「RPA」って何?

最終更新日:2019年10月15日

 


ルーチンワークで疲弊しない職場づくりのお役立ちツール
パソコンやサーバーの中で働く「RPA」のリアル


毎日お決まりのシステムを立ち上げて繰り返す入力作業や、決まった時間まで待っていなければならない資料の取りまとめ業務。誰にでもできるけれど時間がかかり、職場の生産性を少しずつすり減らせているこうした作業を代わりにこなしてくれるのがRPA(アール・ピー・エー)だ。
RPAは、ロボティクス・プロセス・オートメーションの略語。ロボットを連想させる言葉だが、実際のところはパソコンやサーバーに搭載するソフトで、エクセルのマクロが使える人なら30分〜1時間で、そうでない人でも1日程度の研修で使いこなせるようになる製品もある。

速くて正確、疲れず風邪もひかない働きもの

今回は、インダストリンク(https://industlink.jp/)にRPA関連ソリューションを登録している沖縄通信ネットワーク株式会社(以下、OTNet)とディヴォ―トソリューション株式会社にRPAについて取材を行った。 
※「インダストリンク」は県内産業の課題解決を目的としたビジネス・マッチング・プラットフォームであり、IT事業者が保有するITソリューションと課題をITで解決を図りたい企業とのマッチングが行われる。

RPAサービスの「OT Robo」を販売しているOTNetでは、自社にRPAを導入済みだ。初めの1部署を皮切りに、現在では4つの部署に導入を拡大し、RPA化済みの業務は増え続けている。同社ソリューション営業部営業推進グループグループリーダーの大城圭さんは、「はじめに4人のチームで行なっていた作業をRPA化したら、残業がゼロになりました」と話す。


ソリューション営業部 営業推進グループでRPAを担当する営業の大城圭さん(左)とエンジニアの小林
大輝さん(中央)、宮城宏之さん(右)


初めにRPA化した8つの作業(下の表 参照)は、すべて光回線工事手配のための業務工程だ。毎日50〜150件入る申し込みをすべて当日中に処理する必要がある。休み明けには300件以上に上ることもあり、担当者が残業して対応していた。



「お客様の住所を扱うため、コピーアンドペーストをするときに文字や数字が欠けるなどのヒューマンエラーに大きなリスクが付きまといます。そのため、確認作業が必要で、業務効率の低下を招いていました。また、細かい作業を大量にこなさなければならないことが、メンバーのストレスにもなっていました。」 

8つの作業をRPAに覚えさせたところ、3ヶ月の試験期間中ノーミスで稼働し、1日あたり5時間、91%の作業時間削減を実現した。 

また、株式会社オキット(名護市)が販売協力をする「アシロボ」のベンダーディヴォートソリューション株式会社(東京)代表取締役 洞本昌明さんは、「誰もあまりやりたくないような作業をRPAがやってくれるので、フラストレーションが減り、従業員満足度が上がり、離職率が下がり、採用・育成コストが抑えられる」とRPA化のメリットを語る。 


ディヴォートソリューション株式会社 代表取締役の洞本(ほらもと)昌明さん


通常のRPA導入プロセスと大きく異なり、アシロボでは下記3段階に分かれると洞本さんは語る。
① 導入前講習(マクロが使える人は30分~1時間、一般には1~4時間x2回)

② RPAかした作業を、担当者が自分でロボットに覚えさせる(即日)

③ 稼働
 
この簡単な基礎プロセスで導入が可能になる。アシロボが代替している業務は100以上にのぼり、業種は板金屋工場から、不動産、宿泊業、葬儀屋、保険代理店、物流、IT、EC事業者、福祉団体、飲食業、税理士法人、広告代理店と多岐にわたる。

アシロボ導入事例:


例を挙げると、不動産会社では物件情報を管理するためにファイル名を付け、保存する作業をRPAが担当、保険会社では20支店からの所定のフォーマットで挙がってくる報告データの集計をRPAが自動化している。更に物流倉庫企業では、イレギュラーの出荷依頼書の場合、エクセルファイルを開き、必要なカラムのみデータを転記する作業を行うなど業種、作業も様々であり、企業の規模に関らずRPAテクノロジーが活用されているのが伺われる。

OT Roboは県内5社に導入済。導入した企業ではすでに、浮いた時間と社員の力が、他部署の応援や、より創造的な仕事にまわされている。育児中の従業員の時短勤務が実現するなど、多様な働き方への対応力も向上しているそうだ。導入先は印刷業、運輸業、商社、ネット通販、そしてIT企業と幅広く、RPAの使用方法も様々である。ある企業は基幹システムでデータ検索し、検索結果をExcelに転記するロボット、また、ある企業では勤怠システムからデータ出力し、残業時間別にセル色付け後、メール送信するロボットを使用。その他にも受発注処理業務や燃料費調整業務など、県内企業の業務改善にRPAが活躍しているようである。

下位の図は基幹システムでデータを抽出し、結果をExcelに落とし込むという通常多くの業務で行われている作業のロボットを活用した導入事例の処理フローである。



導入の手間を含めたコスパはいかに?向いている業務とRPAサービスの選び方

ここまでRPA化のメリットに注目してきたが、RPAを稼働させるためにはある程度の手間や費用がかかる。コストに見合うメリットが得られるからこそ導入する企業が増え続けているわけだが、実際のところ、RPAが職場にフィットし、軌道に乗るまでプロセスはどのようなものなのだろうか。また、どのような業務がRPA化に向いているのだろうか。

今回お話を伺った2社、それぞれの答えは次のようなものだった。

OTNet
 【向いている業務】
 ・デジタル化されたデータを多く扱う業務
  • 会社の規模は関係なく、頻度が高い業務や同じことを繰り返す作業量が多
  • ・ 既存のシステムを動かすために人が行っている業務
     
  • ディヴォートソリューション株式会社
    【向いている業務】
      ・ ルールと手順が決まっている業務
     
  • RPA化は時代が要請する経営課題。採用の差別化要因・競争力に。
     
サービスの方向性や料金体系こそ違えど、「RPA化は時代の要請である」という点では2社の見解は共通している。事実、すでにほとんどの大企業が導入済みだ。孫正義氏率いるソフトバンクグループでは、傘下の10兆円ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が2018年11月に米国の大手RPA会社に3億ドル出資した。同社はまた、2019年6月には、通信子会社のソフトバンクで2020年度末までに4000人分の業務をRPAに代行させる計画を明らかにしている。

洞本さんは、RPA化の潮流と展望について次のように話す。
「現在のRPA化はClass1に位置付けられるもので、あらかじめ覚えさせた作業を人間の指示通りにこなします。これが、半AI化されるとClass2に進化します。Class2になると、RPAに指示を出すのは100%人間ではなく半分AIになります。例えば、AIスピーカーに『会議室取っておいて』と話しかけると、AIが認知してRPAに指示を出すといったイメージです。さらにClass3になると、100%AIがRPAに指示を出すようになります。人間の会話を聞いてAIが会議室の予約が必要と判断し、RPAを稼働させる。AIとRPAは別物で、AIは目と耳と脳に、RPAは手に例えられますが、AI化が進めば進むほど、実際に手を動かすRPAの重要性が増していくことは間違いありません。ソフトバンク・ビジョン・ファンドがRPA会社に出資したのも、そうした潮流を見越したものでしょう。」

いっぽう、OTNet執行役員ソリューション営業部長の親泊実幸さんは、人材確保の観点から次のように話す。

「これからますます人材不足になります。そうしたときに、従業員をただの作業要員にして雑用をやらせていては、採用できないし定着しないでしょう。定型業務はロボットにやらせて、人間にはもっと創造性の高いことをしてもらわないといけません」

Class1フェーズの現段階でRPAを使いこなせるか否かは、目前に迫るAI時代に、より大きな生産性や企業価値の差となって顕在化しそうだ。

こう書くと大げさに聞こえるかもしれないが、大きく身構える必要はまったくない。法人数で99.7%を占める中小企業のために設計された、お手軽でお手頃なRPAサービスが用意されている。少しでも興味を持った方は、インダストリンクに問い合わせしてみてはいかがだろうか。