、しっかりと説明していきました。(福地社長)
- 新たなシステムに早く慣れる人の特徴はありますか? 例えば、若い人の方が早く慣れるということはありますか?
年齢は関係ありません。
興味や問題意識を持っている人、効率化を考える人が早く使いこなせているようです。
「自分事として捉えられるかどうか?」が大きいと思います。
いずれは現場から「今はこういうのがいいんですよ」「これが先端なんですよ」と提案してくれるようになれば、もっとスピードをもってまわっていくと思います。(福地社長)
- 勤怠管理システム導入時はISCO派遣のIT専門家に入っていただいたとのことですが、専門家が入ることのメリットは感じられましたでしょうか?
さまざまなシステムがありますが、私たちは専門家ではありませんので金額の違い以外はわかりません。
専門家に入っていただくメリットは、IT化の入口で、数あるシステムの機能や特徴を整理し、自社に合ったシステムをご提案いただけることですね。
また、導入の計画や段取りのアドバイスをいただけることで、失敗が抑えられるというメリットを実感しました。(福地社長)
- 非IT企業様、IT導入ご検討中の企業様へ、IT導入に関するアドバイスがございましたらお願いいたします。
IT導入について、3点お伝えしたいと思います。
1. ITの導入には、経営が関与して理解すること。
2. 導入に向けて予算化、組織化して推進していくこと。
3. 導入の目的を明確にし、導入はステップ・バイ・ステップで行っていくこと。
ITの導入には、経営の関与や理解・方針によるところが大きいと感じています。
予算を組むためにも、導入に向けた準備を行う体制・組織づくりを行うためにも、経営の関与・理解が不可欠です。
また、IT化するとは言っても、一度にすべての機能を使いこなす必要はないと考えています。IT化の失敗の多くは、「すべてを一気に行おうとする」ことに起因しています。
例えばBIMの場合、先述しましたが「BIMは何でもできる。BIMは万能だと思い、何もかも一気に取り組んでしまった結果、失敗してしまった」というケースが多いと聞いています。
ですから、必要な機能を順番付けし、一歩一歩、導入を行うことがポイントだと思います。
弊社でBIMを導入する際はステップ・バイ・ステップで、発注者に対してBIMを使ってしっかりと説明ができること、BIMを使って発注者側との意思決定を短縮できることが第一歩だと考えています。
<取材を振り返って>
「進化の目覚ましいITの世界はすごいですね。
流行り廃りのサイクルも早く、2~3年前まで建設業界で著名だった大人気の施工管理アプリが、更に進化した近未来的なアプリの登場ですっかり時代遅れな感じになっていますよ。
どんどん新しいシステムやアプリが出てきますし、これからもアンテナを張って取り組んでいきます」
と福地社長は笑顔で見送ってくださいました。
現場が離島や広範囲に散在するという沖縄ならではの事情として、IT化は非常に有用だと感じました。
また、今回の取材で初めて耳にした「BIM/CIM」は、建設業界にとって避けては通れないIT化なのかもしれません。
福地組様の取材で、「建設業界にもIT化の波が押し寄せているのだ」と実感しました。
そんなIT化の波に溺れないために。
ぜひISCOにお気軽にご相談ください。
専門家に相談することで、ハードルが高く感じられるITの導入がよりスムーズに行えるはずです。
<取材協力>
株式会社福地組 https://www.fukuchigumi.co.jp/
代表取締役社長・福地一仁様/総務部課長・高良章吾様
ご多用のところ、取材ご協力まことにありがとうございました。
<取材・撮影・執筆>
合同会社ジョートー https://jyo-to.okinawa/ 安積美加
※当特集記事の内容は2022年2月3日、取材時の情報です。