IoTに携る仕事と資格

最終更新日:2021年01月01日

IoT導入で必要とされる職種

今後も発展が予想されるIoT関連の仕事にはどのような種類があるのか、IoTに関連した仕事に就きたい人にとっても、IoTを導入したい企業にとっても、興味深いところでしょう。ここではIoTに関わる仕事との種類と、仕事内容についての概要をお知らせします。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、コンピュータのネットワークを構築し管理する仕事です。IoTに限らず、すでに、コンピュータに関わる重要な業務として、IT系企業だけではなく、どの業種でも必要な仕事として認知されています。IoT業界においてもネットワークに関するスキルは必須で、ネットワークエンジニアも必要とされています。

ロボットエンジニア

ロボットの設計や開発に携わる仕事です。今後、もっとロボットがインターネットにつなり、さまざまな分野でのIoT活用が進むことが予想されます。そのため、さらにロボットエンジニアが必要になります。ロボットエンジニアは数学・電子工学・電気工学・機械工学・プログラミングなどの専門的な知識が必要とされるため、ロボット専門の学科がある専門学校や大学で学ぶことことが近道でしょう。ロボット分野は驚くほどの進化を遂げており、多くの人材が求められる職業の一つです。社会人でも学べる学校もありますので、今後のキャリアビジョンに入れてみてはいかがでしょうか。

IoTエンジニア

IoTに必要なスキルを兼ね備えた、IoTエンジニアという仕事も登場しています。IoTエンジニアの仕事はハードウェアとソフトウェア両方の知識が必要です。また、最初から最後まで一人で作業を行うのではなく、多くの人と協力してプロジェクトを管理するマネジメント能力やコミュニケーション能力も必要になってきます。具体的には以下のようなスキルがあることが望ましいとされています。

ネットワークの知識

ネットワークエンジニアの項目でも述べたようにIoTにはネットワークの知識が欠かせません。LAN環境の構築やインターネットの仕組みについて、理解している必要があるでしょう。

組み込み系のスキル

家電や自動販売機、ATMなど「モノ」に組み込むシステム開発を行うため、組み込み系システムに関する知識や開発スキルも必要です。

アプリケーション開発のスキル

「モノ」から、収集したデータをPCで確認する作業の際に使用するアプリケーション開発の知識も必要です。

AIの知識

IoTでは、収集したデータを分析・可視化してデータを活用するためのAIの知識がもっとも求められます。AIの知識があればIoT業界への就職は有利になるでしょう。

セキュリティーに対する知識と意識があること

IoTの最大の課題と言えるのが、セキュリティーの問題です。インターネットとつながりさまざまな個人情報を収集・分析し活用するため、秘密保持・情報漏えいに関して、IoTエンジニアは責任を持つことになります。セキュリティーに関する知識と、IoTエンジニアはセキュリティーを守る意識をしっかり身に付けることが重要です。

IoT関連エンジニアの人材不足

IoT業界の発展に伴い、さらに多くの人材が必要とされることが予測されます。しかしIoT業界で即戦力となるスキルを持っている人材は少なく、これから就職・転職を考えている人にとってはチャンスとなるでしょう。まだまだ発展段階にある業界ですから、今 IoTエンジニアとしてスタートすることは、今後のキャリアプランにとってもプラスになるでしょう。

IoTエンジニアに役立つ資格

ここでは、IoTエンジニアとしてキャリアアップをするために、どのような資格を取得したらいいのか、 IoTのスペシャリストとして、どのような知識を身につけどのような資格を取るべきなのかを説明していきます。

IT関連の国家資格「情報処理技術者試験」

IT関連についての国家資格に「情報処理技術者」があります。この資格試験は、経済産業省が所轄官庁のIPA 独立行政法人 情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency, Japan、略称: IPA※)により、実施されています。これは、情報処理の促進に関する法律に基づき、経済産業省が認定する国家資格で、4段階のレベル、12の試験区分※から構成されています。ここではこの「情報処理技術者試験」について説明していきます。

※IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 ※試験区分一覧

ITレベル1

レベル1にはITパスポート試験[ Information Technology Passport Examination ](通称IP)があります。ITの基礎的な知識が問われる試験です。

レベル2

レベル2には、情報セキュリティマネジメント試験[ Information Security Management Examination ](通称SG)と、基本情報技術者試験[ Fundamental Information Technology Engineer Examination ](通称FE)があります。

情報セキュリティマネジメント試験(SG)は、情報システム部門などで情報セキュリティーに関する業務に就く人などに必要とされるさまざまな知識が問われる試験です。基本情報技術者試験(FE) は主にプログラマー向けの認定試験で、以前から重要視されてきました。

レベル3

レベル3には、応用情報技術者試験[ Applied Information Technology Engineer Examination ](通称AP)があります。 レベル2の合格者が上位を目指して受験します。その先のレベル4である高度情報処理技術者試験を目指している人の多くが受験する試験です。

レベル4

レベル4は高度情報処理技術者試験とも言われる、一番難易度が高い試験レベルです。 以下、8つの区分があります。それぞれを簡単に説明します。

・ITストラテジスト試験 IT戦略知識やコンサルティング能力が問われる試験です。

・プロジェクトマネージャ試験 システム開発のプロジェクトマネジメントを行う人の試験です。

・システムアーキテクト試験 システム開発の上流工程作業に関わるエンジニアの試験です。

・ITサービスマネージャ試験 業務システムの運用管理の責任者の試験です。

・ネットワークスペシャリスト試験 ネットワークエンジニアやインフラエンジニアの知識に関する試験です。

・データベーススペシャリスト試験 データ管理者の専門的な知識を問われる試験です。

・エンベデッドシステムスペシャリスト試験 組み込み系の知識が問われる試験です。

・システム監査技術者試験 情報システムリスクに関する監査技術の知識が問われる試験です。

情報処理安全確保支援士

経済産業省が認定している国家資格で「情報処理技術者試験」とは別に設けられています。特にサイバーセキュリティに関する試験です。セキュリティーに関するコンサルタントなど、セキュリティーのスペシャリストを希望する人も受験してみる価値のある資格試験です。情報処理技術者試験と同様IPAが実施しています。

参照 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士支援試験

IoT導入に関係がある電気に関する資格2種

ここで述べる2種の資格も、状況によってはIoT導入に必要になります。また、IoTエンジニアにキャリアチェンジ、キャリアアップの際に有利になる資格です。 スマートホームや店舗の施工、IoTを導入する工場の建設事業に携わる人は必ず必要な国家資格です。

電気工事士

電気工事士は経済産業省が認定する国家資格です、電気工事士法が定められており、この免状を持っていない場合、工事の内容によっては電気工事を行うことができません。 第一種と第二種があります。第二種は、一般住宅や店舗(600ボルト以下)の設備工事。第一種は、第二種の範囲と、最大500キロワット未満の電力の工事(工場やビルなど)の工事ができます。

参照 経済産業省 電気工事士

電気通信主任技術者

電気通信主任技術者とは、総務省が認定する国家資格です。「電気通信主任技術者は、電気通信ネットワークの工事、維持及び運用の監督責任者です。※」電気通信事業者によって選任されます。電気通信主任技術者資格者証は、国家資格に合格するか、養成課程を終了するか、あるいは、資格を持つか養成課程を終了したと同等と総務大臣が認定すれば交付されます。

※引用 財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家センター

IPAが定める標準スキル

IoTエンジニアに求められるスキルには、前述の「IPA」が定める、標準スキル(ITSS、ITSS+、ETSS、UISS)という基準があります。

ITSSはITの標準知識、ITSS+はITSSに加えてさらにIT関連業務の従事者のスキルアップを測る取り組みに活用されることを考え定められた基準です。 ETSSは、組み込みスキル、UISSは情報システムに関するスキルのことです。

ITスキル標準は2021年2月現在、V3 2011まで公開されており、IPAのホームページからダウンロードできます。

参考 ITスキル標準V3ダウンロード

IoT導入は拡大し、仕事に必要な資格や仕事に有利な資格

経済産業省や、総務省のほかにも今後のIoTに関わる国家資格があります。 また、今までご紹介したようなIT以外のスキルや資格が生かされるIoT導入の現場は多岐に渡りこれからも増えてくるでしょう。例えば、看護師、栄養士、臨床心理士などの資格は医療系や、ヘルスケア系のデータ分析などに生かすことができるかもしれません。

IoTはこれからいろいろな分野のスキルや知識と結びついて、新たな価値を生み出す可能性がありますので、今所持している資格やスキルに加えて、IT関連の知識や知識を得て、IoT分野への就職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。